原田マハのレビュー一覧

  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

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    面白い作品だと思いました。
    原田マハさんの小説の魅力は、絵画に対する深い愛情と豊富な知識かと感じます。
    今回の小説も、ひょっとするとどこかで聞いたことのあるような単純明快なストーリーかも知れません。でも、マハさんが描くことでヨーロッパがいかに芸術を愛し育んできたか、という見方も加わることで、とっても奥深いストーリーに感じられました。

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    2025年10月18日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)

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    「風神雷神」という漢字四文字のタイトルと表紙の絵画の迫力に圧倒され、しばらくの期間、手が伸びなかった作品でした。しかし、読んでみると少年たちの大冒険活劇。しかも、誰でも知っているような歴史上の人物がたくさんでてくる。帆船で大海原に挑み、苦難を乗り越え、仲間との絆が深まり…。当初の印象なんて吹き飛び、夢中で読み進めることができました。

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    2025年10月18日
  • ゴッホのあしあと

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    “ゴッホは決して狂人ではなかった”

    前提として、この本を読む前の僕のゴッホに対する知識やイメージといえば、「ひまわりを描いた人」ということや、耳を切り取ったり、過激で病んでいる人、そして最後は精神的に苦しみ自死を選んだ人──といった程度のものでした。

    けれども、違ったんですね。
    この短いページ数に凝縮されたゴッホの人生とあしあとをたどるうちに、とても繊細でありながら強く、理知的で、弟想いで、そして日本のことも深く愛してくれていた人だったことが分かりました。

    耳についても、すべてを切り取ったわけではなく耳たぶの一部を切っただけだったことや、最後の自死についても「精神を病んでいたから」という

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    2025年10月17日
  • リボルバー

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    たゆたえども沈まず、とはまた違った角度からゴッホを知ることができる作品。
    ただ個人的にはこれはゴッホの物語というよりはゴーギャンの物語という感じがしました。
    ゴーギャンの作品は東洋美的なところがあって個人的になかなか親しみを持てなかったのですが、リボルバーを読んで(あくまでフィクションとしてですが)彼の背景や歴史を知り、次に彼の絵画と向き合うときはもう少し仲良くなれそうな気がしました。

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    2025年10月17日
  • モダン

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    キュレーターや作家だけでなく、警備員など様々な人が美術に携わっているんだなと実感できる本でした。
    短編集で読みやすく、他の原田マハ作品の登場人物も出てくるので、原田マハファンにもオススメですし、まだ原田マハを読んだことがない人の最初の一冊としてもオススメです。

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    2025年10月17日
  • ジヴェルニーの食卓

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    マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。あまりにも有名な印象派の画家たち。その人生について、こんなふうに深く思いを巡らせたことがありませんでした。

    美術に造詣の深いマハさんは、そんな彼らがどんなふうに当時を生きていたのかを、物語を通して想像する楽しさを教えてくれました。
    そしてアートをより身近なものとして感じさせてくれた。

    「画家」と周りから呼ばれる人のことや保守的な美術界のことなど、過去に何があったか、そばで見守ってきた人の記憶をのぞいているような気持ちになる。いつの間にか物語の世界に没入。
    彼女たちの目を通して、作品の中ではあのピカソが、マティスが、ドガが、セザンヌが、モネが、生きている。

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    2025年10月16日
  • 新装版 翼をください【毎日文庫】

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    第二次世界大戦前夜。前人未到の世界一周飛行に挑んだ純国産機ニッポン号と、失踪した伝説の女性パイロット・・・。飛行機乗りたちの熱き想いを、圧巻のスケールで描く、強くて切ない大空の冒険ロマン!これだ!!!

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    2025年10月16日
  • 楽園のカンヴァス

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    アート小説にここまで引き込まれるとは思わなかった。後半まで読み進めるにつれてどんどんページをめくる手が止まらなくなって、ラストの爽快感まで全部良かった。

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    2025年10月16日
  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)

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    絵画の良さがあまり分からない。
    本物を観る機会がなく、アートに対する感性が育たなかったのだと思う。

    この年になってやっと「本物を見る」ことの大切さが理解できてきた。そして本物に触れる所に出かけはじめたからこそ手にとった小説。

    ぽつりぽつりと本物に出会いに行けば、そのうち私にも印象に残る一枚に出会う日が来るかもしれない。そんな何気ない日常に自然と出会うアートの短編たち。

    全ての終わりに余白があり、静かな余韻がある読後感だった。

    最後のお話はドラマチック

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    2025年10月15日
  • ジヴェルニーの食卓

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    画家たちにも生活があって、家族で食卓を囲む幸せもあれば、大切な人との別れもある。きっとその時の感情の移ろいは、作品にも繊細に現れてるんだろうなと。絵画をみるときに、どんな想いで描いたんやろう、って考えるのも深いなと思った。

