原田マハのレビュー一覧

  • 新装版 翼をください【毎日文庫】

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    第二次世界大戦前の不安定な時代。アメリカで世界一周をしようとした女性パイロットと、日本の新聞社が世界一周を実現した物語。

    この物語はモデルがいたということで実際に調べてみたが、今の時代の航空機と当時の航空機と機能が明らかに違うが世界一周ができるほどの機能を導入したという、日本の技術に驚きを隠せなかった。

    不安定な時代だからこそ感じる平和とはなにか。

    エイミーが言う「世界はひとつ」。
    この言葉は、のちに出会うアインシュタインの「共存」にも繋がる気がした。
    全世界、国籍も性格も文化も違う。そんな中で武器を手にせず、お互いの価値観を認め合い過ごしていくことの重要さがあると思う。読んでいたときに

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    2025年10月30日
  • 太陽の棘

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     これは、在沖縄アメリカ陸軍の従軍医、エドワード・ウィルソンと、絵を描くために生き、生きるために絵を描く、誇り高き沖縄人の芸術家達との、言語を越え、人種を越えた、終戦後の沖縄に確かに存在していた友情の物語である。

    踊り、描き、歌う。そういった表現活動を、人々は文化と呼ぶ。
    それは沖縄人にとって、精神的支柱であり、誇りであり、唯一のアイデンティティであった。
    それを戦争によって奪われた彼らの怒りは、恨みは、辛さは、さぞ度し難いものだっただろう。

    「私たちは、勝者でも敗者でもなく、占領するものでも占領されるものでもなかった。」

    「私たちのあいだには、いかなる壁も、境界線もなかった。」

    「私

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    2025年10月30日
  • 星がひとつほしいとの祈り

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    20〜50代の女性の希望と祈りを見つめ続けた物語7篇。

    いつもながら著者の観察力と表現力に驚かされる。

    序盤から一気に惹き込まれる。

    「斉唱」と「沈下橋」の母娘の心の動き、徐々に通じ合っていく姿に涙する。

    またしても旅したくなる。

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    2025年10月29日
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

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    今では人気を博している印象派がまだ新しく、斬新だった"現代"に生きた芸術家と周囲の人々を、表紙のように美しく切り取った作品。

    個人的には、マティスとモネの話が好きでした

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    2025年10月29日
  • あなたは、誰かの大切な人

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     人と人とのふれあい、気持ちの揺れを活写する、作品集。

     各作品に共通しているのは、「親と子」「死」「美術」。

     映画にしたら…と思うような美しい風景と登場人物の心情がわかる。

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    2025年10月29日
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

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    棟方志功の力強い版画が好きでしたが彼の半生はほとんど知らず、この本で初めて妻のチヤのことも知りました。彼の生き方そのものがあの版画となって生まれ、また素直で謙虚な生き方にも心打たれました。

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    2025年10月28日
  • リボルバー

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    幸せとは何だろう――『リボルバー』を読んで、改めてそんなことを考えました。

    僕にとって幸せとは、自分が思い描く理想の人生と、現実の人生との距離のことです。
    もちろん、その距離が近ければ近いほど幸せであると思いますが、たとえその距離が今は離れていても、少しずつでも理想に近づいていけているならば、その道中も幸せなのかなと。

    そして本作『リボルバー』を読み、ゴッホもゴーギャンも幸せだったのかもしれない。しかし、僕は何よりテオにも幸せであってほしいと思いました。

    作中にもあるように、芸術家であるゴッホとゴーギャンは、人生のすべてを投げ打って、自分たちの芸術を追求し続けます。それは周囲の人を巻き込

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    2025年10月28日
  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)

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    6つの作品を題材にした短編小説。
    作中に登場するメトロポリタン美術館にとても行きたくなった。
    原田マハさんのアートに対する深い愛を小説を通して強く感じた。

    上白石萌音さんの解説もとっても良かった。こんなに文章が上手なんて驚いた。
    特に、最後の短編「道」に対する解釈・感想がとても素敵で、益々この小説の面白みを感じた。

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    2025年10月28日
  • 風のマジム

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    良かったです。

    沖縄産ラム酒作りに取り組むって話なんですが、主人公が良い人で良い人たちに囲まれてって感じなので、終始良い気分で読めます。

    困難が有りつつも、そこまでどん詰まりになることも無く、何となく成功が見えている感じなので、ハラハラ感は無いですけど。

    実話ベースの話という事で、実際にどんなお酒か飲んでみたくなりました。

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    2025年10月28日
  • 風のマジム

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    ネタバレ

    沖縄でラム酒を造る女性のお仕事小説。
    原田マハさんは沖縄にルーツがあるのか、初めて知った
    こういう小説好きです、綺麗なお話でした

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    2025年10月26日
  • 星がひとつほしいとの祈り

