原田マハのレビュー一覧
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ネタバレさいりちゃんのラジオで、映画化された作品の主役をしていたと知って手に取ってみた。
マジムは28歳、契約社員で現状に今一満足感が得られていない様子。
30歳の私と年も近いので気持ちも近くで一気に読んだ。
舞台となる南大東島は沖縄本島からフェリーだと13時間はかかる、サンゴ礁と火山でできた絶海の島。
サトウキビと風の情景が何度も読んでる時に想像だけど思い浮かんでワクワクしながら読んだ。
マジムが夢を見つけたことや、会社などの人間関係の細かな描写、家族やいい仕事仲間に囲まれている様子が丁度よいボリュームでよかった。
お酒はすぐに酔ってしまう私だけど、コルコルはぜひ飲んでみたいと思います。 -
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ネタバレ様々な事情を抱えた人が流れ付くように集まる町、尽果。
そこに、ある事件をきっかけにたどり着いた、主人公・紫紋の視点で描かれていた。
尽果で料理店を営むマリアと呼ばれる女性。
その彼女もまた、ある過去を持っていて、その過去については終盤まで触れられることなくストーリーが進んでいくので、紫紋と同じタイミングで衝撃を受けることになり、より入り込んで読むことができた。
基本的には穏やかに、あったかい気持ちになるストーリーがベースなだけに、登場人物たちの罪について描かれる部分とのコントラストがよけいに引き立っていた。
出てくる人がみんないい人なだけに、絶望的な状況から救われていく流れでよかった、報わ -
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本日はお日柄もよく』を読んで、原田マハさんの他の作品が気になり、この本を手に取った。
学生時代のいじめが原因で、長い間引きこもりとして生きてきた主人公の人生。そこからどのように変わっていくのか、引きこもりをどうやって抜け出していくのかが気になり、楽しみながらページをめくった。
父親の実家を訪れ、そこでさまざまな大人たちと出会い、少しずつ生きている世界の視野が広がっていく様子を読んで、なんだか嬉しい気持ちになった。
米作りや介護の仕事を両立しながら、ゆっくりと成長していく姿は、心に強く響くものがあった。
きっと人生は、おばあちゃんやそこでの出会いがなくても、どうにかできたのだと思う。なぜな -
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ネタバレ高階秀爾さんの解説には、冒頭に
美術史とミステリは相性がいい。
犯罪の種類、複雑な謎、謎解きの玄人興奮、そして最後に真相という過程がよく似ている。
とある。
ミステリー要素も大いにあって惹かれるが、それよりもルソーの「夢」にまつわる話に加えて同じ絵がもう一枚あるという、それの真贋を判定するのも面白い、それにかかわる人たちの造形と、表紙にもなっている「夢」とルソーを語る原田さんの筆に最後まで気が抜けなかった。
倉敷美術館の監視員をしている早川織絵はかってルソーの研究者として学会でも知られた存在だった。
フランスに留学して美術史を学び、若くして論文が認められ博士号を取得していた。
訳あって、今 -
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短編小説。最後の物語に泣いた。
色々な生き方の日常と特別展示ではなく常設展示。
良い悪いではなく、評価するわけでなく、人生の一場面の日々を描いている。
周りから見たら成功しているように見えているのかもしれない、何とも思われていないのかもしれない、如何にもかかわらず、それぞれ抱えているものがあり、人生がある。
原田マハさんの言葉が好き。温かくすっと入ってくる。カフェで目の前で話を聞いているような感覚。
何が良い、悪いではなく、自分にとって、自分の周りにとって、幸せな温かい道を選ぶのが大切なのかも。間違っても、また立ち直れば良い。自分から見えている自分や相手と、相手から見えている自分や相手は -
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ネタバレ期待通りの絶望感と小説にはきちんとハッピーエンドがあるという安心感。
罪を償い赦しを乞う人々がたくさん出てくるが、救いようがないと思いながらも読み進めていくと一片の光があり、最終的に救いが待っている感じが気持ちよく終われた。これを出来すぎているという声もあるかもしれないが、これぞフィクション‼️という感じで良かった。
ただ、マリアやシモン、マルコなど贖罪の意識がある人の裏側には本当に1ミリも罪のない人たちがいて、その人たちを傷つけまくっているのがなんだかなあという感じ。
母と子という関係性がたくさん出てきて、マグダラのマリアというよりマリアそのものがモデルとなっている人が多い印象。 -
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ネタバレ素晴らしい小説だと思つた。だいすきな小説だとも思つた。主人公の山中すてら彼女の生い立ちは不幸にあつたかもしれないけれど、よき出会いがあった。彼女自身のひたむきに日々を営みながら小説をを読んだり書いたりし続けたことで、出会いに恵まれてその機会をものにした。人生の酸いも甘いも苦しさも喜びも全部を生きる力に変換しているようで心から敬意を払いたい。そんな山中すてらの生きざまに力をもらつた。
表現については端的ながら美しい織物の用語が散りばめられており素敵だ。ただし文体は平易な感があり、それゆえリズム感は掴めなかったのだけれども返って主人公やそれを支える人間たちの善良さあるいは純粋な存在さが印象づいた。