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Posted by ブクログ
異邦人と書いて「いりびと」。
最初は合わないかなと思った。現代もの、実在のモデルがいるわけでもない、妻が感じ悪い。
でも途中からミステリアスになり、グッと加速した。
銀座の画廊の息子一輝と、不動産業の収入で運営される美術館の副館長を務める菜穂の夫妻。震災による原発事故の放射能を気にして、身重の妻は京都へ避難する。退屈していた菜穂だったが持ち前の審美眼で無名作家を見出し、惹かれていくことで、自分の本来の生き方に目覚めていく。
まともというか、常識的なふるまいの出来る一輝だが、心が離れた妻にかける言葉が本当に駄目で、男性あるある過ぎて、これは女性にしか書けないものだなと感じた。悪い人じゃなくて悪気はなくても、駄目なんだよな。
終盤に向けてさらに出生の秘密、樹の秘密が明かされ驚きと納得の展開となる。うならされた。
そしてこれは、ネタバレというか謎なのだが、
338ページに書かれている「喜一の長男の由喜」とは誰なのか。校正ミス?
Posted by ブクログ
今日も関東は激暑でした。
本当に日本はどうなってしまったのか。
先日沖縄に旅行に行った友人が、沖縄は涼しかったよと言っていて、夏の沖縄は避暑地だったっけ?と不思議な感覚でその話を聞いていた。
庭のお花達の面倒を見るのも難しく、水を遣るのがせいぜい。しかも大汗かくので、大急ぎで終了する。庭の水撒きは、心のオアシスだったはずなのに。なんという違いだろう。
日本の古き良き夏は、どこへ。。
で、異邦人ですが。
久しぶりに星5としました。
面白い!よくできたお話でした。
特に、京都を舞台としているので、その京都らしさと画家の作品とがコラボしてなんとも言えぬ、世界観を醸し出していて、美しかった。
芸術に向き合うことの厳しさと美しさを描き、主人公が自分らしい生き方を見つけていく姿に静かな感動がありました。
真の強さと、芸術に対するブレない心。
若干菜穂の傍若無人さに、引くところもあるけど。笑笑 それは小説の主人公だからと、グッと堪えて。
それでもステキ゚+.゚(´▽`人)゚+.゚
Posted by ブクログ
ジャンル分けするとミステリになるのだろうか。導入部の不可思議さと、結末に舌を巻いた。まるで不可思議な絵画の世界に迷い込んだようなふわふわとした奇妙な感覚がある(そんな話では全くないのに)。
芸術や美しさを見ると心が洗われる人間がほとんどだが、それを見ると狂わされる人間もいる。例えば古の神話に姿を見ただけで狂うものがいるように、美しさはある特定の人間にとっては劇薬以上の何かの役割を果たすのではないか。
本作の登場人物たちも、美術や芸術の美しさによって狂わされていく。ある者は性愛に、あるものは金に。不思議なのは狂わされた人間たちが誰一人として欠片も自らを省みない事だ。運が悪かった、とでも言うように。芸術に全てを振り切りすぎると人としての常識が才能の代償に抜け落ちるのかもしれない。
柔らかな破滅に向かってひた走るのに後味は悪くない。酒の苦味がまずくなく、癖になるのと同じように。
Posted by ブクログ
「異邦人」とは誰のことを指すのでしょうか?
読んでいる最中、私は屏風祭りで外から展示物を見る1人の観光客でした。物語は私たちには遠いような近いような、全てを目に焼き付ける傍観者の視点で進みます。
一年をかけて菜穂と一樹を取り巻く環境・心情の変化を追っていきます。一年を追うことで、登場人物のことをよく知る人物であったかのような、親近感を覚えました。それぞれがどのように人生を歩むのかを、花が咲くのを楽しみに待つ老人のように、またやっと食べられる美味しいご飯をかきこむ子供のようの読み進めていました。ページを捲る手が止まらないです。
京都の桜散るある日、蒸し暑い夏、紅葉の綺麗な秋、凍えるような冬、それぞれが肌に吸い付くように、感じられました。京都に住んでいた日のことがありありと目に浮かびます。
とても面白い作品です。また読み直したいです。
おすすめです。
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