原田マハのレビュー一覧
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ネタバレ印象派に日本の美術が与えた影響が書き記されている。浮世絵は確かに荒波の力強さや、富士山の雄大さ自体を描き、降りしきる雨や光自体を描いている。けれども「自然の美しさに西洋の風景画が気づくのは意外に遅く、純然たる風景画は十八世紀にならないと登場しません。」だそう。
「モネは花や木を、命が宿っているように描きます。それは日本人の感覚と似ています。私たちは巨木があれば尊さを感じ、日向に小さなスミレの花が咲いていれば話しかけたくなります。そこには自然の中に神や命が宿るという、日本古来の自然観が染みついています」
我々日本人は自然は御するものではなく、あらがわずに神に祈り、調和するという価値観を生まれ -
Posted by ブクログ
ネタバレローマへの道のラスト、教皇猊下との出会いのシーンはとても素晴らしかった。何度も挫けそうになり、命の危険さえもあり、それでも諦めずに目指した場所は、あまりにも美しい絵画で彩られている。絵師の宗達じゃなくても感動モノだと思った。ただそこから先のカラヴァッジョとの出会いからがちょーっと雑と言うか、旅の消化試合みたいになってしまったのが残念。タイトルの風神雷神も、かなり重要なポジションではあったものの、宗達が描いた風神雷神図そのものには関わらなかったのも残念ポイントだった。どうやって宗達は帰国し、どんな気持ちで絵師の仕事を続けたのか。贅沢を言うならそこまで読みたかった。
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Posted by ブクログ
子供の頃に伝記で読んだヘレン・ケラーが鮮やかによみがえってきました。
ヘレン・ケラーとサリヴァン先生が出会った年代はそのままに、舞台が青森県に置き換わる。2人が困難を乗り越えて駆け出すまでの物語。圧巻でした。
個人的にまだ深堀り出来そうなエピソードが残っていて、別のお披露目用にとっておいてくれているのか、「その辺りはあなたの想像にお任せますよ」というメッセージなのか悶々とします。猛勉強して大学入学する件とか、先生とお別れするところとか…想像しただけで涙になるんですけども(´;ω;`)ウッ…
『安の目には、はっきりと見えた。少女はそのとき、うっすらと、笑っていた。その無垢な輝き。かすかにめまい