原田マハのレビュー一覧
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大ゴッホ展で『夜のカフェテラス』を目にした。荒々しくも強烈に惹きつけられるその色彩からゴッホという人物に興味を抱き、書店で『ひまわり』が描かれた表紙の『リボルバー』を手に取った。
読み進めると、描かれているのは単なる画家の生涯ではない。ゴーギャンの眼差しを通したゴッホであり、二人の間に漂う異常なまでの緊張感と執着だった。
だが、物語の本質はそこではない。真の主題は「人の幸福と不幸」だ。生前は正当に評価されず自信の耳を切り落として、娼婦に送りつけるといった狂気の中で世を去ったゴッホと、彼を追い詰めたとされるゴーギャン。死後に世界から狂おしいほど求められる彼らは、果たして不幸だったのだろうか。
…否、それを外側から推し量るのは、私たちの邪推に過ぎない。幸か不幸かを決めるのは、いつだって自分自身の心なのだから。翻って、あなたの人生はどちらなのだろうか。 -
Posted by ブクログ
希望を失っていた引きこもりの青年が、様々な出会いと行動を通じて気づきを得て成長していく、いわゆるサクセスストーリー。非常に面白かった。
親から突き放され、一人の人間として自分で判断し、責任を持って行動する中で、いろんな巡り合わせが生まれ、そこから気づきを得て成長していく。これは誰の人生にも当てはまる普遍的なテーマだと感じた。親が進路をすべて決め、囲い込んで過保護にしすぎると、自分の人生を自分で生きられなくなる。本作は主体性と自立の大切さを説いている物語だと受け取った。
ストーリーとしての面白さはもちろん、自分の学びとしては、部下育成や子育てに通じる気づきがあった。もやもやして「自分の人生とは」と悩んだ時、誰かに委ねるのではなく、一人の時間を取って自分と向き合い、自分で判断して行動することが大事なのだと改めて学んだ -
Posted by ブクログ
良くないことが起きた時 頭を下げてしょんぼりしてしまう でもそんな時こそ 今だけ 頭を下げ この店を出たら顔を上げ 切り替えていく そして具体的な行動を決めてそれにただ実行するだけ
人間は弱い生き物であるが故に 落ち込む時は落ち込んだっていい
しかし、 落ち込み続けていても変化はしない 変化するには少し 動く。
少し動くと自然と動き続ける
そして、それにより現状から打破することができることの大切さを教えてくれた。
またマーサ ばあちゃんが まだ早いと言ってやらせてもらわなかったものも 誰でも最初はあるのだから「今日があなたの記念すべき 最初の日だね」と言って体験をさせることの大事さ
動き回って大人にとっては やってほしくないことでも子供は楽しんでやっているならば 多めに見て その子供でしかできない体験をさせてあげ
その時その時でやれるその子の一番幸せな時間だということをよく知っているからこそ見守るということができるんだなと思う
この本の登場人物の大人の人たちは本当に暖かく そして賢い大人だという風に書いてあったが本当にそうだなと思う
私も一生懸命生きる そして賢い大人になりたいなと思った
そのためには自分が体験していないことでも本を通じることで こういった時はこういう風にすればいいのかもしれないという道筋を立てる糧ができる
これからも素晴らしい本を読んでいきたいなと思う
米づくりを通して この本はいろんな人のとの出会いが 相乗効果が生まれるんだけれども稲の成長を写真に撮って送る そのタイトルが この「生きるぼくら」なのだが 稲の一生でも人の人生 の 一生でもなんか似ているなという風に感じる
生きている いろんな試練もあるけれども 無理に自分の思い通りにすることや 嫌いな人を排除するよりも どうしても無理なものは間引く、周りの人に頼ると言った そういった 自然の調和は人間関係も同じだな -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻ほどのめり込むような感覚はなかったが、ついに喜望峰を超えてヨーロッパ到着ということで新鮮さはあった。キリシタンであり天正遣欧使節団のマルティノが、宗達が日本を出てから絵を描けていないことに対して、自分に置き換えて神に祈りたくても祈ってはならないと止められたら…と考えているところがすごくマルティノぽくて、好きだなぁと個人的に思った。そして、使節団が任務を終えて日本に帰った後の歴史上の苦難も連想されて少し苦しさも感じた。あとはカラヴァッジョと宗達が出会う場面が、史実とは無関係であろうが、カラヴァッジョの絵に魅力を感じる者としてはとてもアツい展開だった!
ネタバレがあまりに多いが、備忘録のお気に入りシーンは下記。
・スペイン王フェリペ2世への謁見の場面、宗達だけ剃髪じゃないことに目をつけられ、自分が描いた絵を見せろと言われ(教皇のための洛中洛外図しか持ってないしそれは見せられない)、父の描いた扇の風神雷神を見せるも悪魔なのかと問われ、風神雷神だと説明し、形見なのに一応国王にどうぞと言うも、そんなもので余が喜ぶと思っているのかと問われ…、このほかに献上できるものは命しかない、と答えた一連の場面が、描かれてるシーン自体は時間的には短いのに20ページ以上にわたって詳細に書かれていて、王と宗達そして通訳のマルティノの問答に息を呑んで見守ってしまった。「汝の父は、幸せ者だな。汝のような勇敢な息子を持って」と最後に王が言った時は、読んでるこっちまで安心して緊張が解けたし、感動でグッときた。
・情景や主人公の心情を表す表現が一つ一つ丁寧でとても美しくて心の栄養のように思えるところがいくつかあった。
└「教皇が全身を耳にして自分たちの言葉に聴き入っているのがわかった。そして、雨が大地に沁み入るように、ひと言、ひと言が法衣の内側に届いていると感じられた。」
・教皇が絵を見た後のひとこと。こちらも、なんで美しいんだろうと思った。
「余はーいま、旅をした」
「はるかな東にある国、ニッポンへと......そして、すばらしき都である『キョウ』で、かの地に暮らす人々とともに、笑い、泣き、そして......祈った」
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Posted by ブクログ
ダ・ヴィンチ2026年4月号のプラチナ本。
評判も良さそうなので原田マハさんの作品を初読み。
明治末期、貧しい家に生まれた山中すてらは、病に倒れた最愛の父を支えるため、アメリカ人宣教師の恩師であるアリスのつてで倉敷紡績で働く。何よりも読書が好きなすてらであったが、生まれて初めて書き上げた小説を、念願叶い文化祭で発表することに。そして、すてらの小説が社長の大原孫三郎の目に留まり…
決して恵まれた環境ではなかったけれど、今できることを諦めずにやり続けたすてら。小説に対する熱意とその真面目な人柄に、引き寄せられるように運命的な出会いから文士への道が開かれていく。その真っ直ぐな生き様に勇気をもらえる。
登場人物に大原孫三郎を始め、夏目漱石や武者小路実篤など実在の人物が多く描かれていて、実話かな?と思ったけれど、そうではなかった。でも、みんな魅力的で、すてらは人との出会いに本当に恵まれていたなと思う。それも、全てはすてらの人柄か。
すてらが「なぜ傑作か。それはこの絵が他の誰の絵にも似ていないからです」と絶賛した『マティス嬢の肖像』。画像検索して見てみたけど…絵画は難しい