原田マハのレビュー一覧
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ネタバレ・作者の原田マハ氏は、学生時代に池袋文芸坐でもぎり嬢のバイトをしていた。
・本書に出てくる名画座は、シネスイッチ銀座がモデルで、本書解説の片桐はいり氏はここでもぎり嬢をやっていた。(関係ありませんが、片桐はいり氏を渋谷PARCOの対面式上下エスカレーターで偶然目撃しましたよ、やはり存在感がすごかった)
・私も学生時代とサラリーマン時代、文芸坐(当時は4本立てもあった!)やシネスイッチへ何度も通っていた。もちろん、ぴあ片手に。
さて、これだけ親近感のある場所と素材を扱った小説が、面白くないわけがない。
とはいえ、細かい点が気になる私は、2点違和感を持ったことも事実。
まず、父親の「フィールド・オブ・ドリームス」の映画評を主人公の娘や周りの人間が大袈裟に褒め称えたりする場面では、筆者の書いた文章なのにこれでは自画自賛じゃないかと妙に冷めてしまった点。
そして、映画ブログを書く決心をしていた父親が母親に「(ギャンブル禁止令の出ていたにもかかわらず)麻雀でボロ負けした」と嘘をついた点。その理由を、「母に話すとなれば、ことのいきさつやインターネットの説明をイチからしなければならない」と面倒ごとを避けるためだと説明しているが、家族にとってはギャンブル&借金へ再転落の方が段違いな面倒ごとだろうに…
キネマの神様も「神は細部に宿る」ことをきっと知っていると思うよ、しらんけど。 -
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久々のマハさんの作品。この作品では、戦後の講和条約を巡るやり取りも出てきて、その意味でも興味深く感じました。特に印象的なのは、吉田茂元首相。フランス外相に、松方コレクションの返還を求めた際の交渉術は、お見事!また、戦時中にフランスでタブローを買いまくった松方氏の様子に、これだけの資金は、一体どこから出ているのだろう?と疑問に感じました。しかし何と言っても、この小説の主人公は、日置氏!だと思います。松方コレクションを守り、そして日本に持ってこようとする多くの人たちの情熱にすごく感動しました。今度、東京に行った際には、国立西洋美術館を訪問します!
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知っているようで実はあまり知らないゴッホ。
パリ、アルル、サン=レミ、オーヴェル=シュル=オワーズと、その時代背景とともにゴッホの人生や作品について描かれていて、わかりやすい。
ゴッホの解説書のようでありながら、まるで物語を読んでいるような気持ちになりました。
その人生を辿りながら、『アイリス』『星月夜』『花咲くアーモンドの花』など、描かれた当時の境遇や心情、暮らしぶりがどんなものであったのか、思いを馳せることができる。
そしてファンには嬉しい「たゆたえども沈まず」の誕生秘話や、マハさんが作品に込めたかった思いも知れました。
名前は知っているけど遠い存在だったゴッホ。
苦しい時も、書いて書いて書き続けた「努力の人」。
彼にも大切な人がいて、喜怒哀楽があり、私たちと同じ人生を懸命に生きた人間として身近に感じられました。
原田マハさんの「たゆたえども沈まず」を先に読んでいたこともあり、ゴッホ作品をより深く楽しめるようになりました。
これからゴッホ展に行かれる方におすすめしたい一冊です。
『彼は死んだのではなく、むしろ永遠の命を与えられたのです。傑作は永遠の命を生きるもの。それがアートの力だと思います。』 -
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遠方に家族旅行に行く時に、旅系の本を何冊か読んだ一冊。どれも良かった!特に最初のが良かった!生まれた実家で苦労した涼香が猛烈に努力して起業して成功。しかし、封印していたパンドラの箱、イケメン社長に恋したが、失恋した痛みを仕事に没して消そうとし、部下にもキレまくる。こんな上司のもとでは働きたくない。信頼していた秘書にまで辞めることになり、頼んだ一人旅も思わぬ方向へ。しかし、それからの旅での出会いがかえってガチガチだった彼女の心をほぐし、秘書の有難みを感じ、「もう一度、一緒に走ってみない?」とのメールまで送るに至った。まさに涼香の心に風を通すような旅だったんだなぁ。
ハーレーが好きな人たちには、独特な空気、風があることを知った!それも気持ちのいい風。それでやみつきになるんだなぁ。 -
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ネタバレ及川紫紋
生まれ故郷は東北の盆地の中心にある町。地元の高校を卒業後、調理師専門学校へ行くために東京に出てきた。父は七歳の頃に他界。東京・神楽坂にある「吟遊」という老舗料亭に勤めていた。春晴香の内部告発により吟遊を辞め、死に場所を求めていたところ、まぐだら屋にたどり着く。
浅川悠太
紫紋の職場の後輩。北東北地方の寒村の貧しい家庭に生まれ育ち、家計を助けるために中学を卒業後上京、料理屋で見習いを始めた。
湯田真
吟遊の料理長。
早乙女晴香
吟遊の仲居。紫紋のふたつ下。吟遊が料理の使い回し、賞味期限切れ食材の使用を内部告発した。湯田と付き合ってた。
宮前登紀子
吟遊の女将。十三代目吟遊グループに君臨する女帝。
宮本静子
吟遊社長の邸宅「お屋敷」の家政婦。解雇される。
前田譲二
吟遊の板場の先輩。
マリア
有馬リア。左手の薬指が失われている。紫紋が死ぬためにたどり着いた場所・地塩村の小さな漁村で食堂「まぐだら屋」を営んでいる。
宮前昭造
吟遊の専務。
カツオ
住吉克夫。漁師。
桐江
まぐだら屋の女将。
宮前敬三
吟遊社長。
立浪
桐江の主治医。
丸弧
行き倒れの青年。悠太になんとなく雰囲気が似ている。紫紋と同居。母を殺したと思い込んでいたが、携帯に母から大量のメールが届いており、生きていることがわかる。母の元に戻る。
与羽
十七年まえ、三十歳のとき、東京の小さな町で高校の数学教師をしていた。大学を卒業して翌年に結婚した年下の妻とのあいだに、五歳になるひとり娘がいた。
杏奈
与羽の妻。地塩村の大地主の娘。
花南
与羽の娘。
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久しぶりに本で号泣した。
終盤、涙が溢れ出てきた。
棟方志功という1人の人の人生を、1番近くで見つめ支えたチャの視点で追いかけた気持ちになれました。
去年青森県立美術館で棟方志功を知り、以来この本を気になりつつ、手に取ることがなく1年経過した。
最近になってたまたま書店で見かけて、今読みたいと思って購入。
直前に「たゆたえどもしずまず」を読んでいたので、まさかの繋がりがあって驚き。生前報われなかったゴッホが日本でヒーローになっている様を知ることができて、喜びもあった。
全身全霊で命をかけて版画に向き合った人。家族への愛も強かった。
エネルギッシュな太陽のような人だった。