原田マハのレビュー一覧

  • 風のマジム

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    実話をもとにした小説。
    伊藤沙莉主演で映画化もされている。

    沖縄の南大東島で、日本初のアグリコール・ラム酒を造りたい。ふとした思い付きから、28歳の派遣社員のまじむがベンチャーを立ち上げるまでのお話。

    正社員ではないからダメかもなあと尻込みしているところから、よくぞここまでと話は力強く進んでいく。まじむはとにかくコツコツの努力家さん。それでいて素直。さらに明るく誠実な人柄から、彼女を支えたい人たちがどんどん現れる。

    個性的なキャラが多く登場する。厳しくも温かく見守るおばあもいいが、マイウェイを突っ走る冨美江が最高だった。まじむは誰とも喧嘩しない。主張しつつも相手のプライドをへし折ることは

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    2025年12月03日
  • たゆたえども沈まず

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    初アートフィクション作品でした。
    これを読んでゴッホの生涯を想像しながら、美術館でゴッホの絵を観るのが好きになりました。

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    2025年12月03日
  • 風のマジム

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    様々な障害がありながらも、自然の広さを感じるような世界観の中で足掻いていく姿に応援したくなる気持ちを抱き、ラム酒を飲んでみたくなった。

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    2025年12月03日
  • 異邦人

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     この本は川端康成さんの『古都』をお手本に書かれたそうです。設定とか、いろいろ『古都』。出来れば『古都』→『異邦人』の順に読んで欲しいな。異邦人(いりびと)は京都生まれではない京都に住む人のことらしい。

     主人公は30代の菜穂。祖父が設立した美術館の副館長で美術品を見抜く目を持ってる。夫の一輝は銀座の老舗画廊の跡取り。赤坂で幸せに暮らしていたところに東日本大震災が起きる。原発事故を恐れた菜穂は京都に身を寄せることになって、、、新人の画家に出会ったり、信頼していた人に裏切られたり。。。

     菜穂のお母さんが気持ち悪かった。
    若い男性に色目を使うおばさんにここまで嫌悪感抱いちゃうのはなんでだろ?

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    2025年12月03日
  • キネマの神様

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    自分の本棚のアクティビティを見ると、著者別の登録数で最も多いのが、原田マハさんになっていた。アート・美術小説の代表作家だけれど、その分野にとどまらず、古き良き・後世に伝えて残していきたいものが、原田マハさんの手にかかると素敵な小説になる。だからまた読みたくなるのかもしれない。
    ちなみに今年はシリーズものに手を出したせいで、著者別登録ランキングは、原田マハさんの後ろを中山七里さんと知念実希人さんが猛追している…( •̀ㅁ•́;)

    『会場のいちばん真ん中の席に、父がゆっくりと腰を下ろす。その瞬間、ふっと、もうひとりの誰かが、その隣に一緒に腰かけるのが見える気がした。』

    正直映画には疎くて、劇場

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    2025年12月03日
  • 総理の夫 First Gentleman 新版

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    読んでいる途中に、映画化していたことを知って、そこから相馬凛子が中谷美紀さんの印象でしかイメージできなくなっていった。

    生きている人間とは思えないほど、凛子は濁ったところが一つもなくて、まさに物語の中だからこそ成立する人物像だったように感じた。
    でも、政治についてそんなに詳しくない私みたいな読者にとっては分かりやすく、すんなりと入っていけてするすると読めた。
    夫の日和も40歳手前に関わらず、めちゃくちゃピュア。現実にいたらなかなかの天然記念物だ。

    とにかく真っ直ぐに正しいと思ったことを、正しく推し進めていく。それが正義として勝つ。
    部分的にでも現実でそんなことが起きたらいいなと思わせてくれ

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    2025年12月02日
  • たゆたえども沈まず

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    ゴッホの生涯を画商である弟を通して書かれた小説です。ゴッホの絵の描かれた背景が想像でき、実際の絵画を見る楽しみもできます。

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    2025年12月02日
  • モネのあしあと

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    この著者の本はよく読んでいるので、読んでみた。

    画家のモネについて、生涯や題材などについて紹介し、見られる美術館も紹介している。

    モネをひいきにしてくれていた富豪家族が、破産した後に転がり込んできて長年同居していた、というのは驚きだった。結局家族になったのだから、お互いに認め合えるところがあったのだろう。そういった背景を知って絵を見るとまた違った見方ができそう。ジヴェルニーにもいつか行ってみたい。

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    2025年12月01日
  • 黒い絵

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    『深海魚』
    『楽園の破片』
    『指』
    『キアーラ』
    『オフィーリア』
    『向日葵奇譚』

    ほの暗さを感じる6編。
    原田マハの『サロメ』が好きなので楽しみにしていたのですが、読み始めてみるとその暗さとも違う。
    こんな原田マハは初めてだな~と。
    テイストは好きなのだが、正直思ってたよりハマらず。
    いつもは読むスピードが上がる原田マハ作品が、少しずつペースが落ちていってたのですが、後半2編は私好みで読みやすい。
    そう思ってたら、前半4編は作家1~2年の頃の作品なのだとか。
    そう知ったら読み直したくなってしまうのは、やはり原田マハが好きなのだ。

    オフィーリアは芥川龍之介『地獄変』を下敷きに創作されたそう

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    2025年12月01日
  • 生きるぼくら

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    読みやすくて、すごくあたたかいお話。

    でも4年間も1歩も家から出ず、誰とも話さなかった男性が急にスマホ無し稲作生活とかできるのかな、窮地に追い込まれた人間の底知れないパワーなのか、とか思った。

    もっとお米とか食べものに感謝して生きようと感じた。とにかく第一次産業の方には頭が上がらない。農業がもっとかっこいい仕事っていう価値観が広がったらいいなと思う。

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    2025年12月01日
  • 風のマジム

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    なんて癒される本なんでしょう。心がほっこりする。しかも実話ベースの物語っていうのが良い。