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    ネタバレ

    どの短編小説もよかった心があったまった
    長良川がでてきたのが地元民として嬉しかった
    前にママが私の夫になる人は3人で旅行とか行ってくれる人だといいねって言ってたのを思い出した
    そんな人を早く見つけたいねー

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    2025年10月26日
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)

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    スペイン内線禍、恋人・ドラの目線でピカソを描く過去パートと、MoMAで働くヨーコがゲルニカの展示に奔走する現在パートが、交互に進む。

    過去ではあるものの現実を基にしたピカソと、
    現在だが架空の存在であるヨーコに起こる出来事たちのアンバランスさがクセになった。

    大塚国際美術館でいつか見た陶板のゲルニカには大きさも含め圧倒されたけど、今度は本物を。

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    2025年10月26日
  • あなたは、誰かの大切な人

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    昼休みの職場で読んでいたら目頭に熱いものがぐっ。これは職場で読んじゃいけないヤツだ…。人が人を大切にするお話はどれも温かくて、疲れていた心がほぐされた。大切な人が居るっていいね。

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    2025年10月26日
  • 楽園のカンヴァス

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    絵画には疎いため、前半は若干離脱しそうになった。出てくる絵画をその都度調べてみると、ルソーの絵画の魅力に、何も知らない私が惹きつけられる感覚があった。美術館に来たような小説かと思いきや、ミステリー性もあり、自分の中に教養が蓄えられたような気に勝手になる素敵な物語だった。過去に生きた人を、その人が遺したものから、感じ、辿り、心を巡らせる、そんな経験を私も織絵やティムとともにさせてもらった。

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    2025年10月26日
  • 星がひとつほしいとの祈り

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    ネタバレ

    表題作を読んだ。とても素敵な話だった。涙が出た。結構切ない話だけど、原田マハさんらしさの溢れるような文章だなと感じて、とても好きだった。上品な人になりたいと、改めて思う。

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    2025年10月25日
  • さいはての彼女

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    ナギのキラキラした性格が伝わる第1篇も良かったけど、ナギの母目線で描かれる第4篇が個人的には好みだった。

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    2025年10月25日
  • 恋愛仮免中

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    「恋愛」をテーマにした
    5名の作家さんによるアンソロジー

    収録は以下の5作品
    「あなたが大好き」 奥田英朗
    「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
    「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
    「シャンプー」 中江有里

    窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
    他作品は、私は初めてのものばかりだった。

    どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
    こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。

    読んでいて気恥ずかし

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    2025年10月25日
  • 〈あの絵〉のまえで

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    「あの絵の前で」をキーワードにした、ある作品に関わるエネルギーの短編集になっていた。人生が変わるきっかけや思い出として、作品があるというのは、美しいし羨ましく感じる。私はまだ、そのような作品に出会っていないからだ。本書を読むと、作品が気になって検索したり、登場した美術館にも訪れたくなる気持ちになる。訪れたことのある美術館がほとんどだったが、そんな作品が飾られてたっけと覚えていなかった。
    人生の中で、特別な作品に出会いたくなる本でした。

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    2025年10月23日
  • 星がひとつほしいとの祈り

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    7話の短編集で主人公は女性、年代はバラバラ
    切ない話もあれば心温まる話もあり、涙が止まらなかったぐらい綺麗なお話

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    2025年10月23日
  • ゴッホのあしあと

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    ゴッホというと「ひまわり」や「星月夜」、「夜のカフェテラス」を書いた人ということしか知らなかった。
    ゴッホはてっきり明るい色使いばかりの絵を描いてるんだも思っていたが、マハさんの文章を読んでイメージがガラッと変わった。
    むしろ私が深く共感するほどの孤独な人だった。
    それに「ひまわり」のようなパキッとした
    色使いの絵だけでなく、初期の頃は暗くくすんだ色の絵を描いていたこと、職を転々とし決して華やかな人生では無かったこと。
    知らないことが沢山あった。それに、日本美術の浮世絵に魅了され、自身の絵画の構図や色使いに取り込んでいるなんて。ここに日本とゴッホの共通点があったことを嬉しく思う。
    今までゴッホ

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    2025年10月22日