原田マハのレビュー一覧

  • 黒い絵

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    ノワール小説と聞くと、犯罪や異常心理をテーマとした暗黒なストーリーを思い浮かべたが、これは黒画用紙に黒で絵を描くような見える人には見える暗黒さのように感じた。
    原田マハさんの作品を読むのはこれが初めてなので、著者のもう一つの顔、禁断の小説と言われても、いまいちピンと来なかったから、この感想になったのだろうか。
    大雑把な真っ暗ではなく、目を凝らすと暗闇に浮かび上がる更なる黒を美しく描いている。
    特に深海魚と向日葵奇譚がホラー感があり、ぞわぞわとした黒さでよかった。
    絵画に詳しくないため、実際の絵をネットで調べながらストーリーを読むと、より一層黒い世界に耽溺できるかもしれない。

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    2025年11月25日
  • 黒い絵

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    原田マハ『黒い絵』講談社文庫。

    著者初となるノワール小説集ということだ。7編を収録。

    ノワールでも原田マハは手加減しないようだ。しかし、『深海魚 Secret Sanctuary』と『楽園の破片 A Piece of Paradise』こそ、原田マハの新たな面白さを感じたが、他は並以下の出来だった。


    『深海魚 Secret Sanctuary』。

    ノワールを通り越してホラーの世界に誘うような短編。高校で激しい苛めに遭う真央は押入れという海の底で深海魚となる。そんな中、小学生時代に離れ離れになった友人の流花が現れ、かつてのように禁断の遊戯に没頭する。今の時代の苛めは加減を知らず、もはや

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    2025年11月25日
  • たゆたえども沈まず

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    上野で開催されているゴッホ展に行ったので読んでみた。
    ファン・ゴッホ兄弟と2人の日本人画商の交流を描いたストーリー。
    ゴッホ兄弟の人生を知るには良いきっかけになったが、登場人物の心理描写が浅く、物語に厚みが感じられない。
    良くも悪くも非常に読みやすいので、もう少し読み応えが欲しかった。

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    2025年11月23日
  • 星がひとつほしいとの祈り

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    不遇に見舞われた女性が前を向く短編集。
    不倫の題材が好きじゃないが、心理描写には共感した。
    元お嬢様の老婆の話、白神山地の話が印象深い。

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    2025年11月23日
  • 総理の夫 First Gentleman 新版

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    このタイミングだったので読んでみようと思った。
    現状と重なる所や真反対の所があり、フィクションながら感心した。
    作者特有の柔らかさやクスッとさせる箇所が読んでいて心地よい。そんなに上手くいくかなっと思いながらも、この手の作品はこれで良いのだと得心した。

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    2025年11月22日
  • 黒い絵

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    著者初のノワール小説集で、闇に呑まれた人たちが狂気に染まる瞬間を描いています。
    アートミステリーの印象が強い著者の新境地が
    垣間見えた。
    読み進めていくうちに恐怖が迫ってきました。
    学校でイジメられている少女の唯一の逃げ場は、自分の部屋にある押し入れだった。
    押し入れの中で生き続ける彼女が、ある日コンビニで小学生時代の親友と出会う。
    その親友との過去の記憶が今蘇る。

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    2025年11月19日
  • あなたは、誰かの大切な人

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    6話の短編集だったが、どの話しもあまりパンチがなく、モヤモヤが残った感じで、すぐに忘れてしまいそうな内容だった。
    ただ、「最後の伝言」に出てきた、イケメンだけで自分勝手な浮気男だけは嫌な印象がすごく残った。妻が病気で入院してもどこかで遊んでいて帰って来ず、更に告別式にも顔を出さない。最後に現れて号泣すると、この男を肯定するかのような終わり方に少しイラっとしてしまった。

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    2025年11月17日
  • 〈あの絵〉のまえで

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    前向きになれそうな話。
    全体的に小綺麗にしか書かれていないので、前向きに〝なる〟話ではないかなあ。
    食べ物の描写は好きです。

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    2025年11月17日
  • キネマの神様

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    タイトルからして映画好きにはたまらない。
    本屋で即買い!映画的なネタが多いわけではないが、タイトルが出てくるだけでもニヤッとしてしまう。

    映画館を作る会社から、映画雑誌を扱う出版社に転職をした主人公の歩。そして、映画とギャンブルが大好きな父親が家族を巻き込み振り回していくというあらすじ。

    いやー、このお父さん。映画好きなのはいいが、ギャンブルで作った借金を娘に押し付けるわ、それができないと不貞腐れるわ。借金まみれなのに約束を破って麻雀するわ。。。。はぁーって感じ。
    こういうのって、だらしないけど憎めない人ってパターンだが、自分的にはあまり好きじゃないなぁ。

    確かに、この映画好きお父さんの

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    2025年11月15日
  • 新装版 翼をください【毎日文庫】

