原田マハのレビュー一覧

  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)

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    美術館には年に一度も行かないけれど、好きな場所です。雑誌や画集ではない、本物の絵と対峙する緊張感、生々しい絵画の生命力を感じる事が出来る場所だと思います。美術と小説、私には贅沢な時間があっという間に過ぎ去りました。

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    2025年12月03日
  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)

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    原田マハさんのアートにまつわる
    短編小説。

    アートと、人と人とのつながり。
    出会いも別れも、アートが紡ぐ数々の
    ストーリーは儚くもあり、優しくもあった。

    短編であるがゆえに、一つ一つの物語の
    続きをもう少し読みたい!と思わせてくれた。

    最後の章が個人的にいちばん感動した。
    東山魁夷という画家の「道」という絵は、
    とても優しい色で一本の道が描かれていて、
    実物をぜひ見てみたいものである。

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    2025年09月15日
  • モネのあしあと

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    私もモネの絵は好きです。 でもどのような人生をだったのかとか時代背景については知りませんでした。 この本の原田さんの言葉で最も印象に残ったのは「モネの絵を見て不幸せな気分になる人はいません。苦しみや悲しみを作品にしないという覚悟がモネにはあったのではないかと思う」です。

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    2025年09月14日
  • ロマンシエ

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    最初は少しずつしか読み進められず…。でも後半の展開で泣けて、応援して、言葉が刺さって、自分もこのままでいいんだ、がんばろうって思えた。パリに滞在した気分にもなるし。好みは分かれるかもしれないけど、私は好き。

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    2025年09月14日
  • キネマの神様

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    近頃、読書ばかりでめっきり映画を観なくなったけど、この本を読んで久しぶりに映画を観たくなった。最後の作品は何なのかなぁ。ネットで探してみよう。
    心温まる素敵なお話で一気読み。ホラー漬けの読書の息抜きとなった。(笑)
    たまにはこんなのも良いね。
    映画も賭け事も好きで借金もある破天荒なお父さん。自分勝手だけど魅力的で憎めない。
    映画好きが功を奏して、評論を書き始める事に。そして大ブレイク。一生を通して好きなモノがあるって素晴らしい。
    家族や友人との関係も温かい。お父さんが周りから助けられているようで、実は周りの人にチカラを与えてくれる存在なんだよなぁ。
    良いなあ。長生きしていつまでも大好きな映画を

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    2025年09月13日
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

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    うつくしい墓:マティスに仕えた家政婦による追想、マティスとピカソの合流が描かれる
    エトワール:ドガの最大の理解者メアリーカセットによる追想
    タンギー爺さん:タンギー爺さんの娘からセザンヌへの手紙という形でタンギー爺さんのセザンヌへの心酔ぶりが描かれている
    ジヴェルニーの食卓:モネの後妻アリスの娘ブランシュとモネの生活がブランシュが作る食事を交えながら描かれる

    個人的にはタンギー爺さんの章が一番好き。タンギー爺さんの天真爛漫さ、こんな純粋な人がいるのかしらと思うし、この時代にタンギー爺さんの庇護がなければ名作たちは残らなかったのではないか、とすら思う。

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    2025年09月13日
  • あなたは、誰かの大切な人

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    海外での話も多く、風景を想像して「素敵だろうなぁ」「行ってみたいなぁ」と思いながら読み進めた。"あなたは、だれかの大切な人"がそっと優しく書かれていてよかった。

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    2025年09月12日
  • スイート・ホーム

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    昨今の殺伐としたニュースに
    毎日のように晒されていると、心が
    どうにもささくれ立っちゃいますよね。

    本作に登場する老若男女
    それぞれの人物の心の触れ合いに、
    読み手のこちらが思わず
    ほろっと来てしまう場面も多数あって
    幸せな気分に浸るのでした。

    本作は「心を癒す小説」と言っても
    よいのではないかなと思いました。

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    2025年09月10日
  • リボルバー

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    ネタバレ

    原田マハさんの本格ミステリー小説。以前最果ての彼女を読んだが、ほのぼのできるストーリーであったのでギャップがすごいと思った。

    内容は、小さなオークションサイトに勤務する冴の元に一丁の寂れた銃を鑑定するところから始まる。その銃はかつてゴッホを撃ち抜いたとされる銃であると依頼人は主張する。
    実際にゴッホを撃ち抜いた(自殺か他殺かは不明)銃はこの世に存在するのだろうか?と思いながら読んでいた。画家の作品以外にも有名な画家にまつわる品も価値を生むのだと再認識した。

    もう一つのリボルバーとして、このリボルバーがゴッホと関係があるものなのかを調査する中で、ゴッホとゴーギャン、テオに関する事実に触れてい

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    2025年09月12日
  • 旅屋おかえり

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    ネタバレ

    テレビタレントとして挫折した主人公・丘えりかが、旅の代行業「旅屋」を始め、日本各地へ旅に出る物語。依頼人の「人生の節目」に立ち会い、代わりに旅をする中で、えりかは様々な人々と出会い、自身の生き方を見つめ直す。

