原田マハのレビュー一覧
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表紙の肖像画が印象的な、原田さんのアートフィクション。
終戦直後の沖縄へ軍医として派遣された、若き精神科医のエドワード。
ある非番の日、島内を同僚とドライブしていたエドワードは、〈ニシムイ・アート・ヴィレッジ〉という画家たちが暮らす集落に辿り着きますが・・・。
冒頭で「アート“フィクション”」と書きましたが、この作品は実話がベースとなっているとのことです。
表紙の肖像画のモデルとなった、スタンレー・スタインバーグ博士と、この絵を描いた玉那覇正吉さんをはじめとした〈ニシムイ美術村〉の芸術家たちとの交流が実際にあったということが、この物語の内容に深みを与えているように思います。
勿論、アメリ -
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終戦直後の、アメリカ支配下の沖縄が舞台。
米軍精神科医のエドやその同僚と、首里の丘に「ニシムイ美術村」を作って寄り集まって住んでいる画家たちの交流が主なストーリー。
謝辞を読むと、実際にサンフランシスコ在住で沖縄米軍基地で精神科医として戦後過ごした人物に取材して書かれたようなので、実話をもとにしたものだった。
支配するものされるもの、勝ったもの負けたもの、、、そういったものは芸術を前にした交流においては意味をなさなくなる。
また、沖縄は確かに日本の一部なのに沖縄人はまるで日本を憎んでいるかのようであり、犠牲者をたくさん出したアメリカのことを解放者として受け入れている節がある…との文章に、沖 -
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「夏を喪くす」はこの短篇集に収録されているうちの1篇のタイトル。
意図があるかどうかは分からないけど、収録されている4篇すべてに「喪う(失う)」要素があったように感じた。あらゆる意味での、「喪う」ストーリーたち。
その中でも表題作の「夏を喪くす」は一番分かりやすい。実年齢より若く美しいことをアイデンティティとして生きてきたアラフォーの主人公・咲子が、乳がんになり、乳房を全摘出しなければならなくなる。夫との関係はもうとっくに破綻していて、歳の離れたステディな不倫相手はいるものの…という物語。
女性にとっての象徴を喪うということ。とくに美しさをアイデンティティとしてきた咲子にとっては、女性である -
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ネタバレエピローグの彩の気持ちがまんま原田マハさんの気持ちなんだろうな。
こうだったらいいな、を大胆に小説にした感じですね。
実際はどうだったんだろうって気になるタイプなので、もっと答え合わせ解説がほしい〜。
原田マハ公式HPの、マハの展示室『風神雷神』インタビューとか、トークイベント「いまひとたびの『風神雷神』」を読んですこしスッキリ。
ほんとうに織田信長が「ローマの洛中洛外図」を命じたなら、なんていうロマンだろうと思うし、宗達とか永徳が描いたそれを見てみたいって思う。
こんど皇居の三の丸尚蔵館に永徳の『唐獅子図屏風』を、京都の養源院に宗達の『白象図』『唐獅子図』をみにいこう。
天正遣欧少年使 -
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原田マハさんのひと味違うアート小説
香港が舞台で、ジャクソン・ポロックの幻の傑作がサザビーズのオークションに出される‥
アーティストを目指す高校生と謎のアートに関わる組織のお話です。
アートも詳しくないし、ましてオークションなんて未知の世界だから、読んでいてわくわくおもしろかったです。
「傑作が生まれたそのときがどんな時代だったのかを知ることは、アーティストや作品を理解するのに大いに役立つ。ちょっとした思いつきや偶然で生まれる作品の中にも優れたものはもちろんあるけれど、ほんとうの傑作には、アーティストが肌身で感じていた時代の空気が綿密に盛り込まれている。アーティストが何を感じ。どんなふうに