原田マハのレビュー一覧

  • 美しき愚かものたちのタブロー

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    描写の書き込みが丁寧すぎる、と思いながらも、小説という文字だけのツールを通して美術の素晴らしさを伝える原田マハの作品は好きだと思った。
    芸術というのは、争いのない…心の余裕がある時に初めて心惹かれるものだとよく言われるが、戦争、そして敗戦に立ち向かい、タブローを守る情熱的な男たち…それを支える女たち。
    戦争の中生きた人たちでも、タブローによって豊かな人生だったのだろう。

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    2025年05月09日
  • 原田マハ、アートの達人に会いにいく

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    私は「原田マハ」より「アートの達人」に断然興味があったが、とても読みやすかったし、原田マハにも興味が出てきた。
    にしても芸術関連の方のみでなく、公家や六花亭の社長まで出てきて驚いた笑
    外国人の話も多々出てくるので、「海外から見た日本の独自性」も新たな知見となった。
    また、建築家が出てきたのも嬉しかった。2000年以前を生きた建築家の、21世紀の建築への見据え方が、アートと人の観点で読みやすく、また読むと思う。

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    2025年05月08日
  • お帰り キネマの神様

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    山田洋次監督、沢田研二主演の映画「キネマの神様」は観ていない。原田マハの小説「キネマの神様」は大好きな作品だが、原作とは全然違うという評判を聞いていたため最初から観るつもりはなかった。
    驚いたことに本作は原田マハの原作に感銘を受けて映画を作った山田洋次の作品を更に原作者の原田マハがノベライズしたという、前代未聞の作品だ。
    結論から言うととても面白かった。特に最後の歩がスピーチを代読するところでは涙が止まらなかった。映画の俳優をキャラクターに当てはめながら読めたのも影響したと思う。
    実は私も映画が大好きだ(ゴウほど詳しくも情熱もないが)。だから映画好きが製作した映画作品は大好きで、一番好きな映画

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    2025年05月07日
  • いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画

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    マハさんの著書に出てくる絵やこれまでに自分が見たことのある絵が出てきたので、非常に興味深く読むことができた。それぞれの絵に関するマハさんのエピソードと画家の説明があるので、そんなに詳しくは知りたくないがさらっと背景を知りたい人にはもってこいな感じだと思う。(もっと一枚一枚の絵を深掘りして欲しいくらい、ぎゅっとまとめてあった)一部ロシアの美術館にあったり、今となっては中々実物を観るのは難しいだろう絵もあるが、この本を読んだ後に実際に出てくる絵をみたいなぁと思った。

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    2025年05月06日
  • 異邦人

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    読み応えのあるアート小説だ。普段、絵画とは縁がない私にとって、非日常な世界に浸れたことが喜ばしい。震災の記憶と京都の奥深さ。鷹野先生の人間としての大きさ。そして、美術を一心に追求する菜穂の凄まじい執着。菜穂と樹の関係に驚愕!

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    2025年05月05日
  • モダン

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    余暇や出先ではいつもカバンに文庫本を持っていくことにしていますが、ここ最近は常に原田マハさんの本です。年を重ねるごとにアートや美術館の面白味や楽しみ方がぼんやり掴めてきた自分にとっての水先案内人になってくれる本ばかりです。
    自分も20年ほど前にニューヨークに1人旅行をし、MoMAにも行ったものの、何をみてどう感じたかの記憶がごっそり抜けてしまっているのが残念です。
    この本と出会えたことでもう一度ニューヨークに、MoMAに行こう!という気持ちになれました。

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    2025年05月03日
  • いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画

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    冒頭にあるカラー図版が豪華です。

    原田マハさんの、アートや画家に対する愛情が
    ひしひしと伝わってくる本でした。
    中でも、パブロ・ピカソに対する思い入れは格別なのかなと感じました。
    「暗幕のゲルニカ」を読んでみたくなりました。

    初めて知る画家や作品もありました。
    特に心に残ったのは、フリーダ・カーロ。
    彼女の人生を知って、今回取り上げられている絵画を見ると、なんとドラマチックなんだろうと思わされます。映画や小説になってもおかしくないくらいです。

    また、「セザンヌ夫人」も印象的でした。
    素敵な夫婦像が浮かびます。

    ほとんどが海外にある美術館所蔵の作品なので、ちょっとそこまで、と気軽に見るこ

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    2025年05月02日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

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    ネタバレ

    大好きな俵屋宗達が主人公の小説を原田マハが書いていたとは!
    面白かったが何故か文章が最後までいまいちのれなかった。マルティノも宗達もカラバッチョもとても魅力的なのになんでなのか。

    解説も面白かった!宗達の絵は西洋の影響を受けてない。そりゃそうだがちゃんと言ってくれてうれしい。

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    2025年04月30日
  • サロメ

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    司馬遼太郎がサラリーマンに求められたように、原田マハは趣味:美術館女子に求められる。

    そして私もそのうちのひとり。

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    2025年04月29日
  • サロメ

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    タイトルのサロメはメイベルのこと
    弟を大切に思う気持ちは本物だけど自分が女優として成功することの為には手段を選ばない
    結果、弟も自分も破滅する
    最後はサロメになってオスカーの首をオーブリーに贈る
    フィクションだけど、有り得た話なのかなと思った。
    オスカーワイルドの小説とかも読んでみたくなった

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    2025年04月29日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)

