あらすじ
ジャクソン・ポロック幻の傑作が香港でオークションにかけられることになり、美里は仲間とある計画に挑む。一方アーティスト志望の高校生・張英才のもとには謎の集団「アノニム」からコンタクトがあり!?
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Posted by ブクログ
2025.8.21
ジャクソン・ポロックという画家もそのペインティング手法もこの本で初めて知った。美術館に行っても「抽象画の良さってさっぱりわかんないなー」と思っていたけど、こんな背景があってこんな気持ちで描いてたんだと思うと見る目が変わる。最後はハラハラしつつあっという間に完読。やっぱり原田マハさん物語の進め方が秀逸。
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登場人物多くて分かんねえなあ、が序盤。
相関図や作品におけるゴールが提示される中盤。
そしてハラハラを超えた先にあるカタルシスが終盤。
平凡な高校生の張英才と、世界を股にかける窃盗団であるアノニムとの世界が交わることで見えてくる結末。
ラストシーンは、ここ最近で一番くらった。
めちゃ面白かった。
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エンタメ要素が強めのアート小説。
超絶技能集団がアートそのものと、それに纏わる信念のために暗躍する。
登場人物を覚えるのに難儀しつつも、わくわくしながら楽しく読めた。
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久々に凄く面白く読めた小説!
内容や会話の流れが児童書のように子供っぽく感じる部分もあったが、意外とそれを求めていたのかも。台湾が舞台だったり、登場人物が世界を股に掛ける凄腕集団だったりするところが、気分をグローバルにしてくれて楽しかった。
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アートシリーズかと思って手に取ったら、アートはアートでもちょっと視点のちがうお話だった。盗まれたアートを盗み返して持ち主に返す。しかもコンディションチェックも完璧で、時には補修さえもされている。そんな謎の集団アノニムのメンバーのお話だった。おもしろかったなぁ。こういう感じの話すごく好き!わくわくするし、新たな学びもあったりして。今回のターゲットはジャクソン・ポロック。アクションペインティングって初めてちゃんと見たからおもしろかった。こんな画家もいるだな。アノニムのメンバーで別の事件もやってほしいなぁ。
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今回はアーティストやアートに焦点を当てた「ノンフィクションにフィクションをおりまぜたアート小説」ではなく、華やかなオークションの世界とアーティストを夢見る若者と「ミッションインポッシブル」的な義賊集団という、かなりエンターテイメントなストーリーでした。
映画になっても面白そう!
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例えばワクワクするようなエンタメ作品をお探しの方へ
ジャクソン・ポロックの傑作「ナンバー・ゼロ」が発見され、香港のオークションにかけられることになった。
世界の富豪たちが注目する中、裏で何やら不穏な動きがあり…。
一方、世間を賑わせるアート窃盗集団「アノニム」。アーティストを目指す少年のもとに、アノニムからメッセージが届く。
それはどこか監視されているようで…。
「ナンバー・ゼロ」の行方は、「アノニム」の真の目的とは、オークションの熱気とアートの力強さを感じられる、エンタメ作品です!
原田マハ先生のアート作品は外れないですね。『楽園のカンヴァス』『リボルバー』などなど…。
今作では第二次世界大戦後にアメリカで活躍した、ジャクソン・ポロックがテーマです。
アートに向き合い、アートを再定義し、時代を打ち破った、そんなアーティスト。
この作品を読むと、どうしても作品を生で見たくなります。
それくらいアートの面白さ,魅力を文章に落とし込むのがお上手です…
Posted by ブクログ
時折名画のオークションでとんでもない値がつけられたというニュースを見ることがありますが、その舞台裏を垣間見ることができました。
表現し、伝えることに迸る情熱をそそぐアーティスト。
いつか時を経て、その作品をどうしても手に入れたい人たちによるかけ引きの的になるのか、
今は誰もわからない。
香港という地、若きアーティスト、そしてアートへの深い愛とエネルギーに触れ、私も恐れずドアを開けたいという気持ちになりました。
Posted by ブクログ
香港の学生運動、アートのオークション、裏社会で取引される絵画作品を盗んで修復して本来の持ち主に返す義侠的集団という魅力溢れる要素を合わせた面白い作品です。
ハリウッドのスパイ映画のようなアノニムがとても魅力的でしたが、ゼウスにまつわるエピソードの結末をもう少し読みたかったかな。
Posted by ブクログ
★★★★☆オークションが始まるまで、緊張感いっぱいの内容でどんどん読み進みました。始めは、金持ち集団の雰囲気とその感じに抵抗感がありましたが、読み進めるうちにキャラクターの設定が面白く抵抗感も自然と無くなっていきました。アートを巡る様々な出来事は、実際にもあるんだろうなと思いました。
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原田マハさんのアート小説の中では、エンタメ性が際立った一冊
じわっと心が高ぶる作品が多い中、こちらはアニメや映画化に向いてる賑やかな感じ
アートへの知識と情熱は変わらず深いので、新たな路線で面白かった
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原田マハさんのひと味違うアート小説
香港が舞台で、ジャクソン・ポロックの幻の傑作がサザビーズのオークションに出される‥
アーティストを目指す高校生と謎のアートに関わる組織のお話です。
アートも詳しくないし、ましてオークションなんて未知の世界だから、読んでいてわくわくおもしろかったです。
「傑作が生まれたそのときがどんな時代だったのかを知ることは、アーティストや作品を理解するのに大いに役立つ。ちょっとした思いつきや偶然で生まれる作品の中にも優れたものはもちろんあるけれど、ほんとうの傑作には、アーティストが肌身で感じていた時代の空気が綿密に盛り込まれている。アーティストが何を感じ。どんなふうに考えて作品を創り出したのか、まずはアーティストの創作した時代に思いを馳せてら作品に向かい合えば、よりいっそうそれが輝いて見えることだろう。」
原田さんのおかげで、絵そのものだけでなく、作者のこと、描かれた時代のことを理解しようとするようになって、私の世界が少し楽しく広がりました
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2回目。やっぱりアノニムカッコいい…!みんな行動とか発言がスマートで憧れる。失敗しないところも安心して読める。ただ張英才のキャラが極端すぎる所だけがキズかな。ぜひ!続編を!
