原田マハのレビュー一覧
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北海道とバイクとツーリング、これだけで十分興味をくるすぐる。ゴツいハーレーと華奢な凪さんのギャップに更に掴まれた。美女と野獣が出会いと癒しの舞台で舞うマッチングは面白いを約束された設定だ。
一緒に行くはずの旅路が突然の一人旅。
空に向かってビルを伸ばして行くクレーンが鶴に見えるようになった。離れた場所からは、首の根本から頭を上下させる姿はビルの屋上を突っついているように見える。行き詰まって、足掻いて、もがいて苦悩しても抜け出せない時は逃げたい。逃げ場のない人たちをツル達が狙っているのか逃がそうとしているのか定かではないが人はそこから四方八方へ散り散りと去っていく。
去った先は北の大地を -
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原田マハさんの短編集。タイトルにある様に新たに前に踏み出そうとする女性が主役に描かれて、1つ1つ短めにあっさりしているけれど、登場人物が数珠繋ぎに繋がっていて面白かった。次は誰の話か予想しながら読んで、復習した。最初は川を越えて引っ越す女の子で、不動産屋さん、バーテンダー、学校の先生、報道キャスター、ネイリスト、精神科のお医者さん、受付嬢、花屋さん、漫画家、美容室の孫…次誰だったけなあ?と、忘れっぽい私にとって脳みそのトレーニングになったΣ(・∀・;)
『私の胸はときめいた。自由になるんじゃない。独立するんだ。ややこしい色んな悩みや苦しみから。-独立記念日-』
認知症で施設に入ろうとするお -
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短編集だからとても読みやすかった。「次は誰の物語だろう?」ってワクワクしながら読めました。
好きな物語は「缶椿」と「独立記念日」。
缶椿では、季節のお花をオフィスのトイレに飾る掃除のおばさん。トイレって働く人にとってはふと一息つける場所だから、そこに花があるだけで気持ちが和らぐだろうなって小説の話関係なく、わたしは想像して掃除のおばさん素敵な人だなって。
独立記念日では「自由になるとは、いかに独立するか」という言葉が印象的。
育児に追われて「自由になりたい」と思うことがある自分と重なって、本を読む時間こそが私にとっても“自由”なのかも!
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この夏ニースに旅行に行くことになり、事前に読んでいた。
いつもフィクションとノンフィクションを織り交ぜて書かれているのでどこまでが本当のことかは分からないけど、
マティスの人柄や、こんなことを話していたのかなを想像できて、会ったこともないけどなんとなく人間性をイメージすることができた。
主人公がマグノリアをどう花瓶にいけるかを考えてマティスにそのいけた花を持って見せたら
「いい目を持ってる」みたいなことを言われ舞い上がる、みたいなエピソードがあったけど、
実際にマティス美術館でそのマグノリアの花の絵が見られたのは嬉しかったな。
自分が差し出したものを画家が絵にして永遠にとどめてくれるってな -
Posted by ブクログ
24作の短編集。
さまざまな年代の女性が、仕事、恋愛、人生、友人関係、夫婦関係、親方関係、育児…さまざまな悩みから一歩を踏み出していく、『独立』。
どこにでもありそうな、何気ない話。
24の物語がゆるくつながっていく。
前の物語の脇役が次の物語の主役に。
みんな、それぞれ多かれ少なかれ、悩みを抱えているということか…
短編なだけに、それぞれの物語の先がどうなったのか、気になる…
少し物足りなさを感じる…
『バーバーみらい』のかこはどうなったんだろう…
漫画家になれたんだろうか…
『川向こうの駅まで』の菜摘とケンちゃんが『川面を渡る風』で、結婚したのはよかった。
お父さんも喜んでいるだ