原田マハのレビュー一覧
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江戸時代初期の絵師、俵屋宗達をモデルにした壮大な歴史小説。
その代表作「風神雷神屛風」は京都国立博物館で見ることができるのだろうか?
この絵を14歳の彩が見た際の描写。
「宗達の絵は光を放っていた。強烈な磁力も。彩は一気に引き込まれて、しばらく動くことすらできなかかった。天上の光に包まれて」
こんな風に描写されると、どんな絵何だろうと実物を見たくなる。
1582年、天正遣欧使節は、3年を費やしローマを訪問。ローマ教皇と謁見を果たす。
上巻は、宗達を含めた天正遣欧使節が海路にてローマを目指す苦難の途上で幕を閉じる。
時に宗達は、彩が「風神雷神屛風」を初めて見た時の年齢と同じ14歳。
今の時 -
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一遍ずつ書いていきます。(故に評価は最後)
椿姫「3.0」
男の子凄いね。大人と子供の違いって、「責任感」の有り無しで自分は区別しているので、それがある少年は少なくとも大人だなと感じた。
よって、主人公、主人公を妊娠させた男、少女はまだ子供だと感じた。
最後の主人公が男の子の肩に安心したように頭を預けたのは、一瞬の安心を求めてそうなったのかな。
夜明けまで「4.0」
この物語を読んで夜明けっていうタイトルから
連想する言葉は「希望」「安心」「帰るところ」ってワードかな。軽自動車に乗って山道をヒカルと一美が陽気に楽しんでいるシーンと、村落の自然と一体化するような雰囲気がとても好き!
星がひ -
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原田マハさんの作品はいくつも読んでいるし、ヤマザキマリさんは講演を聴きに行ってほんとに面白かった記憶があり、大好きな2人の対談のため購入。
2人とも美術マニアなんだけど、着眼点が違うというか、「そういうモノの見方をするのか」というのが面白かった。
例えばヤマザキマリさんのウッチェロの話で、「遠近法や理系で物を考えすぎて幾何学模様を絵に入れてしまう」みたいな彼の人となりから美術に反映される考察とか、原田マハさんの風神雷神図屏風で「作者の俵屋宗達はルネサンスを見たに違いない!」という仮説の妄想から歴史を調べて小説ストーリーを作るみたいなのは自分にはできない思考。
作品だけを見るのではなく、そ -
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ネタバレオーブリー・ビアズリー展でこの本を購入した。
「酷い英訳だったが挿絵が好評で売れた」の裏側。
今の自分と重なる点からいえば、強い愛情と正義、自己実現の執着を以て、愛情の対象を破滅させ得る。
物語としては解説の中野さんがよく良い射ており、"2人の天才を追いかけるうちに自身が化け物のようになっていった"がしっくり来る。
最後は怒涛だった。
深い愛を持って弟の安全を願った、自身のキャリアを望んだ姉が弟を含む3人を突き落とした。
病気で長くないことが分かっていた弟のその後の仕事を思えば良い結果だったのか、弟が熱望した未来を壊したことが何よりの不幸なのか。
弟に信頼された姉の愛 -
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私は正直、原田マハ作品が好きではない。母に勧められて読んでみるものの、どれも自分好みではなかった。
だが、この本は違った。短編集なのだが、どの話も胸に刺さって、込み上げるものがあった。それは主人公たちのように、私が今行き詰まっている状況だからかもしれない。
最初の1話は広島が舞台で、ちょうど広島に行く時に読んだ。なんという偶然。私は広島に呼ばれているのでは?と思ったほどだ。
残念ながら時間の関係でひろしま美術館には行けなかったが、素敵な出会いがたくさんあった旅だった。本当に広島に呼ばれていたのかもしれない。
このタイミングででこの本に出会えて、本当に良かった。