原田マハのレビュー一覧
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ヘレン・ケラー
私の尊敬する人。
彼女の傷害を現在の青森県弘前市を舞台に、
介良れん として物語が繰り広げられる。
音も光も言葉も発することができない
どう関わったらいいのかわからない
誰もが手を余してた時に、れんの教師として
迎えられた安だけは、れんと真っ向から向き合う
姿勢に芯の強さを感じた。
そして れん の初めての友人となるキワ。
盲目の彼女は、三味線奏者として全国をまわる途中で れん達と出会い れん とともにたくさんのことを覚えていくのだけれど。。。
キワをモデルにしたのは高橋竹山かな?
安が れん との関わりの中で悩んでた時にイタコが
ヒントをくれるシーンがあるけれども、 -
Posted by ブクログ
世界のあらゆる美術館に常設されている有名な絵画をテーマに据えた6篇の短篇集。
私は絵画に明るいわけではないけれど原田マハさんの美術小説がとても好きだ。読みながら手を止めて、テーマになっている絵画について検索してみることもしばしば。そして「確かに見たことある絵」となることもしばしば。
特別ではない、人の暮らしのなかに絵があって、そこに静かなドラマがある。
冒頭の「群青」とラストの「道」がとくに印象に残った。絵画を愛しそれを仕事にしている女性がある視覚をなくす病気に冒される。仕事どころか生き方を迫られるような事態。だけど「見えること」だけが絵を愛することではない。
「道」は1枚の絵画が奇跡の邂逅 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自由になるということはいかに独立するかということ。短編集で、一人ひとりの物語を通して独立、自立していく様子を通して、さまざまな「独立」があることを表現されていた。
短編集だが、一つの世界線でのお話だったため、個人的に最後のお話にとても興奮した。
私はこの本を読んで、自由と独立と孤独の差異はあまりないのだと感じた。自由を求める一方で孤独になることは嫌がるが、独立することで自由を手に入れられるなら、それは孤独になっていくことにも繋がってしまうのだと思う。ただ、誰かに依存して、その誰かに縛られて生きることは耐え難いため、「自立した人間」を目指したい。 -
Posted by ブクログ
盲聾啞という三重苦の困難を乗り越え
社会福祉に身を捧げた偉人ヘレン・ケラーと
彼女の家庭教師アニー・サリヴァンの伝記は
つとに有名ですが、
それを明治期の津軽地方に舞台を移し
翻案・再構築したという本作。
介良れん(けられん)と去場安(さりばあん)
という登場人物の名前を見ただけで
すぐに原作の映画を思い浮かべるのですが、
本作では、原作には登場しない
津軽ならではの風習・文化が
重要な役目を果たします。
特に印象的なのは
三味線弾きの盲目の少女“キワ”と
“れん”との出会いです。
“キワ”が津軽じょんがら節を奏で歌う場面。
自分がかつて聞いたことのある
津軽三味線の響き(高橋竹山だったか