原田マハのレビュー一覧
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ずっと気になっていたけどなかなか読めずにいて、この作品がはじめましての原田マハさん。
〜『愛情と才能。選ぶものと選ばれるもの、そして選べないもの。』全ての選べない人へ〜
本屋さんで見たポップに惹かれて手に取った。
1文1文が美しくて、冒頭の和音と母のやり取りで一気に物語の中に引き込まれた。原田マハさんは、物語のなかに読者を連れていくのがすごく丁寧で上手。
和音も父も母も、皆んなお互いのことを大切に想い合っているのに、大切に想うが故に一歩を踏み出すことができなくて、見えない壁に隔たれてしまう。ひとつ屋根の下で、それぞれがどうしようもなく孤独だった。その孤独さがとても切なかった。
期待して -
Posted by ブクログ
面白かった。襟を正して作品と向き合いたいそんな読書時間 登場する作品を調べ人物たちと同じように引き込まれ、まるでそこに作品があるかのように感じてしまう
4つの短編
アンリ マティス
エドガー ドガ
ポール セザンヌ
クロード モネ
一章二章と聞いたことない画家だったがすごさを引き立たせるワクワクさせる内容で、次が書簡体、読んでて初めは入ってこずも内容を理解してからはかなり面白かったと思う。そしてブランシュ視点のモネ、最初から良かった、ガトーヴェールヴェールが食べたくなった
好きなフレーズ引用
一分後には世界はかわってしまっているのですから
これがアンリマティスの目線 美のひらめき ひと目ぼれ -
Posted by ブクログ
ゴッホ展に行く前に予習として、また、ジヴェルニーの食卓を読んで原田マハさんの本からゴッホを知りたいと思い読んでみました。
以前はゴッホについてせいぜい「ひまわりの人」という認識しかなかったですが、ジヴェルニーを読んだ時にタンギー爺さんのエピソードがあまりにも良すぎて、もっと知りたくなりました。
日本はパリの印象派に、パリは日本の浮世絵に感動し、なんかだかもう、、、時代を超えて嬉しかったです。相思相愛だったのか。
ましてやゴッホがこんなに日本や、日本の芸術を好きになっていてくれてたなんて知りませんでした。
私はその時代に生きていたわけでも、アートについて全く知識がないのに嬉しいと思うのはなん -
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ゴッホはわかっていた、死んだ者の作品がより想像力をもたせ永遠の命になることを。
自分が生きていく方法として「死」を選んだと思う。
原因としてテオが売らなかったのも、ゴッホには「死」を望んでいるように思えたのかもしれない。一心同体だとお互い思っていたから。
でもそんなことない、違うのだ。兄弟とはいえ、触れてきたもの、立場で全く違う人間になる。だからお互い理解しているようで最も理解できてなかった存在だったのだと思う。
「分かちがたい魂」と締められていたがそこには納得しきれない部分があるな、と思う。
けど、やっぱりマハさんは凄い。小説とアートの相性の良さというより、マハさんの脳内を通して運命的な結 -
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生きるってなに?米の力って?
毎度毎度装丁に惹かれ購入するマハさん。今回は読んでる途中にここの場面が装丁になっているのか!と1人で盛りあがってしまいました!
内容は引きこもり、母子家庭、認知症、就活、複雑な家庭環境など。色々なテーマがてんこ盛り。それでも混乱することなく作品に惹き込まれまくりです。スタートの母と人生の梅干しをめぐるすれ違い。こっそり「そうじゃないんだよ」とお互いに伝えてあげたくなりました。後半は予想通りの流れではありましたが、ホッコリ綺麗にまとまる感じでスラスラと!
キャラも良く、蓼科行ったら会えるんじゃないかと思ってしまうほどリアル感がありました。
そして『生きるぼ -
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好きな画家かと聞かれたら違う気がする。
子供の頃、絵を見たことがあるけれど良さがわからなかったし、少し怖かった。
でも、アイリスのカードを買った記憶がある。
数ヶ月前?テレビで、『花咲くアーモンドの木の枝』の絵を見た。
ゴッホが生まれたばかりの甥に贈った絵。
水色の空に向かって、桜に似た白いアーモンドの花が咲いている。
それまで私が抱いていた、激しくて暗く哀しいイメージが変わった。
愛と祝福に満ちた絵。
本物、見てみたい。
本書を読んで、サン=レミ時代に描かれた絵だと知った。
本書はプロローグと五章から成り、第五章の『ゴッホのあしあとを巡る旅』では、ゴッホの絵が見られる美術館についても触れら -
Posted by ブクログ
以前何かのインタビューで、マハさんが「自分のアート小説では、史実1に対して創作が9の割合になることが多い」と語っていたのを思い出しました。
本作では、史実をもとにしたマハさんの創作によって、唯一無二のアーティストたちの人生が実に鮮やかに描き出されていました。
そして特筆すべきは、各ストーリーがアーチスト当人ではなく、彼らと関わりの深い第三者にスポットを当てて語られていることでしょう。
マティス〜家政婦マリアの語りから…
ドガ 〜メアリーカサットの追想から…
セザンヌ〜タンギー親父の娘の手紙から…
モネ 〜ともに暮らす義娘ブランシュの日常から…
読者は、マリアやブランシュらの眼差しか