原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
天正遣欧少年使節団と、伴って一緒に旅をする俵屋宗達の物語後編です。ヨーロッパに辿り着いた一行が、ローマに至るまでに出会うものとは。訪れる場所場所で歓待を受けることになるのですが、そのためにかえって行動に制限がかかってしまい、それが物語終盤に思わぬ行動を導くことになります。そして東の絵師である俵屋宗達は、西の絵師に出会うことになります。物語のクライマックス、荘厳な絵画の前で出会った2人の絵師と風神雷神。この感動は時を刻み、現代にいたって再発見されることになります。時を経た感動の物語を、小説ならではの想像力で生き生きと感じることができます。あったかもしれない歴史に興奮しながら読ませて頂きました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ京都の情景描写が美しく、ラスト50pくらいまでは大きな展開もないまま進むにも関わらず読ませてくるのは流石。
ラストは一気に種明かしなのだけど、明かされたところで菜穂の身勝手な印象は拭えないし、ただただ一輝が可哀想だった。
いや、義母(のはずだった人)と関係を持つのは確かにあり得ないし気持ち悪い。
菜穂の感じていた疎外感もわかる。
けれどそれは自分の出生を夫にも隠し、実親でもない2人に感謝もせず、自身の審美眼だけを信じ周りを振り回してきたのだから疎外されるのも当然。
一輝だって好きであんなことしたわけではないし、、
と、モヤモヤしか残らないラストでした。
皆さん感想がそれぞれで、見る人によっ -
Posted by ブクログ
一瞬で読んでしまいました
気になって絵をネットで検索したら、それぞれの話と合って、物語の主人公たちの目線で想像することができました。
絵から感じとることは見る人によって違って、どの絵もそりゃ素敵なんだけど、
ある人にとってはその絵が思い入れがあって、それが一番魅力的で、それはその人の過ごした時間とか経験から繋がっているかもしれなくて、
一枚の絵の前で立ち止まってしまうのは、絵と対話したり、もしくは絵を超えて思い出をみていたりするのかもしれないと思いました。
なんにせよ絵を描いた人の気持ちは解説を読んでもわからないから、刺さる絵を好きに見て好きなように捉えられることができるのがいいと思いました。 -
Posted by ブクログ
画家エドヴァルド・ムンクのスケッチやノート、手紙などから抜粋した文章をまとめ、原田マハが翻訳している一冊。
ムンク美術館の記載にもある通り、そして本書内でも記載があったが、ムンク自身が自伝的な文章をまとめて売ろうと考えていたこともあり印象に残るような文章を書いている、ように思う。というのは私は翻訳でしかそれを読むことができないからだ。本書だと原田マハの翻訳に依存しているわけなので、断言ができない。ただ美術館側も評価しているので間違いないことなのだろう。
彼の記述の中で、一番面白いなと思ったのは絵画の説明、解説なんて書けないよの部分。言語化できないから、絵をかいて伝えようとしているのに、と。絵画