原田マハのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ノワール小説と聞くと、犯罪や異常心理をテーマとした暗黒なストーリーを思い浮かべたが、これは黒画用紙に黒で絵を描くような見える人には見える暗黒さのように感じた。
原田マハさんの作品を読むのはこれが初めてなので、著者のもう一つの顔、禁断の小説と言われても、いまいちピンと来なかったから、この感想になったのだろうか。
大雑把な真っ暗ではなく、目を凝らすと暗闇に浮かび上がる更なる黒を美しく描いている。
特に深海魚と向日葵奇譚がホラー感があり、ぞわぞわとした黒さでよかった。
絵画に詳しくないため、実際の絵をネットで調べながらストーリーを読むと、より一層黒い世界に耽溺できるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
原田マハ『黒い絵』講談社文庫。
著者初となるノワール小説集ということだ。7編を収録。
ノワールでも原田マハは手加減しないようだ。しかし、『深海魚 Secret Sanctuary』と『楽園の破片 A Piece of Paradise』こそ、原田マハの新たな面白さを感じたが、他は並以下の出来だった。
『深海魚 Secret Sanctuary』。
ノワールを通り越してホラーの世界に誘うような短編。高校で激しい苛めに遭う真央は押入れという海の底で深海魚となる。そんな中、小学生時代に離れ離れになった友人の流花が現れ、かつてのように禁断の遊戯に没頭する。今の時代の苛めは加減を知らず、もはや -
Posted by ブクログ
タイトルからして映画好きにはたまらない。
本屋で即買い!映画的なネタが多いわけではないが、タイトルが出てくるだけでもニヤッとしてしまう。
映画館を作る会社から、映画雑誌を扱う出版社に転職をした主人公の歩。そして、映画とギャンブルが大好きな父親が家族を巻き込み振り回していくというあらすじ。
いやー、このお父さん。映画好きなのはいいが、ギャンブルで作った借金を娘に押し付けるわ、それができないと不貞腐れるわ。借金まみれなのに約束を破って麻雀するわ。。。。はぁーって感じ。
こういうのって、だらしないけど憎めない人ってパターンだが、自分的にはあまり好きじゃないなぁ。
確かに、この映画好きお父さんの