    ・・・
    私も旅行は好きですし、地方に行って、地のものを頂く、美しい風景に出会う、こういうのは好きです。

    本作はそんな「旅」を仕事にしてしまう落ちぶれたタレントとその事務所の話であります。

    旅の情景やテレビ撮影の裏方(あと零細芸能事務所の作り?)が分かって面白かったのですが、ストーリー展開はやや安易に過ぎたのかな、という印象を受けました。

    ひねくれた中年おじさんは、こうした作品を素

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    2025年09月07日
  • 異邦人

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    この小説は画家が主人公ではない。絵画を扱う側画廊の二代目篁一輝とその妻で美術館副館長の篁菜緒、無名の女性画家白根樹を中心に話は進む。

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    2025年09月06日
  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

    5人の作家さんが恋愛をテーマに描いた短編集。年齢も様々な登場人物が物語を動かしている。人の数だけ恋愛の形があると感じさせてくれる本。特に原田マハさんの「ドライビング・ミス・アンジー」が面白かった。甘くて、切ない。

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    2025年09月05日
  • さいはての彼女

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    文章が読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。
    いずれも女性が主人公の四つの短編からなる本。
    順位をつけるとすれば「風を止めないで」が一番好きかな。現れた男にお母さんが簡単に心が動きすぎのようにも思ったけれど、そういうこともあるだろう。人間だもの。

    全体として悪くない話なのだが、このレベルの小説は正直たくさん読んできたとも感じた。
    悪くはないけれど、特別よくもない、ということで星3つ。

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    2025年08月31日
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)

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    ピカソの「ゲルニカ」の来歴がわかる話だった。
    途中までは話がどう動き出すのかわからず、少々退屈だった。
    最後にかけてどんどん動いていく感じ。
    史実を元にフィクションが展開されてはいるけれど、
    ピカソの歴史を知れるのは面白く、芸術に対して並々ならぬ熱量を注ぐ人たちの姿は、見ているこちらも心を打たれた。

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    2025年08月30日
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

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    ゴッホに恋した男に恋した、妻チヤの語る
    棟方志功の物語。
    前半は、棟方志功の変人ぶりがよく分かる
    エピソードだった。
    「わだばゴッホになる」ゴッホの絵に魅力され、
    そう口にした夫を支えつづけるチヤ。
    ‥と書けば、ただ耐えるだけのような女性に思えるが、チヤはそんな女性ではない、行動力のある女性だ。子が生まれても、少しも自分達を呼び寄せない
    夫に業を煮やし、自分から棟方の元へと向かう。
    時には喧嘩になり、激しい口論を繰り広げながらも夫婦の絆は強くなっていく。
    女性は強いな‥とつくづく思う。
    いや、強くなければ、棟方志功という人間に
    ついていくことはできなかったのかもしれない。

    棟方志功は、柳沢宗

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    2025年08月29日
  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)

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     登場人物が一枚の絵をきっかけに人生の悩みを乗り越える短編集である。
     絵画を題材とした内容であるが、絵画の知識がない人にもおすすめしたい。なぜなら、絵画の楽しみ方が分かると思うからだ。
     本書は、キャラクターそれぞれが現在の自分の人生と絵画のメッセージ性を関連させており、思索に入り込んでいる描写が多い。私が美術館に行った時も、同じような鑑賞の仕方をした。悩んでいることに対して、何かしら意味を見出し、前に進もうとすることができる。
     また、常設展示室というタイトルは、本書の構成の面から見ても、ぴったりだと感じた。いつでも作品を見ることができ、昔見た作品をを見かける場面に遭遇する人が多いためであ

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    2025年08月27日
  • 小説 星守る犬<新装版>

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    ネタバレ

    犬との絆が素晴らしく、自分も実家の犬をもっともっと目一杯愛そうと思いました。
    でもお父さんのセルフネグレクト感が否めなく、あまり物語に没頭できない所もありました。最後にハッピーがお腹空いたり、人間に殴られたり、お父さんが適切に助けを求めていたらと思わずにはいられませんでした。あとがきの原田マハさんの犬がどこかに行ってしまった話も、家族の雰囲気を察知して出て行ったと美化しているけど、野犬として生きていくのは大変だし、なんだか無責任にも感じてしまいました…うーん、いい話の部分と引っかかる所と両方あるお話でした。

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    2025年08月27日
  • ジヴェルニーの食卓

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    フランスに旅行に行ったあとだったので、
    より鮮明にイメージが湧いてきた。

    ただ、あまりハマらなかったかな〜

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    2025年08月26日
  • キネマの神様

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    今や、流行りの映画や人を集客するための作品を流す、大衆的な映画館が多い中、こじんまりとした、古き良き映画館が舞台の作品。
    自分も行ってみたいなあ。

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    2025年08月25日
  • ジヴェルニーの食卓

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    モネ、マティス、ドガ、セザンヌにフォーカスした短編集。
    殆ど原田マハさんの小説で西洋美術史を学べてるので、また新たな巨匠ストーリーを読めて嬉しかったです。
    多彩な美しい文章表現が多く見られて、上品な印象の一冊でした。
    特に本のタイトルにもなっている『ジヴェルニーの食卓』は、モネが過ごした自然に囲まれた庭やお料理の描写が豊かで、温かい気持ちで読めました。
    国立西洋美術館のモネ展に行ったので、よりリアルに情景が浮かんでモネのお庭にいるような気分でした。
    ストーリーには強烈なインパクトはなく淡々としているので、初めて原田マハさんのアート小説を読む方はこれからじゃない方がいいと思います。

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    2025年08月20日