原田マハのレビュー一覧
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ゴッホに恋した男に恋した、妻チヤの語る
棟方志功の物語。
前半は、棟方志功の変人ぶりがよく分かる
エピソードだった。
「わだばゴッホになる」ゴッホの絵に魅力され、
そう口にした夫を支えつづけるチヤ。
‥と書けば、ただ耐えるだけのような女性に思えるが、チヤはそんな女性ではない、行動力のある女性だ。子が生まれても、少しも自分達を呼び寄せない
夫に業を煮やし、自分から棟方の元へと向かう。
時には喧嘩になり、激しい口論を繰り広げながらも夫婦の絆は強くなっていく。
女性は強いな‥とつくづく思う。
いや、強くなければ、棟方志功という人間に
ついていくことはできなかったのかもしれない。
棟方志功は、柳沢宗 -
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登場人物が一枚の絵をきっかけに人生の悩みを乗り越える短編集である。
絵画を題材とした内容であるが、絵画の知識がない人にもおすすめしたい。なぜなら、絵画の楽しみ方が分かると思うからだ。
本書は、キャラクターそれぞれが現在の自分の人生と絵画のメッセージ性を関連させており、思索に入り込んでいる描写が多い。私が美術館に行った時も、同じような鑑賞の仕方をした。悩んでいることに対して、何かしら意味を見出し、前に進もうとすることができる。
また、常設展示室というタイトルは、本書の構成の面から見ても、ぴったりだと感じた。いつでも作品を見ることができ、昔見た作品をを見かける場面に遭遇する人が多いためであ -
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今年はゴッホイヤーとの事で各所でゴッホ展が開催されているようですね。今朝のニュースで知りました。大阪は今月末で終了・・・・うーん、遅かった。
『たゆたえども沈まず』でアート小説の面白さを知り、おかげさまで私のゴッホ知識は全て原田マハ氏からご伝授いただきました。いつか酒席でゴッホについて能書きを垂れてみたいと思っております。お前ら待ってろよ。
ゴッホは拳銃自殺との説が有力でありながら、まだ真相は解明されていないのが事実で、そこで今回はゴーギャンがやっつけたんちゃうん?説で話が進みます。いや、これゴーギャンでしょ。ゴーギャン確定でいいです。お疲れ様でした。
もちろんフィクションです。『たゆた -
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モネ、マティス、ドガ、セザンヌにフォーカスした短編集。
殆ど原田マハさんの小説で西洋美術史を学べてるので、また新たな巨匠ストーリーを読めて嬉しかったです。
多彩な美しい文章表現が多く見られて、上品な印象の一冊でした。
特に本のタイトルにもなっている『ジヴェルニーの食卓』は、モネが過ごした自然に囲まれた庭やお料理の描写が豊かで、温かい気持ちで読めました。
国立西洋美術館のモネ展に行ったので、よりリアルに情景が浮かんでモネのお庭にいるような気分でした。
ストーリーには強烈なインパクトはなく淡々としているので、初めて原田マハさんのアート小説を読む方はこれからじゃない方がいいと思います。