原田マハのレビュー一覧
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実話を元に書かれた小説と聞くと、どこまで実際にあった話なのだろうと考えながら読んでしまう癖があった。社内ベンチャーコンテストでチャンスをつかんで成功した女性がモデルと聞けば、どんな苦労があって、どう乗り越えたのか、そこから何か学びが得られないか…。
でも、そんな読み方には意味がないのだと思う。主人公の伊波まじむが、周りの人をどのように巻き込み、叱咤激励を受け、支えられ、困難に立ち向かったかを味わえばいいのだと気がついた。
そして沖縄の風と太陽の匂いを感じられればそれでいいのだ。そのうち沖縄(南大東島)産のラムが飲めたらいいなと思っている。 -
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オーディブルにて。
1878年にフランスへ渡り、仏万博でも活躍したという実在の日本人画商、林忠正が登場する。ゴッホ兄弟の生きた時代、彼らに交流があったかどうかは記録がないのだそうで、その点ではフィクションであるけれど、当時のフランスの様子や画家という立場の人々の扱われ方、当時の流行、ジャポニズムの波などが良く分かり、とても面白い。天才の苦悩と人間らしい葛藤の数々は、残された書簡等を踏まえ、史実にも沿った内容になっている。ゴッホという画家と、それを支えた弟、テオのキャラクターも生き生きと伝わってくる。
芸術の評価は、世につれ人につれ変化し得る。
絶対的な基準などない中で、自分の信じたことを貫く -
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ネタバレ新鮮 こういう作品にはあまり出会ったことがなかった 最初は織江の話なのかと思ったが、過去編ではティムを主人公にした話だった
キュレーター、コレクター、インターポール、など普段馴染みのない美術業界に関わるプレーヤーが出てきて、それぞれがどう関わってるのかも知れて面白い
ティムと織江、バトラーを中心に、周辺のプレーヤーがちょくちょく外野から関わってくるのが面白いし、ルソーやピカソ、ヤドヴィガの過去物語が挟まってくるのがまた新鮮 昔の画家はお金なかったよね 他人の既に描いたカンヴァスに上書きで描くのとかリアル 生きてる時代より後に評価されるというはザラ 絵の価値って、ほんと曖昧だと思った 有名なキュ -
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上野のゴッホ展に行ったので読みました。パリで浮世絵を売る商人と、ゴッホの弟の記憶を追体験していくようなストーリーで、登場人物の心情はもちろん当時の社会情勢もなんとなく知ることができて面白い。フィクションだが史実に基づいているので日本史を意識して読むととても楽しい。かなり長めで読みごたえもありとても満足。参考文献も面白そうなものばかりなので読んでみたい。ただしゴッホ展に行ってから読むとネタバレをくらった気分になるのでゴッホ展に行く前に読むのがおすすめ。これを読んでからゴッホ展に行けば「この作品はあのときの!」となって絶対に楽しいと思う。この本を通してよりゴッホもゴッホの作品も好きになれた。
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マハ先生の作品はやっぱり美術モノが良い。
版画家棟方志功とその妻の生涯を描いた物語。終始津軽弁で進む会話がなんだか温かい。
「ワぁ、ゴッホになるッ!」という想いをずっと持ち続けた志功の芸術への熱と、それを理解し支え続けたチヤさん達周りの人達の温かい眼差し。志功は人との運に恵まれた人だったのだと思う。それを理解し、人に感謝して、奢ることなく真摯に芸術に向き合う志功の姿に心を動かされた。私はチヤさんのように人を思いやり信じて進むことができるだろうか?自分のやりたいことに、こんなにもひたむきになれるのか?…と考えて自分自身を振り返る時間にもなった。
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「将来の夢は総理大臣」って言っていた同級生が何人かいたけれど、全員男の子だった。今後なりたい職業に総理大臣って宣言する女の子、増えるのかなぁ…なんて思いながら読みました。
原田マハさんが、10年くらい前に書いた理想と予言が詰まった作品。日本で初めて女性が総理大臣になったときの、夫の目線が描かれています。
現在、就任して間もない高市総理大臣の仕事をこなす一挙手一投足がニュースの話題に上がっている。マスコミ対策、護衛、派閥の裏側、実際もこんな感じなんだろうか、と勘ぐってしまう(;^ω^)。
『「国民に信を問う、って、私を信用してくれますか?って国民に本気で問いかけること。それって人に言われてやる