原田マハのレビュー一覧
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しんどいなぁと思ってしまった。ゴッホの作品が好きなだけに生前に報われず、言い方は悪いが弟と共倒れになってしまったのは本当に悲劇的で哀しい。決定的に何が悪かったということがないのもまた辛い。確かにゴッホ自身はだらしないところもあってテオの必死の仕送りを酒代に変えてしまうどうしようもないところもあったけれども、それが引き金になった訳じゃない。時代なのか、運なのか。はたまた二人が繊細すぎたのか。ゴッホもテオも苦しかったね。林忠正や重吉(重吉は架空の人物とのことだけども)との関わりが本当にあったかどうかは分からない。ただ苦しむ兄弟の側に寄り添ってくれる彼らのような友人がいたのなら良いなと思った。
絵画 -
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人生における傷と回復。今を生きる女性達が再生していく物語を描いた短篇集。そんなおはなし
さて、本作は心に傷を抱えた女性達が回復していく物語である。
鈴木涼香は己のプライドと過去の呪縛により、誰かを頼ることができなかった。しかし、ナギと出会い、彼女とタンデムの旅に出る。出かけた先でナギの友人と出会い、少しながら冒険をした。
波口喜美は旅館で思いに耽る。友人と本当は出かけ、一緒に話し、楽しく時を過ごす予定であった。しかし、現実はそうはならないかった。思い浮かぶのは過去の記憶ばかり。だからハグは未来に思いを馳せるのであった。
陣野志保は強い女性だ。己を社会の大きな歯車だと考えている。強大 -
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ネタバレデスクへ戻ると、麻実は、空っぽの紙カップの文字──We Are Happy To Serve You.──「We Are」と、「Serve」の中の「rv」の二文字を、サインペンで黒く塗りつぶした。
Happy To See You.──あえてよかった。
そのカップを、パティのデスクの真ん中に置いた。せいせいと明るい心持ちで、麻実はその日、オフィスを後にした。
マンハッタンの先っぽでは、ふたつのタワーが燦々と発光していた。
あの街を、世界を、静かに、等しく照らし出していた──。
原田マハ氏の大人気『MoMAシリーズ』の一作で、本作はMoMAを舞台にした全5話の短編集でした。
以前読ん -
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おなじ原田マハさんの『リボルバー』を以前読んだ。モチーフであるゴッホが共通しているため、本作を読み、頭の中で思い描く場面や風景が、より立体的になったように感じる。
ただ、本作の主役は、ゴッホを支えた弟のテオであり、その友人の重吉、その上司である林忠正である。
重吉は架空の人物とのこと。本作では、テオの親しい友となり、ゴッホ含む兄弟と忠正をつなぐ、重要な人物であり、語り手でもある。テオが語り手となる部分もあったが、日本人で、かつ、よりふつうの人に近い彼の目線だったからこそ、この物語に入っていきやすかったように思う。林忠正、テオ、ゴッホの交流が本当にあったのかわからないが、本当であればいいな、と -
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風神雷神図屏風の作者俵屋宗達をめぐる物語。
どこまでが史実でどこまでが創作なのか、分からず、最後の解説で、おぉ、この辺までが史実でこの辺が創作ね。って理解した物語。
原田マハさんのアート&冒険譚が染みる物語でした。
下巻です。
さまざまな苦難を得て一行はヨーロッパに到着します。
さらに、彼らはヨーロッパの各地で大歓迎を受けることに。
そりゃそうだよね。見ず知らずの国からそれなりの人が来ているんだもんね。
また驚くのは、航海の間に身に着けた彼らの語学力。
自分は英語でさえ苦労しているのに..(笑)
そして、いよいよローマ教皇との謁見。
そんな中、宗達はバロックの巨匠・カラヴァジョと出会います -
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風神雷神図屏風の作者俵屋宗達をめぐる物語。
どこまでが史実でどこまでが創作なのか、分からず、最後の解説で、おぉ、この辺までが史実でこの辺が創作ね。って理解した物語。
原田マハさんのアート&冒険譚が染みる物語でした。
上巻です。
京都国立博物館研究員の彩のもとにマカオ博物館の学芸員が現れます。
学芸員に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧使節の一人、原・マルティノの署名が残る古文書。
その古文書に記された、「俵 屋 宗 達」。
そして、物語は織田信長の時代へ。
信長にその画力を認められた宗達は、狩野永徳の安土城が京を見下ろす洛中洛外図屏風の創作 -
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貧しい生まれの倉敷紡績で働く少女・山中すてらが作家になるまでの物語。
1910年~1922年を5つの章に分け、岡山倉敷・東京・そしてパリへと続く。
その間にさまざまな出会いと別れを通して、
すてらは作家として成長していく。
ゴッホやモネ、マチスの絵画や
大原孫三郎、夏目漱石など実在する人物たちも登場し
すてらと物語に彩りを与えてくれる。
すてらが作家になると決意するに至った衝撃的な別れと
和田イサとの出会いは物語の中で一番印象に残る場面だった。
厳しい環境の中でも、決して、書くことをやめなかったすてら。
それは、温かく見守り続けてくれたアリス先生、イサ先生、大原孫三郎の存在が大きく、
こ -
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近代美術の巨匠であるマティス、ドガ、セザンヌ、モネを、彼らを支えた周囲の人々の目を通して描いた作品。原田マハさんの巧みな描写力により、芸術家たちの人生が、光によって移り変わる印象派絵画のように儚く美しく描かれている。どの章についても、芸術家たちの死や晩年が描かれているにもかかわらず、悲しさだけでなく、希望に満ち、想像力が掻き立てられる魅力に溢れている。読むと穏やかな気持ちになり、改めてマハさんの作品が大好きだと再確認できた。
マティスとピカソの関係や、ドガに対するメアリー・カサットの思いなど、本人たちにしか分からない領域が、マハさんの手にかかると「きっとこうだったに違いない」と思わせる圧倒的な