原田マハのレビュー一覧
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絵本を原作とした小説で、動物もの。犬の視点で描かれている。
犬を飼ったことがある人なら間違いなく共感できるだろう。ペットは飼い主の都合に振り回されながらも、飼い主の人生にそっと寄り添い癒してくれる存在だ。特に犬は常に飼い主の気分や体調を意識してくれ、優しい。
本書の元になったのは、死後1年経った身元不明の死体の横に犬の死骸があった話で、実話かは不明。飼い主の男性は消極的に犬を飼い始めたが、いつの間にか相棒になっていた。一緒に長い旅に出る。
犬は飼ったことがないが、飼い主が全て過ぎてプレッシャーを感じそうである。常にかまってあげなくても適当に暮らしてくれそうな猫の方が私の性に合っていると、改めて -
購入済み
絵画からここまでの小説が書ける
美術 絵画をネタにここまでの小説が書けるという作者の力量に素直に感心した。
名画 以外にミステリー ラブロマンス 他いろいろな要素をたくさん盛り込んだこの作者の代表作。
しかし何故かこの作者の文章は、私の個人的な好みになぜか合わないところがある。 -
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ネタバレ荻原一子
岡山白鷺女子高校の国語教師。創立百二十周年の記念事業実行委員。結婚してだんなの苗字と武美が字画的に合わないって占い師に言われ一子をペンネームとして使用している。
佐々岡鮎子(小日向アユコ)
岡山白鷺女子高校進学クラスZ組卒業生。人気マンガ家。アユたんはデビュー当時のニックネーム。高校入学時に小平から岡山に引っ越してきた。
南原みずの
旧姓篠山。鮎子の同窓生。
中谷純一
鮎子の恩師。三十年前は中村雅俊似のイケてる中年だった。
高畑
鮎子が二十代から通っている渋谷の美容室オーナーでスタイリスト。鮎子のひとつ年下。
あずみ
美容師見習いの男の子。
秋本武美
鮎子の同窓生。高校一 -
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ネタバレ帯文「アートで世界は変わらない?誰がそう決めたんだ?」に惹かれて購入。
某スーパーチームエンタメ映画を彷彿とさせる、軽快な場面運び。
最初は滑稽に描かれていた少年英才が、キーマンに選ばれ、奇跡の開眼を果たし、本当の自信をつけるのが良かった。全てはボス次第だったかもしれないけれど、ボスに届くほどの情熱は、きっと本物だったのだろう。
「おれたちには何もない、だからこそ、おれたちにはすべてがある。おれたちは可能性のかたまりなんだ。
いまこそ、叫ぼう。叫んでみよう。一緒に進もう。そして生き抜こう。
きっと、おれたちの目の前で、世界へのドアが開くはずだ!」 -
購入済み
19世紀末から20世紀初頭のフランスのクラシック音楽が好きで、ネットや図書館でこの時代の事を調べていましたが、音楽だけでなく絵画や芝居など芸術全般で、新しい”波”がうねっていたように思います。本書は、小説「たゆたえども沈まず」読了後に読み、フィクション部分と史実の差異など、改めて小説の理解が深まったと思います。
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原田さんのアートもの・・・ではあるのですが、いつものようなアート主軸というより、どちらかというと“人の業”が渦巻く様を描いた作品となっております。
資産家の娘で実家が所有する美術館の副館長・菜穂の視点と、彼女の夫で銀座の画廊の経営者の息子・一輝の視点が交互に綴れていく構成です。
原田さんの小説の登場人物にしては珍しく、この作品のメインキャラは我の強さや執着があったりと、所謂“いい人”ではないのですが、そんな生々しい人間たちの気持ちの変化や思惑の交差が、京都の移ろう四季の情景描写と見事に調和しているので、本来ドロドロな内容が情緒あふれる印象になっているのが流石です。
そして、ミステリアスな美貌 -
Posted by ブクログ
村上たかしさんのコミックは読んでないけれど
原作を大切にしながら小説化されたことが
伝わってくるようだった。
全てを、ほんとうに全てを失ったおとうさんに残ったのはがらくたのような宝物と
いつガス欠するかわからない車だけ。
でも、そばには犬のバンがいる。
実際、犬は“言葉”は話せないけれど
おとうさんとバンは、いつも“話”をしていた。
バンにはちゃんと伝わっていた。
さびしさも愛も。全部。
人によっては、おとうさんの人生や最期は
不幸に見えるのかもしれない。
それでも、おとうさんとバンは幸せだった。
そう、わたしは思いたい。
なにが幸せか、それは自分が決めること。
自分にとってな