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    1939年、初めて世界一周を成し遂げた暁星新聞『ニッポン号』。
    そして、世界一周を実現しようと、太平洋上で消息をたった伝説の女性パイロット・エイミー・イーグルウィング。

    史実をもとにしたフィクション。
    淡々と進む前半。
    史実がベースだからか、なんとなく盛り上がりにかける…

    結局、エイミーはどこに行ったんだろうか…
    アメリカに帰れたのだろうか…
    何かモヤモヤが残る…

    エイミーがアメリカに帰れた証のひとつでも見たかった…
    エイミーが生きていたことは、アメリカにとっては大スキャンダルだったのだろうけれども…

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    2025年11月13日
  • 総理の夫 First Gentleman 新版

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    しなやかで美しい凜子と、ホワーンとした日和。
    現実よりサラッとしていてキレイなストーリーなんだろうけど、、、
    初めての女性総理大臣が誕生した今、小説のような世界になったらと願ってしまう。

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    2025年11月13日
  • 妄想美術館

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    美術史的価値、という観点から絵を見たことがなかったので新鮮だった。画家のことや美術館のこと、歴史のことなど話があちこち飛んで、読んでいて飽きなかった。久しぶりに美術館に行きたくなった。

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    2025年11月12日
  • 本日は、お日柄もよく

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    •スピーチライターという仕事を初めて知った。久美さんのような芯のある女性になりたいし、こと葉のスピーチにもとても感動した。言葉は人の心を良くも悪くも動かせる。良い言葉をたくさん使っていきたいなと思った。

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    2025年11月12日
  • あなたは、誰かの大切な人

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    一人で生きていく人生に、ふと寂しさを募らせた時、背中を力強く押してくれる言葉、「あなたは、誰かの大切な人」。そう思えるだけで、自信を持って生きていけるような気がする。相手にだけでなく、自分にその言葉を投げかけることで、苦しいこと、辛いことも乗り越えていける。そんなメッセージを感じる一冊だった。

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    2025年11月10日
  • 妄想美術館

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    原田マハ先生とヤマザキマリ先生が好きな美術館、おすすめ美術館、好きな作家、好きな作品などを対談形式で語る1冊。私も美術館に行くのは好きだけどそこまで詳しいわけではないので、2人のお話を面白がりながら知識を広げられて楽しかった。人が自分の好きなものを楽しげに語る姿を見るのが好き。こちらもポジティブなものをたくさん貰える気がする。2人の理想の美術館、実現して欲しいなあ

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    2025年11月10日
  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)

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    ニューヨークやオランダなど、世界各地の美術館にある絵について書かれている短編集。実現した画家の絵もあるから、そういう美術館にある絵なんだとかの発見もあっておもしろかった。
    自分も、ずっと頭に残るような、活力を得られるような特別な絵を見つけられたらいいな。

    マハさんの本読んでると、海外住みたくなる。
    解説が上白石萌音ちゃんだったのもうれしかった!

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    2025年11月09日
  • 本日は、お日柄もよく

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    「言葉の力」「言葉の暖かさ」感じた本だった。
    本としては単調な、文章が一方的に進むスピーチなのに、なんでこんなにも感動できるのだろう。
    果たして私は人の心に残る言葉をかけられてるのだろうか…。

    親友の結婚式でしたスピーチ、この本を読んでからしたかったなぁ。

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    2025年11月08日
  • 独立記念日

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    自分も好きな人とずっとひなたを歩いていきたい。
    そのためには自分にも独立記念日が必要。

    もう30歳になるのだから。

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    2025年11月05日
  • 本日は、お日柄もよく

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    いくつかの忘れたくないワードにこの本の中で出会った。


    「愛せよ。人生で良いものは、それだけである。」
    “Love, and good things in life are only that.”

    「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
    三時間後の君、涙が止まっている。
    二十四時間後の君、涙は乾いている。
    二日後の君、顔を上げている。
    三日後の君、歩き出している。どうだい?そんな難しいことじゃないだろ?だって、人間は、そういうふうにできているんだ。」

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    2025年11月05日
  • リボルバー

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    ゴーギャンとゴッホの話。この作品も、どこまでが史実でどこからがフィクション?と頭がごちゃごちゃになるほど、史実の中にフィクションが上手く溶け込んでいると思う。

    それにしても、ゴーギャンの愛人の多さにびっくり!絵描きとしてのモデルが必要だったのだろうか。でも、だからと言って、愛人にする相手が揃いも揃って子どもだった所がなあ。
    たゆたえども〜を読んで、ゴッホの絵にはとても惹かれて、特にアルル以降の作品が大好きになったのだけど、ゴーギャンのタヒチで描いた愛人たちの絵には何故か惹かれないのよね。

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    2025年11月04日