原田マハのレビュー一覧
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たまたまモネ展に行った時にこちらの本の存在を知って後日購入。
モネのお話が目的だったけど4編ともとても良かったし好きだった。
タンギー爺さんに関しては最初「ゴッホのあの絵の…?」と思ったのにセザンヌのお話で「えっ」ってなったのですが、あのタンギー爺さんに違いなくて、こういった歴史の重なりなんかも調べつつ、もちろん作中に出てくる絵画も調べつつ読んだので学びにもなりました。
実在する人物が主人公だったりするけれど、細かいストーリーの部分はもちろん原田マハさんの創作に違いありません。
だけど実際こんな風に画家達の思いが紡がれていたのだとしたら素敵だなと思いました。
モネ展に行った直後に読んだこ -
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久しぶりにマハさんに帰ってきました。
やはり、私はマハさんのアート小説が
好きなんだなというのが読後の実感でした。
マハさんの作品を読む時にはいつもそうしているんですが
「クリスティーナの世界」や「アヴィニョンの娘たち」など
作中に登場するMoMAの収蔵絵画の画像を
眺めながら読むのが楽しいんですよね。
すると、
展覧会ディレクターやセキュリティースタッフ、キュレーターなど
MoMAで働く人々がアートに傾ける思いというものを
より深く想像することができました。
あ、最終話に登場する日本人研修員のモデルは
マハさん自身なんだろうなと思いました。
また本作では、
ニューヨークの9.11や東日 -
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ネタバレあなたがリタイヤして、時間にも心にも余裕ができたら……あたし、一緒に行きたいと思ってたの。
──デトロイト美術館へ。
実際に起こったデトロイト市の破綻と、それに基づいたデトロイト美術館の美術品の売却案。そして、それらに対して奇跡的な立て直しを図ったデトロイト市民たちの熱い想い。
これらの史実に基づいたフィクションのお話。
だけど、原田マハ氏が実際に現地に赴き取材をして作られたこのお話には、確かにデトロイターたちの情熱が、しかと描かれていました。
──思いあるところに道は開ける。
不可能を可能にした、デトロイターたちの奇跡の物語。
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何でもします。
あの絵を、 -
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慄きたくなる装丁、書道の達人ってくらい力強い文章、敬意が溢れ伝わってくる
そしてゲルニカを初めて見た瑤子のエピソード、自分も同じ印象を受けてた
読んでる最中にはなかった読後の壮大なストーリーだったなと深い溜め息
どこの箇所が史実なのかは不明ではあるけどピカソとドラとイケ男パルドが目の前にいるかのように物語が進む、わざとらしく何度も繰り返されるエピソードに意識を持っていかれ、時に焦ったく時に印象強く受けた
生涯ピカソは7万点以上もの絵画を生み出した…な、7万点?そんなに?
時折でてくる鳩の絵画、どんなものかと調べたら可愛い絵がたくさん出てきたw
その名を知らない人はいない創造主を登場させ、参考文 -
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネ、巨匠と関わったパトロンや助手の4つの物語。
表題作のジヴェルニーの食卓は、モネとそれにかかわるパトロン一家および、
パトロン一家の娘がモネの助手としてかかわってくる物語。
パトロン=画家から絵を買ったり、書いてもらったりを頻繁に行う、
いわば、スポンサーのような人達。
モネに起こることやパトロン一家に起こる出来事に
助手としてかかわる若き娘のブランシュがどのようになっていくか・・・。
モネの代表作と言っても良い作品を書くために掛かった期間に
起きた出来事がメイン内容となって、パトロン一家とモネ一家の交流が
色濃く描かれ、最終的に・・・。
4つの物語に登場す -
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実家の本棚から。
この作品も気になっていました。
そもそも作品名がどういう事だろうと。
旅館が舞台の話かな、と思っていました。が、違いました。
旅屋=旅代行
おかえり=丘えりか
こういう事でした。
2つの代行依頼があって、主人公は現地に行くのですが、自然描写がとても素敵でした。
現実は猛暑の中、秋田県角館のふんわりの雪、そして満開の桜
愛媛県内子町での真っ赤な紅葉と優しい和紙
どれもこれも素敵でした。
登場人物たちもいい人ばかりで、ストーリーもちょっぴり出来過ぎのように感じるところがありましたが、感情が入ってしまって涙を流してしまいました(//∇//)
旅って素敵ですね。
私もいつか、の -
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ドガとモネの短編が、特に素敵だった。
ドガの彫刻については知っていたけれど、世間的には悪趣味だとか気味の悪いものとして捉えられていることが多い中、原田マハさんの、ドガは踊り子を画家と同じエトワールを目指して戦う同志として捉えていたとする視点が絶妙で、胸が熱くなった。
モネについても同様。パトロンの妻と共同生活をし、やがて再婚したことはモネの人生の中でも、影の部分だと思う自分がいた。けれど、この小説の中での家族は血のつながりを超えた深い絆で結ばれていて、順風満帆な時も、辛い時も、幸せそうに食卓を囲んでいて。彼の温かな画風は、周りのサポートあってのものなのかなと。
もっと深く2人について知りたい、