原田マハのレビュー一覧
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ネタバレエピローグの彩の気持ちがまんま原田マハさんの気持ちなんだろうな。
こうだったらいいな、を大胆に小説にした感じですね。
実際はどうだったんだろうって気になるタイプなので、もっと答え合わせ解説がほしい〜。
原田マハ公式HPの、マハの展示室『風神雷神』インタビューとか、トークイベント「いまひとたびの『風神雷神』」を読んですこしスッキリ。
ほんとうに織田信長が「ローマの洛中洛外図」を命じたなら、なんていうロマンだろうと思うし、宗達とか永徳が描いたそれを見てみたいって思う。
こんど皇居の三の丸尚蔵館に永徳の『唐獅子図屏風』を、京都の養源院に宗達の『白象図』『唐獅子図』をみにいこう。
天正遣欧少年使 -
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原田マハさんのひと味違うアート小説
香港が舞台で、ジャクソン・ポロックの幻の傑作がサザビーズのオークションに出される‥
アーティストを目指す高校生と謎のアートに関わる組織のお話です。
アートも詳しくないし、ましてオークションなんて未知の世界だから、読んでいてわくわくおもしろかったです。
「傑作が生まれたそのときがどんな時代だったのかを知ることは、アーティストや作品を理解するのに大いに役立つ。ちょっとした思いつきや偶然で生まれる作品の中にも優れたものはもちろんあるけれど、ほんとうの傑作には、アーティストが肌身で感じていた時代の空気が綿密に盛り込まれている。アーティストが何を感じ。どんなふうに -
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人気漫画家になっていたアユコは、30年ぶりに母校の記念行事で講演をするために高校時代を過ごした岡山を訪れる3日間の物語。
彼女を招いたのは母校の女子高で教師をしていた武美だった。彼女は1年生の終わりに転校していった親友だった。
また同級生たちも集まり前々日には同窓会も行われるし、翌日にはサプライズサイン会とか、でーれー素敵な物語でした。
ストーリーは現在と80年代の岡山を行き交いながら母校での講演へと繋がっていきます。変わらないものは市内を走る市電に洋菓子店「白十字」のチーズケーキに鶴見橋。この橋はアユコが2次元の恋人ヒデホと待ち合わせた場所だった。アユコが描いた恋愛漫画を見てしまった武美が「 -
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前に前に進んでいく清々しさ。
普段のマハさんのミステリテイストが少なく、現代においては巨匠とも呼ばれる、当時の名もなき若者たちの熱い想いにじんとくる。
民藝のなんたるかが少しわかった気がする。
数年前に訪ねた世田谷美術館で見た北大路魯山人の茶器(湯呑み)、ガラスケースの中に展示されていたものの一つが気に入り、「これでお茶が飲みたい」と思ったことを思い出す。
ガラスケースに入ったら最後、二度とお湯を注がれ、人の手に包まれ、唇に触れることなんてないであろう。
その器は、果たして幸せなんだろうか?
芸術、生活に根ざした器、どちらが上ということはないんだけれどね。