原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ美術に造詣の深い方とあって、登場する絵画も京都の情景描写も素敵。ただ、肝心のお話が……?
【己の美学を貫いた女性が、他の人の助けを借りながらも、しがらみを振り切って前に進んでいく話】とすれば非常に聞こえは良いんだけれども、彼女がしがらみとして捨て去った中には自分のことを少なからず考えてくれてもいた旦那もいて、自分の子で無くとも育てあげた父がいて……。
言動が、社会の事と周り(家族)が見えて無いお嬢ちゃんって感じ。著者・原田マハが述べた【強い女性】はそこにいない。いうなれば【気骨のある甘ったれお嬢様、我が道を行く】です。
姉妹が赤子を挟んで笑いあう最後も素敵なんだけれども、うーん。本当にそれで良いの?
このままなら菜穂は、成長した己の娘にしっかり怒られる日が来ると思う。 -
Posted by ブクログ
6編からなる短編集!
各編にアート作品とそれが見れる美術館が出てきます。
美術館には行けないので、全作品、ググってみてみました。
マハさんのアート系の物語は物語だけでなく、こうやってアートの世界にも視野が広げられるのが良いですね。
■ハッピー・バースデー
ゴッホの「ドービニーの庭」(ひろしま美術館)
就職活動でうまくいかず、広島に戻った時に思い出したドービニーの庭
母親の愛は偉大です!
■窓辺の小鳥たち
ピカソの「鳥籠」(大原美術館)
長く同棲をしていた二人。正直、この男はしょうもないって思いましたが、そんな二人に新たな旅立ち。
おれらは、かごの中にいるわけじゃない。自由に飛んでいけるんだ
いいね!
■檸檬
セザンヌの「砂糖壺、梨とテーブルクロス」(ポーラ美術館)
大好きだった先輩の闇。そこで絵をやめた主人公が再び絵を描くことに。
■豊饒
クリムトの「オイゲニア・プリマフェージの肖像」(豊田市美術館)
亡き祖母の「あきらめるな」のメッセージのもと、作家になることを目指していた亜衣。隣に越してたおばあさんとの出会いが彼女の生活を変えていきます。
おばあさんの正体がちょっと面白かった。この捻りは好き(笑)
この物語は6編の中で一番好きです。
■聖夜
東山魁夷の「白馬の森」(長野県立美術館・東山魁夷館)
10年前に雪山で失った息子を想う夫婦の物語
当時の婚約者からの手紙、そして絵を通して暖かい気持ちになります。
■さざなみ
モネの「睡蓮」(地中美術館)
退院前日のベッドでみたテレビ番組。そこで紹介された睡蓮を見に直島へ
モネからパワーをもらい、新たな一歩へ
いずれの物語も、マハさんの物語でたびたび出てくる「アートのパワー」を感じさせる物語でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレMoMAのキュレーターである日本人女性の視点から描いた現代パートと、ピカソの恋人で共に第二次世界大戦を経験したドラ・マールの視点から描いたパートで構成されている。
文章自体は読みやすいが、それぞれのパートの中身が、こういうことがあった、経緯はこういうことだった…という構成が繰り返し使われており、また過去に戻るのかよ…という読み物としての飽きはあった。あとは原田マハってこんなにポエミーだっけ…と思ったりした。
全体として、「ゲルニカ」という作品やアートが持つパワーやメッセージ、アートの役割といったところを教えてくれる作品ではあるが、現代社会においても変わらない部分はありつつ、与える影響の大きさやメッセージの伝わり方は変化しているのだろうなと思う。
インターネットで自分の好きなものを好きなだけ見れる時代、多種多様な考え方が否定されにくい時代に、アートに自分から触れに行ったり、戦争という心に負担を与えるものにどれだけの人がエネルギーを使って向き合えるのか、疑問に思う。