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    俵屋宗達の風神雷神をモチーフに、戦国時代と現代を結ぶ歴史ミステリー、これはまだ前半。大半が俵屋宗達と天正少年使節団の原マルティノ、織田信長など過去の話。
    俵屋宗達は琳派であること以外知らなかった。フィクションであることは分かってるけど、少年たちの冒険小説的な要素もあってワクワクする話です◎

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    2025年04月28日
  • 奇跡の人 The Miracle Worker

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    日本版ヘレンケラー、アンサリヴァン。
    去場安 介良れん
    青森が舞台。
    安がすごすぎるし、れんもすごい。
    奇跡をおこさせた人、という題名でも良いのでは?と思った。
    裕福だったこと、良い人と巡り会えたこと、諦めなかったこと、
    フィクションでいてノンフィクションのようなお話。
    実際にヘレンケラーとサリヴァンのインタビューなどもみてみたがすごすぎてすごいしか言葉が出なかった。
    人間てすごい。

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    2025年04月23日
  • 妄想美術館

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    二人の会話を読んでいるうちに、美術館に行きたくなる。
    講義や細かい解説の形ではなく、この本で教養が深まるというよりは、自分であれこれ妄想を広げながら楽しみを見出すきっかけをくれる本だった。

    作品自体についての妄想に留まらず、画家同士が実はこのタイミングで出会っていたかも、こんな話をして、影響をうけていたのかも?という妄想、自分が美術館をつくるなら、、? そうやって好奇心を次々と刺激されて新しい知識も増えていくんだろうなと思った。

    メジャーな作品や巨匠にも、有名になるまでの物語があるし、日本ではあまり知られていないアーティストの中にも素晴らしい人がいる。知識があってもなくても、あなたの目で

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    2025年04月22日
  • フーテンのマハ

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     香川県や沖縄県を旅した時の思い出話、昔から遠足などの大事なイベントの前夜にテルテル坊主を作っておくと比較的 良い天気によくなった事、モネの睡蓮の舞台やルーブル美術館を訪れた時の思い出話など(1つの話が)余り長過ぎず楽しく読めました。

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    2025年04月22日
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

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    マティスとピカソ、そしてお手伝いのマグノリアの花といわれた女性。ドガの踊り子、セザンヌが描いたタンギー爺さん。でも一番興味を覚えたのはモネ。自然を愛し刻一刻変わる自然の変化を追う。モネの人間の深さが作品に表れるのだろう。

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    2025年04月21日
  • まぐだら屋のマリア

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    読む前は、明るく温かい雰囲気の話かと思ったが、登場人物全員訳アリ。それぞれに壮絶な過去を持つ人々が"尽果(つきはて)"という土地に流れつき、徐々にその過去が明らかになっていく。

    それぞれの過去は重たく到底受け止めきれないようなことばかりだけど、一貫して温かいイメージを与えてくれるのは登場する四季折々の素材を使った和食料理。

    やりきれない経験をしている人たちが集まり、それぞれに事情があるとわかっているからこそお互い踏み込みすぎない。そっと見守る。だけど無関心なわけではない。どこかに感じられる人柄の温かさ。

    一面に咲く菜の花や真っ青な海、色づく紅葉や降り積もった雪など、四

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    2025年04月20日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

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    僕にとってのいい小説とは、読後の余韻が長く続く小説だ。この小説は読後の余韻に十分浸れる。

    時代は16世紀の末、遣欧使節の一員としてローマに向かう俵屋宗達。16歳の少年たちの渡欧というある種の”冒険”をみずみずしく描く。

    ローマで宗達が見たシスティーナ礼拝堂の「天地創造」、サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会の「最後の晩餐」。
    宗達が「天地創造」や「最後の晩餐」などの名画に出会ったときの描写がいい。
    「いっさいの言葉を奪い去られて、ただただ、涙を流していた」
    「絵とは、ただ、目に見えるものをそのまま画紙や画布に描き写すだけのものではない。絵師の思いが込められた絵こそ、まことに見る者の心を

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    2025年04月19日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

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    ネタバレ

    飛行機も新幹線もない時代、東の果ての果ての国、日本と西欧が「出会う」ことは奇跡的なことであった。
    なにもかもが異なる二つの土地が美を愛でる心を通して結ばれていくところに、アートの偉大さを感じた。
    現代では交通機関が整備されたり、インターネットが普及したりして、「出会い」は昔に比べると想像もつかないほどに広がった。そのせいで1つ1つの「出会い」に対する感動や興奮は小さくなってしまったように思う。 
    「目の前に、ひとつの絵がある。それは、いつの時代にもその絵を愛し、守り、伝えようとした人がいた証にほかならない。」
    作中にあった言葉である。
    「出会い」がありふれた現代において、私は人に限らず、あらゆ

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    2025年04月19日
  • 異邦人

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    異邦人とはなんぞやと考えさせられる多面的なテーマの本
    長編で冗長に感じた矢先、急に展開が変わり…
    色鮮やかな文体と芸術という題材が上手く合ってる
    絵画に自身の全てを捧げる生き様が素敵だった

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    2025年04月21日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

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    すごい。としか言いようがない。
    日本史の授業で絶対耳に残っている、原マルティノ、千々石ミゲル…遣欧使節団のメンバーの名前だ。
    彼らの話と、風神雷神を描いた俵屋宗達をこんなふうに結びつけ、まるで自分もローマに向けて旅をしているような気持ちになる物語になることに驚きだ。
    原田マハここにありという内容だった

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    2025年04月17日