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楽園のカンヴァスを読んで、原田マハのアートに関する小説を他にも読んでみようと思い、手を取った。楽園のカンヴァスと共通するところとしてアートを題材としてミステリーの要素を掛け合わせてるのが原田マハ作品の特徴だと思った。スピード感がある作品で、スラスラと読み進めることができたが、一高校生が描いた作品が贋作だと見抜かれないことなどあり得るのか、なぜ描いた時の記憶がなくなっているのかなど、現実では起こり得ないだろうということも感じだが、気にせずに読み進め、華やかな空気感を楽しむ作品なのだと思う。
Posted by ブクログ
帯文「アートで世界は変わらない?誰がそう決めたんだ?」に惹かれて購入。
某スーパーチームエンタメ映画を彷彿とさせる、軽快な場面運び。
最初は滑稽に描かれていた少年英才が、キーマンに選ばれ、奇跡の開眼を果たし、本当の自信をつけるのが良かった。全てはボス次第だったかもしれないけれど、ボスに届くほどの情熱は、きっと本物だったのだろう。
「おれたちには何もない、だからこそ、おれたちにはすべてがある。おれたちは可能性のかたまりなんだ。
いまこそ、叫ぼう。叫んでみよう。一緒に進もう。そして生き抜こう。
きっと、おれたちの目の前で、世界へのドアが開くはずだ!」
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原田マハさんの他のアート小説とは色が異なり、ポロックの作品を取り巻くアート窃盗団のお話。表の顔は様々な業界のトップランナー、裏の顔は悪からアートを守るために活動するアート窃盗団。対立軸が明確でわかりやすい漫画チックなエンタメ小説です。
個人的には史実を織り交ぜ画家自身の人生を重厚に描いたアート小説の方が好みではあるけれど、読み口はライトながら原田マハさんのアートを信じる気持ちが伝わってくる作品です。
【アートが発信するメッセージは、幾千の言葉よりも饒舌なことがある】
【アートには世界を変える力はないかもしれない。けれど、ひょっとすると、アートで世界を変えられるかもしれないと思うことが大切なんだ。ピカソも、ポロックも、その思いを胸に描いた。】
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アノニムメンバーのミッションインコンプリートと高校生の甘酸っぱい恋という事か。登場人物が多くて登場回数も限られてて薄いかと、なんだか計画を計画通りになるのを目で追った感じ、あとどんでん返しもないかと。で何が言いたいかというと、この作品はキュレーター原田マハさんでなければ書けないのが一番のみそ。
Posted by ブクログ
アート義賊集団であるアノニムはアクションペインティングで有名な現代美術ポロックのナンバーゼロを香港でのオークション購入者から盗み、代わりに少年張英才にアートで世界を変えられると自信を持たせる為彼の絵画とすり替える。
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原田マハさんの作品の幅にびっくり。アニメみたいなイメージで読み進めることができ、探偵?怪盗?を想像させるキャラたちがそれぞれの役割をこなす。ワクワクしながらどんどん読んでしまった。
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主要な登場人物が多い&外国名なので、頻繁に巻頭の人物紹介を見返しました笑でも、本名の他にニックネームがあったり、ビジュアルが提示されているおかげですごく読みやすかった。肝心の主人公英才、敵キャラのビジュアル情報は少なく、謎に包まれている感じがすごく好み。
そして、すべてスマートに事が運ぶので適度な緊迫感とゆるさがミックスされていて、読んでて全然疲れませんでした。でも、逆に削ぎ落とされすぎていて最後までどういうこと?と感じる部分も多かった。続編とか、メンバーそれぞれのビハインドなんかも読みたい。
Posted by ブクログ
技術や資本がいくら潤沢にあっても、育まれないものが感性でありアートである。
人生の成功者たちがアートのために道を踏み外し、何者でもない香港の若者がアートの力で新しい一歩を踏み出す。
アートに宿る力や、変わりたいと願い踏み出す大切さを知れる一冊
