原田マハのレビュー一覧
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第二次世界大戦前の不安定な時代。アメリカで世界一周をしようとした女性パイロットと、日本の新聞社が世界一周を実現した物語。
この物語はモデルがいたということで実際に調べてみたが、今の時代の航空機と当時の航空機と機能が明らかに違うが世界一周ができるほどの機能を導入したという、日本の技術に驚きを隠せなかった。
不安定な時代だからこそ感じる平和とはなにか。
エイミーが言う「世界はひとつ」。
この言葉は、のちに出会うアインシュタインの「共存」にも繋がる気がした。
全世界、国籍も性格も文化も違う。そんな中で武器を手にせず、お互いの価値観を認め合い過ごしていくことの重要さがあると思う。読んでいたときに -
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これは、在沖縄アメリカ陸軍の従軍医、エドワード・ウィルソンと、絵を描くために生き、生きるために絵を描く、誇り高き沖縄人の芸術家達との、言語を越え、人種を越えた、終戦後の沖縄に確かに存在していた友情の物語である。
踊り、描き、歌う。そういった表現活動を、人々は文化と呼ぶ。
それは沖縄人にとって、精神的支柱であり、誇りであり、唯一のアイデンティティであった。
それを戦争によって奪われた彼らの怒りは、恨みは、辛さは、さぞ度し難いものだっただろう。
「私たちは、勝者でも敗者でもなく、占領するものでも占領されるものでもなかった。」
「私たちのあいだには、いかなる壁も、境界線もなかった。」
「私 -
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幸せとは何だろう――『リボルバー』を読んで、改めてそんなことを考えました。
僕にとって幸せとは、自分が思い描く理想の人生と、現実の人生との距離のことです。
もちろん、その距離が近ければ近いほど幸せであると思いますが、たとえその距離が今は離れていても、少しずつでも理想に近づいていけているならば、その道中も幸せなのかなと。
そして本作『リボルバー』を読み、ゴッホもゴーギャンも幸せだったのかもしれない。しかし、僕は何よりテオにも幸せであってほしいと思いました。
作中にもあるように、芸術家であるゴッホとゴーギャンは、人生のすべてを投げ打って、自分たちの芸術を追求し続けます。それは周囲の人を巻き込 -
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「恋愛」をテーマにした
5名の作家さんによるアンソロジー
収録は以下の5作品
「あなたが大好き」 奥田英朗
「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
「シャンプー」 中江有里
窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
他作品は、私は初めてのものばかりだった。
どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。
読んでいて気恥ずかし -
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ゴッホというと「ひまわり」や「星月夜」、「夜のカフェテラス」を書いた人ということしか知らなかった。
ゴッホはてっきり明るい色使いばかりの絵を描いてるんだも思っていたが、マハさんの文章を読んでイメージがガラッと変わった。
むしろ私が深く共感するほどの孤独な人だった。
それに「ひまわり」のようなパキッとした
色使いの絵だけでなく、初期の頃は暗くくすんだ色の絵を描いていたこと、職を転々とし決して華やかな人生では無かったこと。
知らないことが沢山あった。それに、日本美術の浮世絵に魅了され、自身の絵画の構図や色使いに取り込んでいるなんて。ここに日本とゴッホの共通点があったことを嬉しく思う。
今までゴッホ