原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『リボルバー』と同じ「型」だなと読み始めて思った。
時系列で言えばリボルバーの方が後に書かれた作品ですが。
物語の始まり方、実在のアート作品に謎が…それが解き明かされていく。という大枠。
その中のストーリーは原田マハさんのアートに関する知識力とストーリーを広げる能力が遺憾無く発揮されてオリジナリティ溢れるけれど大枠はすでにリボルバーで読んだものかと読み始めた時は少し気分が下がった。
ただ読み始めるとどんどん引き込まれ、ページをめくる手が止まらない。
日本史の授業で見知った単語、出来事、人物にこんな個性が、こんな裏側があったのかと驚いた。
もちろんわかっている。フィクションだと。
でも、教科 -
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舞台は岡山。なのに自分が過ごした水戸のような感覚になる。
高校時代、水戸の宮下銀座にあった喫茶店によく行った。確か「ポニー」だったように思う。
昔の喫茶店には自由ノートがあって、そこに胸の想いを綴ったりした。会ったこともない人達ともそのノートでやりとりし、繋がった。今でいうSNSのように。
一年前亡くなった親友とも訪ねたことがあった。正確にいうと時間差で訪ねた。そこには彼の青春の傷みが綴られていた。私を待ちながら。
この話は青春小説である。
瑞々しいという形容がぴったりの。
「ワダカマリという名の奇妙な岩がごろりと転がったまま」のこともある。
小さな誤解が、嘘が、大きなワダカマリに変身して何 -
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取材のために外国を飛び回るマハさんなのに、日本大好きな私には日本のエッセイがお好みらしい。
原田マハさんの純喫茶の定義、「入り口に小便小僧、薄暗い、クラシックが流れている。」お父さんが子ども時代に連れてってくれたらしい。9時まで入ればトーストとゆで卵がつく!
私にとっては、モーニングがある、薄暗い、ナポリタンが美味いかな?
原田マハさんが牡蠣の生まれ変わりだとは。
牡蠣フライ、牡蠣の土手鍋までは許せるが、生牡蠣は絶対無理だ。ニュージーランドに初めて行った時、最後のツアーディナーが生牡蠣だった時の落胆は忘れられない。
礼文島の店、「海鮮処かふか」も面白い。
私もカフカの変身にあやかったと思 -
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これが『キネマの神様ディレクターズ・カット』の文庫なんですね〜!
単行本を読もう読もうと思っていたのですがね
間の映画を観ずに、二つの小説『キネマの神様』と『お帰り キネマの神様』を読みました
話は全く別物でした
初めはそう思っていました
しかしどちらも登場人物はほぼ同じで、内容も前作同様「映画愛」と「家族愛」を謳っています
そしてゴウがもたらす奇跡によって、家族の絆が再び結ばれていく様は、どちらの小説も感動的でした
もちろん読んだあとも心温まるものでした
小説が映画化されて、映画が小説化されて、全く別の話が生まれるなんてと驚きですが、両作のテーマがぶれていない所が素晴らしいなと思いま -
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憧れて手に入れた仕事にも嫌な事はある。
こんな仕事辞めてやる!という仕事の中に、
笑顔になる一瞬がある。
生活の為に働くのだから割り切る、
という考えもある意味正解だと思うし、
この仕事が天職だと思っていたのに、
向いてないって挫折する事も多分ある。
大変そうだね、と言われる仕事に、
笑顔で楽しげに関わる人もいる一方で、
誰もが羨む職業に就いているのに、
人知れず悩んで塞いでいる人も多分いる。
早期退職に憧れた時期もあったけど、
社会の片方にしかいられない人生が楽しいのか、
自信がなくなってきた。
助け合って社会を作って生きていく上では、
誰もが自分の役割を「ちゃんと」する事が、
大事なの -
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ネタバレマハさんの旅が気に入った!
目的地に行こうと決めても、何も調べない。
まっさらな頭とすっぴんの心で訪れる。
私の好きな旅もおんなじだ。
必要最低限の情報以外はインプットしない。
旅は知らない街の角を曲がること
誰かがそう言っていた。
小田実さんか永六輔さん。
でもこの二人ならきっと言う。
何でも見てやろう精神の二人だから。
気心が知れた友との「ぼよグル」も
ゴッホの背景を訪ねる旅も
カフーとの出会いも面白い。
餃子の生まれ変わりなんかもいい。
私だったらどうだろう。
餃子、麻婆豆腐、カレー、茶碗蒸し、チョコ この中のどれかの生まれ変わりだろう。今まで口にしたもので一番美味しかったのは、早 -
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私の中では、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』('88)と小説『キネマの神様』('08)は、セットになっています。
トルナトーレの上記名作映画は、モリコーネの哀愁漂うメロディとともに、不動のマイベストです。その後、原田マハさんの上記小説を読んだ際、映画がオーバーラップし、心揺さぶられたのでした。
個人的には、原作からの映画化では「映画は観ない派」で、映画『キネマの神様』も観ていません。
加えて、①原田マハ原作小説→②山田洋次監督で同名映画化→③原田マハさんが同名映画のノベライズ化‥、冷静に考えると変ですよね?
どうもこの変な流れ、原作と映画が全く別物のような違 -
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あれあれ、いきなり涙腺が緩むような展開ッ!
決して人前では読まないで下さい
こちらは村上たかしさんのコミックを、原田マハさんが小説化した作品なのだそうです
お父さん(飼い主)と、いつまでもお父さんを愛し続ける愛犬ハッピーのお話です
それに加えて、お父さんとハッピーの事を調べるうちに福祉事務所の奥津さんも、愛犬だったバンとの生活の日々を回想します
いつも真っ直ぐなハッピーがとっても可愛くて、穏やかで優しいお父さんが大好きな気持ちが沢山伝わってきました
遊んでもらえると、嬉しくて尻尾をちぎれんばかりに振るしぐさ♪
大好き過ぎて、お父さんの顔中を舐めまくる姿♫
犬って、こちらが照れてしまうほ