原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原田マハさん自身が、芸術家の方々を手土産片手に訪問しお話ししていく短編集です。ゴッホや手塚治虫など亡くなっている方々なので、もちろんフィクションなのですが芸術家の方々の人柄が垣間見えるようでほっこりします。
ビール会社のCMの大人エレベーターを見ているような気分で読みました。
私はアートには詳しくないので、各章読む前に検索をしてその人の作品がどのようなものか知ってから読み進めました。画像で見ただけでも心が揺さぶられるような作品の数々。この本をきっかけに新しく興味の扉が開いたような気がします。東山魁夷さんとシャルロット・ペリアンさんが特に惹かれました。深掘りしていきたいと思います。
私自身はとて -
購入済み
劇中劇というのかな?革表紙の本に書かれたルソーを中心とした物語(史実を踏まえた上でのフィクション)とティムと織江の物語(フィクション)が、二重構造になっているのが面白いと思った。特に、劇中劇部分の20世紀初頭のパリ美術界の様子が生々しくて当時の熱い息吹が伝わってくるように感じた。
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Posted by ブクログ
原田マハさんの小説は、「芸術」がテーマにあるから、最初は読みにくさを感じるけど、読み進むにつれ話に引き込まれていくから不思議。
ゴッホの作品は好きだけど彼自身のことは全く知らなかったから読んでて面白かったし、ゴッホ兄弟の真の人生を知って何度も胸が痛くなった。
架空の人物、重吉がいたりとフィクションもおり混ぜてあるからどこまでが本当かはわからないけど、テオの兄への羨望と恨みが混ざった複雑な心情、フィンセントのガラスのように繊細な心が丁寧に描かれてて、これはこれでいいと思った。
ゴッホ兄弟の共依存に近い関係性は読んでて辛かったし、テオのおかれてる立場が自分と重なって、読むのをやめようかと思うほど -
Posted by ブクログ
ネタバレ2019年に京都の清水寺でマハさんが監修した「CONTACT展」(展覧会)が開催され(見にいきたかったなぁ)、本書はその展覧会の為に書き下ろされました。
今は亡き人も含め、20人の巨匠にマハさんがインタビューを行う形式で構成されています。
アート関係の小説が代表作であるマハさん。
本作はある意味でマハさんが最も書きたかった作品のような気がしてなりません。
過去の作品で主人公として描かれるのは巨匠たちの側にいる女性たち。
なぜなら、それは私の化身だからです。
憧れている画家たちについて書くからには、私自身がその人に自己投影できる存在にしたかった。
(モネのあしあとよりP 112)
で