原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京で、売れっ子少女漫画家として活躍していた鮎子。実は30年前に親の転勤によって、岡山市へ引っ越してきた鮎子。高校の3年間を市内の白鷺女子高校ですごすこととなったのだった。東京で育った手前、岡山弁に馴染めず、周りの発する「でーれー」を真似しては失笑され、一人ノートに漫画を描く日々であったが、その漫画の最初の読者となった武美との友情が深まっていく…。
まず始めに、ワタシが大学4年間を過ごした岡山市内が舞台ということで、ちょい甘めの採点になっていることをご了承ください。
知らない人には「でーれー」と言われてもなんのことかわからないと思うだろうが、「どえらい」みたいな言葉である。名古屋の「どえりゃー」に置き換えるとわかりやすい。
奉還町に住んで、市電に乗って表町を過ぎ、旭川にかかる鶴見橋が舞台となるのだが、個人的にめちゃくちゃ懐かしいと思ってしまう。どうやら作者は鶴見橋を渡った先にある山陽女子校出身なのだと言う。
鮎子が描く架空の男性ヒデホ。1980年という背景から、ロックバンドをやっていて、神戸大学に通い、ナナハンのバイクに乗るという、流石にアナクロに感じるナイスガイとあゆとの恋愛話を、親友となった武美が本当のことだと思い込んでしまい、ヒデホに一度会いたいと言ってくるのだが、架空であることを明かせない。
一方で、30年後の世界、岡山駅が高架になって鮎子が売れっ子漫画家として活躍する世界で、鮎子は武美と再開する。そして、高校時代の誤解を解きたいと思うものの…。
ラストは、現代の方も30年前も、ちょっとドラマチックすぎるかなあという話。
実は、買った文庫の表紙が志村貴子で、内容もぴったりだと思ったのだが、読み終えてよく見たら全面帯だった。これが本当の表紙なら良かったのに。
これから読む方は、Google Mapsで岡山の地図を見ながら読まれることをおすすめします。素直に面白いと思える一冊だった。 -
Posted by ブクログ
1980年の春から1年間のお話。
舞台は岡山市の私立岡山白鷺女子高等学校。
まるで、昭和少女漫画を読んでいるみたいだった。私が知らない時代なのに、なんとなく記憶に残る80年代、昭和の終わり。まだスマホはもちろん、携帯電話もインターネットもない時代。その場所に行かないと会えない、話せない。じっくり悩んで、眠れない夜を過ごして、うじうじしながら朝を起きて学校に行く。
もちろん、私の高校時代も携帯とかなかったので(ポケベル時代やった)、まだイメージできる。そして、小学校高学年のときに読みまくった「りぼん」の雑誌。いや、あのときよりさらに10年ほど前が舞台なので、もっと女子高生にボーイフレンドがいるとか、キスしちゃった!とか、もうキャーキャーレベルな時代やったと思う。それが、今となっては平和な時代やなあー、純粋やったなー、なんて思う。
恋愛小説ではないのに、女子高生の友情と好きな男性への恋心が、もう懐かしいくらいキュンキュンした。このキュンキュンさ、たぶん今の時代にはないように思う。
あー、昭和にタイムスリップしたみたいで楽しかった。
あと、私は岡山好きじゃけぇ~。 -
Posted by ブクログ
ここ最近になって美術に関心を持った。印象派は、美術初心者でも引き込まれる何かがある。印象派の巨匠であるモネの作品は特にそうだ。でも、その何かは上手く言葉にできなくて、画家や社会背景も理解したくて手に取った本。
原田マハさんは、始めて読んだけど、親しみやすい軽快な語り口でページがするすると進む。人気な理由が分かった。この1冊で原田マハさん、好きだ、と思った。他の作品も読みたい!
読後は、モネが生きた時代、生活にタイムスリップした感覚をもてた。遠いフランスの地、モネ聖地巡礼の旅をしてみたくなった。まずは、今度開催される企画展と、国内のモネ所蔵されている美術館巡りたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレローマへの道のラスト、教皇猊下との出会いのシーンはとても素晴らしかった。何度も挫けそうになり、命の危険さえもあり、それでも諦めずに目指した場所は、あまりにも美しい絵画で彩られている。絵師の宗達じゃなくても感動モノだと思った。ただそこから先のカラヴァッジョとの出会いからがちょーっと雑と言うか、旅の消化試合みたいになってしまったのが残念。タイトルの風神雷神も、かなり重要なポジションではあったものの、宗達が描いた風神雷神図そのものには関わらなかったのも残念ポイントだった。どうやって宗達は帰国し、どんな気持ちで絵師の仕事を続けたのか。贅沢を言うならそこまで読みたかった。