原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
400ページを超えるのに、あっという間に読み終わった。
たぶんマハさんの小説の中でも王道のアートミステリーは今回読んだのが初めて。
こんなにも読ませる力があるのは、そこに「人間」が描かれているからだ。
生きている間に、評価されてほしかったよね、と思う。
でも林忠正も、ゴッホがまさか死んでしまうとは思っていなかったのだから。
生きている間にこれぞ!と思える作品に出合えると思っていたに違いないのだから。
本当に人というのは人生というのは、思い通りに行くことはないんだなと後世に生きる私が思うのは非常に勝手なことで、彼らは彼らで二十世紀が来る目前の時代に「印象派の次」の時代になることを狙って、必死に生きていたに違いない。
ああ、悲しい。泣けてくる。
これを読んで知ったのは大ゴッホ展の第一期が終わってしまっていたということ。絶対来年の第二期行きたい!
印象主義という言葉を知っているだけで私は芸術を知った気になっていたと気づかせてくれた
恥ずかしい
絵を描いた人にも人生がある
絵を見て何かを感じてはい終わりじゃない、その作品が描かれるまでに、画家にどんなことがあり、どんな感情が生まれたか
絵の背景、画家のことについて知ることこそが芸術鑑賞の醍醐味なんじゃないかと思った
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ジャン=レオン・ジェローム -
Posted by ブクログ
ネタバレ真珠にまつわる、女性たちを描いた短編集。
真珠は、時間をかけて、異物を取り込みながら角を削ぎ落として円くできあがっていくといいます。
他者との関わりや痛み、受け継がれる思いを時間をかけて自分の人生に取り込んでいく女性たちのそれぞれの人生と真珠が重なる、すばらしいタイトルだと思う。
特に「庭の朝露」と「あの日のエール」が好き。
「庭の朝露」は長い年月をかけて大事に継承される、そして冠婚葬祭のどの場面にも寄り添う、真珠の淡い美しさが文章から滲んでいるようで印象的だったり
p.45 真琴は、何も言わずに母の指輪を私の手のひらに載せた。彼女の目には朝露のような涙が浮かんでいた。
私は、手のひらの中に真珠のひと粒をそっと包み込んだ。
やわらかな温もり。母の、ぬくもりだった。
「あの日のエール」は祖母が自分の決意を込めた真珠のネックレスを孫に受け継ぐ物語。
着飾るためじゃなく、自分を鼓舞し勇気づけるというジュエリーのもつパワーを感じて心に残った。
p.107〜108 未来に向かって、さあ、かかってらっしゃい! って堂々とありのままの自分をさらけ出している……エレガンスを忘れずにね。
こういうふうになりたいな。今でも変わらず、憧れてるのよ。
私に教えてくれながら、タマヨさんは自分の衿もとの真珠のネックレスを愛おしそうになぞっていた。 -
Posted by ブクログ
著名な実在の人物が多数登場するので伝記的なものかと思ったら、どうやら山中すてらと常和田伊作は作中のオリジナルということで。
本人の弛まぬ努力は、夢を叶えるためにはもちろんなくてはならないものなのだが
この物語で1番感じたのは《応援してくれる人》の存在の大きさだった。
これまで自分は
昔も今も、夢を持ち続けて叶うまで辞めずに成就できる人は、裕福で育ちのいい人(生きていくために衣食住の心配をしなくていい人)の特権だと思っていた。
よくてある程度は許されていても、年齢での区切りみたいなものがあって、そこから先は堅実な生き方に(男性なら理解ある女性のヒモという方法もあるかもだけど女性にはそんなやり方はない、というか少なくとも自分は知らない。)切り替えて、若い頃の懐かしい思い出と割り切っていくのが大半だと。
でも《応援する人》がいる、ということがこんなにも素敵でわくわくすること、本人の気持ちの持ち方を支えるものなんだとしみじみ。
自分も、スポンサーにはなれないけれど頑張る人の応援をしたいなと感じた。どんな方法で??
そしてさすがのマハ様。
キュレーターの豊富な知識と視線に溢れた文章が絵画への愛として冴え渡っている。
いつか大原美術館に行きたいな。(遠いけど)
スマホの待ち受けにした、マチス嬢の肖像がニタっと笑った気がした。
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Posted by ブクログ
まず人生って名前がすごいなと思った。
そこから、その息子を支え続けたお母さんのことを思うと、やるせない気持ちになった。
ただ、このように家から1歩出ようと思う人の方が現実では少ないんだろうなというのが印象だった。
全体的にすごいよくできたサクセスストーリーな印象だったが、人生がどんどん前向きになれる部分は応援したくなった。
また、おばあちゃんのことも愚かな私は、良くなってくれるんじゃないかなと期待して、あまりならなくて、悲しくなったりもした。
閉鎖的な田舎は、やはり距離が近い分煩わしいことも多いが、暖かいと思う部分が多いなと思った。
もう少し人生の新たな生活も垣間見たいなと思った。
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Posted by ブクログ
原田マハさんによる、版画家棟方志功の人生を題材にした小説。彼の作品はもちろん認識はしていたが、版画家としてどういう人だったかは初めて知った。青森の田舎で趣味で絵を描いていたが、美術雑誌でゴッホのひまわりを見て度肝を抜かれる。そして、あのような絵が描けるようになりたいと願って上京したのだ。版画は量産できるということでアートとしては油絵などより下に見られていたようだが、棟方は視力が低かったので、版画を志した。展覧会で資本家の目に留まり…。
とても読みやすく、興味深かった。彼の作品は力強いが温かみがあって、ほっこりする印象である。奥さんも辛抱強く支えてすごいなと思った。