アノニムのメンバーそれぞれの人生をもう少し深ぼったり、アノニムとしての活動を他にも見てみたいと思ったので続編が出たら嬉しい。
Posted by ブクログ
現代アート、香港の学生運動ともに知識が乏しく、すぐにイメージするのが難しい部分もあったが、興味を持つきっかけとなった。
オークションのシーンは高揚感と緊張感があり、人々を魅了している理由が少し理解できた気がする。
作中の主人公のようにアートに心を動かされ、新しい事を考え実行している人が今も世のどこかにいる事を感じる事ができ、将来が楽しみだと感じた。
Posted by ブクログ
2019年香港で起きた民主化運動を著者視点で解釈し、その解決方法を提示したものなんだろうと勝手に理解。
そういえばバスキアがオークションで超高額落札されたのも同じ頃だっただろうか。
時事的、かつマハ的な作品といえる。
Posted by ブクログ
すらすら読めた。これシリーズものにならんのかな?という感想。アノニムのメンバーがどういう経緯で仲間入りしたのかとか、贋作を掴まされた敵方?はどうなったのかとか、色々と気になる点が多い。ただ、アートの力が人を動かしたりする原動力になることは伝わった。
(読書メーターからの転記)
Posted by ブクログ
世界を変えられるかもしれないと行動することが大事。
アート鑑賞をたくさんしていて、積読していたこちらを!
謎のアートスペシャリスト集団、<アノニム>かっこいい!
まず、相手を褒めることから始まる関係性、素敵。
作品中は本名とは別の、通称が使われているから、覚えるの大変だけど、登場人物紹介が載っているのでなんとかなる。
叙述トリックとか、読者を混乱させたいときに本名と通称を出すのはありだな!と思ったけど、読む人はちゃんと理解して読むから、ミスリードにはならないかな?
スペシャリスト集団<アノニム>の計画を実行するオークションのシーンはドキドキワクワク。
もっと活躍しているところを見たい!続編できそう。
<アノニム>のリーダー、ジェットが張英才に伝え続けた、「アートで世界を変えることは出来ないかもしれないけど、アートで世界を変えようと行動することが大切」というメッセージが素敵。
ダメだと想像して諦めてしまうのと、行動してダメだと諦めるのでは全く違う。
歳をとると「それはダメだ」と想像して、無難なことしかしなくなる。
チャレンジしていきたいものです。
Posted by ブクログ
年齢を経るごとに名前などを覚えられなくなっているので、洋物を避けていたのですが、つい原田さんと思って買ったら大変でした。
香港を中心に世界中の話題が。中国人名も地名も現地読みの振り仮名が付くものの、メモをしていないので、同じ名前が出るごとに前に戻って確認作業が入る。
同様にアノニムのメンバーも、一人を除き外国人。正業の他にアノニムの愛称があり、両方の名前を使い分け。正業の他に幾つもの組織が現れ、美術品を巡り大騒動。誰が誰やら、敵か味方か理解に時間を要する。
美術品に関しては流石の内容で、本自体は読み切ったが、非常に苦労した読書だった。
Posted by ブクログ
漫画ライクなアートエンターテイメントストーリ
冒頭に登場人物がイラストで紹介されていて、ライトノベルといった感じ。
ストーリとしては、
様々な業界の表で活躍する一流の人たちが集まったアート義賊団、アノニム。盗難された美術品を盗み出し、修復までして持ち主に返す集団です。
そんなアノニムの今回のターゲットは、ジャクソンポロックの幻の作品「ナンバーゼロ」
これをオークションで落札しようとしているコレクターとの戦い。
オークションで史上最高価格で落札させる一方、贋作を渡すといった展開。
その贋作を描くのが、高校生の英才。
英才の想いが、そして、アノニムの想いが語られる物語です。
このアノニムの使うガジェットがすごい(笑)、映画で出てきそうなシステムばかり(笑)
そもそも登場人物の設定も億万長者だったり、美術史の権威だったり、建築家だったり...
まさに、漫画ライクなエンターテイメントです。
しかし、英才が最後に語ったスピーチが熱い!
原田マハさんの熱い想いが伝わってきます。
「ポロックは、一枚の絵を通して、おれたちに教えてくれている。もしも目の前にドアがあるなら、まずノックしてみろ、と」
「アートには世界を変える力はないかもしれない。けれど、ひょっとすると、アートで世界を変えられるかもしれないと思うことが大切なんだ」
楽しめました。
お勧め。