原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ原田マハ11作目。この本を片手に美術館に行きたくなった。美術館の楽しみ方がなんとなく理解できた気がする。
ハッピーバースデー
就職活動がうまくいかない女性が地元に戻って母と絵を見にいく。
窓辺の小鳥たち
カップルの話。男性が夢を追いかけて遠距離恋愛になる。
檸檬
憧れの先輩が自分の描いた檸檬にバツをつけた。電車で出会った少女は美術館で檸檬を絵の前でかかげた。
豊饒 ◎
小説家になることが夢の女性。祖母に育てられ、美術館に連れられていた。隣に越してきたおばあちゃんとの別れの日は再会の日だった。
聖夜 ◎
かつて病弱だった登山が好きな男性の夢は、白馬の森の絵を、家族と彼女と観に行くこと。 -
Posted by ブクログ
初読作家。非常に読みやすい。全ての言葉がどストレート。変にまわりくどく無く、スッと心に染み入る。こんなにも力強い文章を投げられては、あの大谷翔平も空振り三振するに違いない。
バッタースリーアウト。チェンジ。
主人公の人生は齢24にして家に引きこもりネットでイキリ母に迷惑かけてばかりいる。ついに愛想を尽かされた人生は、ある日母に捨てられる。24歳にもなって母に「捨てられる」という感覚を持つのはあまりに幼稚だ。この歳なら普通は自立していている。しかし、学生時代にいじめられた過去を持つ人生のことを思えば、まるっと彼が悪いとも言えない。
その幼稚な精神は米づくりを通じて、徐々に逞しくな -
Posted by ブクログ
ネタバレ原田マハさんの美しい芸術的な教養に富んだ文章は異国の物語を邦文に訳したような、それでいて邦文で書いた細やかで美しい情景描写や心理描写が唯一無二で、いつも私を特別な世界へ連れて行ってくれます。ただ、本作は舞台が日本と言うこともあり、少し感じ方が違いました。
日本初の女性総理である凛子は美しく聡明で、ソウマグループという日本屈指の大企業という太い実家のバックボーンを持つ相馬日和を夫に持つ。その美貌は周囲の耳目を集めるのに十分すぎるほどで、それでいて本人はその評判に頓着しない。高潔で精錬な精神を胸に、愚直に政治道をまっすぐ進もうとする。
日本初の女性総理大臣になろうとする人はここまで完璧じゃない