原田マハのレビュー一覧
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ネタバレ主人公のおかえりが、仲間や旅中で新たに出逢う人との心温まる関係性を活かしながら、旅を通じて人助けをする物語。
端々で感じる、原田マハさんの温かくて丁寧な言葉選びが心に沁みました。おかえりの正直で誰からも愛される性格がさらにそれを際立たせ、終始心がほっこりした。
家元の娘のための旅代行、スポンサー社長のための旅代行を通じて、おかえり持ち前の明るさ、子供っぽさと、ドジさを全部あらわにしながら周囲の人と接することで、ちょびっ旅スタッフや事務所、旅行で出会うみんなに愛されながらストーリーが進んでいく様子を笑いあり涙ありで楽しめた。
自分も、ありのままの自分を曝け出しながら、心から好きなことをすることで -
Posted by ブクログ
民藝が好きだ。器が好きだ。この作品が好きだ。
原田マハさんのアートを主題にした長編作品はいつも、フィクションとノンフィクションが交差して、架空の人物なのに、本当にその時その場所にいたのでは?とか、本当にその絵がこの世に存在するのでは?と思ってしまうほど。
かめのすけは架空の人物で、でも、そんな人がいたとしても不思議じゃない。
バーナード・リーチは確かに日本にいて、日本各地を渡り歩いてスリップウェアやコーヒーカップの取手付けの技術を伝えてくれた。今でも日本全国でスリップウェアやリーチの取手を見ることが出来る。
この作品は、物語の中だけでも不思議な没入感を味わえるけど、実際に立杭焼や湯町窯、小鹿 -
Posted by ブクログ
序盤、お2人のハイソサエティな経歴や、紹介されるのが海外の美術館ばかりなのに、世界が違うかも…と少し引きそうになってしまったが、アーティストや作品紹介が始まったら楽しめた。
ヤマザキマリさんが大好きだという『書斎の聖ヒエロニムス』、示唆的で詩的で、色も美しく、シュールレアリズムのような雰囲気もあり、わたしもすごく惹かれた!この絵1枚から、いろいろな物語が生まれそう。
そしてこれまた知らなかった画家、ウッチェロ。『聖母子像』の幼児キリストの顔、これは思わず笑ってしまう。人物よりもボタンを描くことに執着しているのも面白い。この人の絵をもっと見てみたい。
ルソーの『幸福な四重奏』も愛おしい。ルソー作