    沖縄のあたたかい人柄の人達とか、大自然とか、方言とか全部好き。憧れるし、羨ましい。

    ラム酒ってあんまり飲んだことないなーって思ってたし、お酒にも詳しくないからよく分かってなかった。でもサトウキビから作られてたのと、モヒートにも使われてたんだっていう新たな発見も出来ました。そりゃ、あんなにたくさんサトウキビが収穫出来る沖縄の、ラム酒があってもいいよね。そこに目を付けたのが素晴らしい。お酒作りもこんなに大変なんだと言うことも知ることが出来ました。

    主人公の情熱に、みんなが感化されたり、時には叱咤激励しな

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    2025年12月01日
  • 本日は、お日柄もよく

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    新人スピーチライターの温かい物語。
    感動し、泣きました。
    言葉のちから、大切さ、美しさ。改めて言葉とはすごいと思いました。

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    2025年11月30日
  • たゆたえども沈まず

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    19世紀後半のパリ。日本人画商林忠正の弟子としてパリにやってきた加納重吉は、無名画家だったフィンセント・ファン・ゴッホの弟テオドルスと出会い、交流を深めていく。主に重吉とテオの視点から綴られる、ゴッホの物語。

    タイトルに惹かれて読んだんですけど、めちゃくちゃ泣いた。
    私は絵画には詳しくないので、作品名が出てくるたびにネットで検索しながら読み進めていきました。ゴッホの絵は今ではとても有名で見たことのある絵がたくさん出てきたけど、ゴッホやテオはその時代の到来を待つことなく相次いで亡くなったという事実が悲しい。時代が追い付いてなかったんだな。でもその志はテオの奥さんが引き継いで、今に繋がっている。

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    2025年11月30日
  • 本日は、お日柄もよく

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    ネタバレ

    読んだ人を優しく包み込み、時に背中をそっと押してくれるような温かい本だった。

    「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもらった言葉が何よりの励みになるんだな、って」

    ほんとうにその通りなの。たった一言の小さな言葉がどれほど大きな力になることか。永遠に心に残り、背中を押し続ける。
    私自身、周りの人の言葉で鼓舞されたり、救われた経験がたくさんある。

    それでも、

    一方で、相手が何気なく放った言葉を気にしてしまったり、自分がこれを言ったら相手はどう思うだろうか、とか、面白く話さなくて

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    2025年11月30日
  • 生きるぼくら

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    またまた原田マハ作品を読みましたよ〜

    「生きるぼくら」
    作中にも出てくるこの言葉は、
    今、ここで、支え支えられながら生きている
    ということを、四季を巡る米づくりを通して表現されている言葉。
    わたしも、今年一年すごくこれを実感しながら生きてきた。生かされてるって実感させられた。そして、自分の足でしっかり生きていこうと思わされた。それには、周りの人の支えやこれまで関わってきた人たちとのつながりが、たくさんあることに気づいたから。
    そんなことを反芻しながら物語を読み進めていった。

    そして何より、この作品に出てくるマーサおばあちゃんに会ってみたいと思った。聖母のような、町の母。暖かい人柄で親しみや

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    2025年11月29日
  • 恋愛仮免中

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    みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくな

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    2025年11月27日
  • 風のマジム

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    マジム、真心という意味。いい名前だ。実話をもとにして書いた、サクセスストーリー。言えることは、ありきたりだが最後まで諦めずに貫くこと。物事を深く掘りさげてこそ得られる知識が本物だということ。まったくのフィクションだと思って読むと物足りないが、ノンフィクションがベースにあると思うと読みごたえあり。

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    2025年11月26日
  • 風のマジム

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    文庫化した10年前に「映像映えしそう〜」と思いながら読んだ一冊。やはりというかようやくというか、最近映画化したのですね。というわけで再読。キラキラしていて、爽やかで、まさに沖縄の太陽と風のような物語。デビューしたてのマハさんの熱さと瑞々しさも伝わってきます。

    ちょっとできすぎじゃないかと思うくらいドラマチックな展開だけど、これが実話だというんだからぐうの音も出ない。

    1点惜しいなと思うのが、これから工場ができて、いざラム作りに取りかかるぞ〜わくわく!
    という場面から一気に時計が進み、はいできました〜試飲!
    ってなる話の運び。
    いや、ラム作りの工程ぜんぶ吹っ飛ばしかい!
    とツッコみたくなって

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    2025年11月25日
  • たゆたえども沈まず

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    小説自体はフィクションだけど、この本を読んだ後にゴッホの作品を見ると、彼の孤独がにじみ出ているように感じて、表紙の作品からも目が離せなくなった。
    テオとフィンセントが互いに支えあってるようでもあり、縛り付けあってるようでもあり、見ていて苦しい関係だった。天国で二人が救われていて欲しい。

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    2025年11月24日
  • 独立記念日

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    ちっちゃい子が転んだ時に、
    明らかに甘えて泣いて、立てない!って言ってると、
    負けた気がして、立てるよ頑張れって
    言いたくなっちゃうんだけど、
    ギャン泣きしながらでも自力で立とうとしてると、
    偉いね、強いねって手を出しそうになってしまう。
    みたいな感じで、
    頑張れって言ってあげたい人達のお話。

    我ながらまわりくどい。

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    2025年11月24日