原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は正直、原田マハ作品が好きではない。母に勧められて読んでみるものの、どれも自分好みではなかった。
だが、この本は違った。短編集なのだが、どの話も胸に刺さって、込み上げるものがあった。それは主人公たちのように、私が今行き詰まっている状況だからかもしれない。
最初の1話は広島が舞台で、ちょうど広島に行く時に読んだ。なんという偶然。私は広島に呼ばれているのでは?と思ったほどだ。
残念ながら時間の関係でひろしま美術館には行けなかったが、素敵な出会いがたくさんあった旅だった。本当に広島に呼ばれていたのかもしれない。
このタイミングででこの本に出会えて、本当に良かった。 -
Posted by ブクログ
民藝が好きだ。器が好きだ。この作品が好きだ。
原田マハさんのアートを主題にした長編作品はいつも、フィクションとノンフィクションが交差して、架空の人物なのに、本当にその時その場所にいたのでは?とか、本当にその絵がこの世に存在するのでは?と思ってしまうほど。
かめのすけは架空の人物で、でも、そんな人がいたとしても不思議じゃない。
バーナード・リーチは確かに日本にいて、日本各地を渡り歩いてスリップウェアやコーヒーカップの取手付けの技術を伝えてくれた。今でも日本全国でスリップウェアやリーチの取手を見ることが出来る。
この作品は、物語の中だけでも不思議な没入感を味わえるけど、実際に立杭焼や湯町窯、小鹿