原田マハのレビュー一覧
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読み終わった。でも、原田マハの作品では、久しぶりに不完全燃焼だった。史実と虚構の入り混じった展開に、いろいろ刺激は受けた。
俵屋宗達が、『風神雷神』を描くところまで到達していない。続篇を期待したい。天正遣欧使節団が、日本に帰国したのが、1590年。天下は秀吉の時代。秀吉は、1587年7月にバテレン追放令(バテレンとは宣教師のこと)を発布していた。秀吉は、宣教師を追放したが、キリスト教を否定していなかった。それで、1591年3月に秀吉に、天正遣欧使節団は、聚楽第であっている。家康は、1612年に「禁教令」を出し、キリスト教を完全に禁止した。日本は鎖国となり、オランダとの貿易だけに限った。
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Posted by ブクログ
最終章『道 La Strada』途中から、もしかしたら、と思ったことが、その通りになった。主人公の翠の確信は、僕の確信でもあったわけだ。物語によって突き動かされる感情というものは、共感によるものが大きいという。つまり、僕は大いに感動していた。
物語の締め括りの
「青田がのびやかに風になびいている。午後の日差しに白々と輝いて、道はどこまでも続いている」
を読み終えて、その文章の情景が、ブワッと一気に脳裏に描き出された。
イメージが共感、実感へと変化し目頭が、胸が熱くなったまま、余韻を抱きつつ解説のページを開いた。
目に飛び込んできたのは、その文章の冒頭
「また泣いてしまった」
この、ひと言だった -
Posted by ブクログ
The Modernがニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)の愛称だというのは初めて知った。勤務していたMoMAのことを東北大震災と9.11テロという災厄を織り交ぜながら、上手に描いていく手練手管はさすが。今でも福島第1原発を遺棄された場所として考えざるを得ない現状で、発災直後に福島に赴くことは、確かに被ばくを覚悟することであり、わざわざアメリカから危険を冒す必要などないと感じるのも無理からぬことと納得できる。そんな緊迫感を織り交ぜ、困難を抱える福島に生まれつきの難病を抱えながら生きるクリスティーナを描くアンドリュー・ワイエスの絵を置く構図が素晴らしい。やは
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Posted by ブクログ
たまたまモネ展に行った時にこちらの本の存在を知って後日購入。
モネのお話が目的だったけど4編ともとても良かったし好きだった。
タンギー爺さんに関しては最初「ゴッホのあの絵の…?」と思ったのにセザンヌのお話で「えっ」ってなったのですが、あのタンギー爺さんに違いなくて、こういった歴史の重なりなんかも調べつつ、もちろん作中に出てくる絵画も調べつつ読んだので学びにもなりました。
実在する人物が主人公だったりするけれど、細かいストーリーの部分はもちろん原田マハさんの創作に違いありません。
だけど実際こんな風に画家達の思いが紡がれていたのだとしたら素敵だなと思いました。
モネ展に行った直後に読んだこ