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    2025年10月18日
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    スペイン内戦〜終戦までのピカソパートと9.11〜2003年までの現代のパートを虚実織り交ぜながら描いたもの。国連安保理のロビーにゲルニカがあったことも知らないし、イラク空爆の会見時にゲルニカに暗幕が張られた話など全く知らなかった。美術については全く知識も興味もないが惹き込まれた。

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    2025年10月15日
  • さいはての彼女

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    人や土地との出会いを大切にしようと感じさせられる本でした。仕事、育児、家庭などの日常から離れた旅先で、自分で見つめ直す機会を大切にしていきたいです。

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    2025年10月15日
  • 風のマジム

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    映画化された作品ですが、映画を観る前に読みました。小説自体、大東島で沖縄産ラム酒の醸造を始めた女性をモデルにした話ですので筋はある程度想像通りなのですが、小説では登場人物が魅力的。特に主人公の祖母のおばあが魅力的。読んだあとに映画もみたのですが、映画も素晴らしく、原作にはないおばあのセリフも加えられ、さらに魅力的なものになってました。

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    2025年10月14日
  • 永遠をさがしに

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    キュレーター原田マハさんならではの美術系の小説もいいけど、それ以外のジャンル、キネマの神様や本日はお日柄もよく、風のマジムみたいな小説が個人的には好きです。この作品もその類で、やっぱり心を打たれるんですよね。音楽にも造詣がおありなんだなぁと。かといって、家族モノや青春群像だからだから読みやすくグイグイ引き込まれます。

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    2025年10月14日
  • 風のマジム

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    映画がきっかけで読んでみた。
    まじむのキャラクターが伊藤沙莉さんそのままで最後まで伊藤沙莉さんの姿でまじむが想像できた。
    とにかくラム、現実で言うところのコルコルを飲みたい気分になった。

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    2025年10月13日
  • 風のマジム

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    ほぼ想定外のない安泰のストーリーで、心穏やかに読めた。沖縄の方言が心地よい。行ったことのない大東島の景色が目に浮かび、風を感じる。
    実話に基づいたストーリーとのことだが、運命的な出会いがありすぎ!と思う。しかし、誠実さにあふれ、嘘くさく感じさせない。
    当事者の苦労を思うと、完成したラム酒を無性に飲みたくなった。

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    2025年10月13日
  • 妄想美術館

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    アートオタクなお2人が、知識爆弾を投げ合っているかのような本。
    素晴らしい妄想も盛りだくさんで、世界中に行きたいところが増えてしまった!

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    2025年10月13日
  • 新装版 翼をください【毎日文庫】

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    フィクションとノンフィクションの境界を曖昧にさせる、原田マハさんの原点ここにあり。ほんとっ史実なんじゃないかと錯覚するぐらい、自然に「物語」が溶け込んでいます。

    2007年、新聞社の女性記者、翔子が一枚の写真を見つけるところから物語が始まります。

    時は遡り1939年第二次世界大戦が始まるか始まらないかの微妙な時期、各国が飛行機能力の高さを競い合って誰が世界一周を実現させるか。アメリカ人パイロットと日本人パイロットの運命が交錯する。いつ、交わるの!?まだなの?

    今や上空10000mを飛行機で飛ぶなんて当たり前だけど、考えてみたら窓を挟んだ外の世界は、-50℃ぐらい、酸素分圧(酸素の体への取

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    2025年10月12日
  • 総理の夫 First Gentleman 新版

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    映画『総理の夫』で描かれた理想の女性総理像・中谷美紀

    「種間社会」という言葉は、いくつかの文脈で異なる意味合いで使われますが、共通して複数の異なる種(生物種)が、特定の環境下で相互作用しながら形成する共同体や関係性を指します。

    20××年、相馬凛子(そうま・りんこ)は42歳の若さで第111代総理大臣に選出された。
    鳥類学者の夫・日和(ひより)は、「ファースト・ジェントルマン」として妻を支えることを決意。
    妻の奮闘の日々を、後世に遺すべく日記に綴る。税制、原発、社会福祉。混迷の状況下、相馬内閣は高く支持されるが、
    陰謀を企てる者が現れ……。凛子の理想は実現するのか!? 痛快&感動の政界エン

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    2025年10月14日
  • 風のマジム

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    映画「風のマジム」がとっても良かったので紐解いた。今年は映画「木の上の軍隊」「宝島」と、戦後の沖縄を舞台にした重い良作が立て続けに出た。そして、図らずも沖縄返還の年に産まれた沖縄っ子伊波まじむが、初心貫徹「まじむこみてぃ(真心こめて)」造った酒で、明るい未来を感じさせて夏を終わらせてくれた。その日のうちに書店で文庫本を贖ったのである。

    伊波まじむは、通信会社の契約社員25歳。ひょんなことからアグリコールラム酒の美味しさを知ったあと、100%サトウキビ原料なのに、全てのラム酒が外国産であることを知る。会社で新規事業コンペがあることを知って、国産ラム酒計画を提出して、二次審査まで通過した。最終決

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    2025年10月12日