原田マハのレビュー一覧
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近頃、読書ばかりでめっきり映画を観なくなったけど、この本を読んで久しぶりに映画を観たくなった。最後の作品は何なのかなぁ。ネットで探してみよう。
心温まる素敵なお話で一気読み。ホラー漬けの読書の息抜きとなった。(笑)
たまにはこんなのも良いね。
映画も賭け事も好きで借金もある破天荒なお父さん。自分勝手だけど魅力的で憎めない。
映画好きが功を奏して、評論を書き始める事に。そして大ブレイク。一生を通して好きなモノがあるって素晴らしい。
家族や友人との関係も温かい。お父さんが周りから助けられているようで、実は周りの人にチカラを与えてくれる存在なんだよなぁ。
良いなあ。長生きしていつまでも大好きな映画を -
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うつくしい墓:マティスに仕えた家政婦による追想、マティスとピカソの合流が描かれる
エトワール:ドガの最大の理解者メアリーカセットによる追想
タンギー爺さん:タンギー爺さんの娘からセザンヌへの手紙という形でタンギー爺さんのセザンヌへの心酔ぶりが描かれている
ジヴェルニーの食卓:モネの後妻アリスの娘ブランシュとモネの生活がブランシュが作る食事を交えながら描かれる
個人的にはタンギー爺さんの章が一番好き。タンギー爺さんの天真爛漫さ、こんな純粋な人がいるのかしらと思うし、この時代にタンギー爺さんの庇護がなければ名作たちは残らなかったのではないか、とすら思う。 -
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ネタバレ原田マハさんの本格ミステリー小説。以前最果ての彼女を読んだが、ほのぼのできるストーリーであったのでギャップがすごいと思った。
内容は、小さなオークションサイトに勤務する冴の元に一丁の寂れた銃を鑑定するところから始まる。その銃はかつてゴッホを撃ち抜いたとされる銃であると依頼人は主張する。
実際にゴッホを撃ち抜いた(自殺か他殺かは不明)銃はこの世に存在するのだろうか?と思いながら読んでいた。画家の作品以外にも有名な画家にまつわる品も価値を生むのだと再認識した。
もう一つのリボルバーとして、このリボルバーがゴッホと関係があるものなのかを調査する中で、ゴッホとゴーギャン、テオに関する事実に触れてい -
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ネタバレテレビタレントとして挫折した主人公・丘えりかが、旅の代行業「旅屋」を始め、日本各地へ旅に出る物語。依頼人の「人生の節目」に立ち会い、代わりに旅をする中で、えりかは様々な人々と出会い、自身の生き方を見つめ直す。
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私も旅行は好きですし、地方に行って、地のものを頂く、美しい風景に出会う、こういうのは好きです。
本作はそんな「旅」を仕事にしてしまう落ちぶれたタレントとその事務所の話であります。
旅の情景やテレビ撮影の裏方(あと零細芸能事務所の作り?)が分かって面白かったのですが、ストーリー展開はやや安易に過ぎたのかな、という印象を受けました。
ひねくれた中年おじさんは、こうした作品を素 -
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ゴッホに恋した男に恋した、妻チヤの語る
棟方志功の物語。
前半は、棟方志功の変人ぶりがよく分かる
エピソードだった。
「わだばゴッホになる」ゴッホの絵に魅力され、
そう口にした夫を支えつづけるチヤ。
‥と書けば、ただ耐えるだけのような女性に思えるが、チヤはそんな女性ではない、行動力のある女性だ。子が生まれても、少しも自分達を呼び寄せない
夫に業を煮やし、自分から棟方の元へと向かう。
時には喧嘩になり、激しい口論を繰り広げながらも夫婦の絆は強くなっていく。
女性は強いな‥とつくづく思う。
いや、強くなければ、棟方志功という人間に
ついていくことはできなかったのかもしれない。
棟方志功は、柳沢宗 -
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登場人物が一枚の絵をきっかけに人生の悩みを乗り越える短編集である。
絵画を題材とした内容であるが、絵画の知識がない人にもおすすめしたい。なぜなら、絵画の楽しみ方が分かると思うからだ。
本書は、キャラクターそれぞれが現在の自分の人生と絵画のメッセージ性を関連させており、思索に入り込んでいる描写が多い。私が美術館に行った時も、同じような鑑賞の仕方をした。悩んでいることに対して、何かしら意味を見出し、前に進もうとすることができる。
また、常設展示室というタイトルは、本書の構成の面から見ても、ぴったりだと感じた。いつでも作品を見ることができ、昔見た作品をを見かける場面に遭遇する人が多いためであ -
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モネ、マティス、ドガ、セザンヌにフォーカスした短編集。
殆ど原田マハさんの小説で西洋美術史を学べてるので、また新たな巨匠ストーリーを読めて嬉しかったです。
多彩な美しい文章表現が多く見られて、上品な印象の一冊でした。
特に本のタイトルにもなっている『ジヴェルニーの食卓』は、モネが過ごした自然に囲まれた庭やお料理の描写が豊かで、温かい気持ちで読めました。
国立西洋美術館のモネ展に行ったので、よりリアルに情景が浮かんでモネのお庭にいるような気分でした。
ストーリーには強烈なインパクトはなく淡々としているので、初めて原田マハさんのアート小説を読む方はこれからじゃない方がいいと思います。