原田マハのレビュー一覧

  • リーチ先生

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    イギリス人陶芸家バーナード・リーチの他者視点による伝記フィクション

    以下公式のあらすじ
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    1954年、イギリス人陶芸家バーナード・リーチが大分の焼き物の里・小鹿田を訪れる。その世話係を命ぜられた高市は、亡父・亀乃介がかつてリーチに師事していたことを知らされる。
    時は遡り1909年。横浜の洋食屋で働きながら芸術の世界に憧れを抱いていた亀乃介は、日本の美を学び、西洋と東洋の架け橋になろうと単身渡航した青年リーチと出会う。その人柄に魅せられた亀乃介は助手となり、彼の志をひたむきに支えていく。
    柳宗悦や武者小路実篤ら白樺派の面々や、のちに陶芸家として偉大な

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    2023年11月02日
  • ラブコメ

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    原田さんの作品ということで購入。
    タイトルと漫画家とのコラボから、恋愛小説の漫画版と思ったが全く違う「米:コメ」作りの話だった。
    日本農業新聞で連載することになった原田さん。その参考として農業体験を試みることに。ちなみに、連載の方は『生きるぼくら』で既に読んでいて、引きこもりの主人公がコメ作りで立ち直る感動的な話しだった。
    この始める時期が劇的な時期で、2011年2月からで、震災当日も信州の農場に行く予定だったとか。震災後も描かれているが、コメ作りが主なので震災は抑え目。
    自分自身、コメ作りは実家が農家だったし、家を出て半世紀ながら、都会のど真ん中の公園ボランティアで田んぼも畑も作っていたので

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    2023年11月02日
  • 太陽の棘

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    戦後すぐの、まだアメリカだった沖縄。芸術は、言葉も価値観も飛び越えることがよくわかる話だった。
    また、戦後すぐとあって、なかなか折り合いをつけることが難しい現実を生きていた人たちが、芸術という自分の中で譲れない「業」を通して、何とか生きていく描写が良かった。

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    2023年10月30日
  • 夏を喪くす

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    いや、まいった。短編集で、こんなに心を揺さぶられるなんて。初めてだ。自分でびっくりしてる。

    「天国の蝿」、「ごめん」、「夏を喪くす」、「最後の晩餐」の四編が収録されています。

    「天国の蝿」
    北陸の地で、夫と娘の3人で暮らす岡崎範子。娘の投稿した詩が載ったという雑誌を見ていたら、「天国の蝿」という詩にふと目が止まる。

    「ごめん」
    夫の杉本純一が、仕事中の事故で植物状態に。陽菜子はあるとき、夫の預金通帳を見つける。そこには、毎月同じ金額の振り込み記録があった。

    「夏を喪くす」
    同志の青柳透と共同で小さな建築会社を立ち上げて3年、野中咲子は順調に仕事をしている。夫がいる一方で恋人もいるが、体

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    2023年10月17日
  • ロマンシエ

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    ロマンシエは小説家の意。
    主人公のみちのすけは、友達の高瀬くんに思いを寄せる。
    話は、カーチェイス?なんかもあり情景が目に浮かぶようで楽しい。
    最後あの二人が結ばれる展開となり、なんだか意外で、嬉しくなった。

    リトグラフに興味が湧いたし、何よりもドーヴィル行ってみたくなった、、、!

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    2023年10月06日
  • ロマンシエ

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    自分のジェンダーに違和感のある主人公とロマンシエのハルさん。何とも言えないいい関係でした。最後には、小説と現実が交錯してすごいことになってたんですね。
    ロマンシエ(=小説家)、フランス語で言うと響きがいい。マハさんのアート愛が色々と感じられる一冊でした。

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    2023年10月06日
  • モダン

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    短編集なのでサラッと読めましたが、テーマ自体は少し重めのものが多かったです。
    ただそれぞれの物語がMOMAという場所を通して緩く繋がっていて、温かみを感じさせてくれるような雰囲気が素敵でした。
    前向きな気持ちになれる。
    「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」のSF感が新鮮で好きでした。

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    2023年10月04日
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

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    4人の女性と4人の芸術家。関わり方は違えど、それぞれに愛情じみた感情があって、読んだ後にあたたかい気持ちになりました。

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    2023年09月18日
  • 夏を喪くす

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    毎話すごい、ちゃんと痺れる。マハさんを忘れそうになるけど舞台となってる土地とかアートとか、やっぱりマハさんだった。タイトル通り夏っぽい物語かと思って夏まで温めていたけどその必要はなかった。

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    2023年08月20日
  • リーチ先生

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    ネタバレ

    原田マハ先生の作品には毎回フィクションかノンフィクションかの区別がつかなくなるほど没頭させられるけれでも、今回もそんな作品です。
    作品に登場するリーチ先生も高村光太郎も柳宗悦らも実在した人物だけれでも、彼らの功績といったものを、実在しない亀乃介、高市という親子を通じて知るという巧妙なストーリーで、読後はまた少し美術史に明るくなったような気にさせられるのでした。

    それは「陶芸」という名の「冒険」だった、とリーチは言った。・・・・あの日々を、冒険と呼ばずしてなんと呼ぼうか。(作品から一部抜粋)

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    2023年08月14日
  • あなたは、誰かの大切な人

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    最後まで自身のことを分かってくれる人がいないまま終わってしまう寂しさを恐れていたが、少しだけ救われた気がした。

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    2025年08月13日
  • 夏を喪くす

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    これって 原田マハさん2008年作 「ごめん」の文庫本版ですね。
    今から15年位前だけど 古さを全然感じない。

    今の原田マハさんとは ずいぶん違う感じがして 逆に新鮮でした。
    どの短編も 読み応えありました。

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    2023年08月05日
  • 妄想美術館

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    原田マハさんとヤマザキマリさん(テルマエ・ロマエの作者)が対談形式で美術史や画家に対する妄想を語っている本。
    ヤマザキマリさんの経歴は何も知らなかったので興味深かった。今度著書を読んでみたい。

    二人ともとても知識豊富で、それに裏打ちされた「こんな美術館(美術展)を作りたい」という妄想が爆発して盛り上がっている様子がわかって楽しかった。
    お話しの中で知らなかった画家が出てきたり、その人が描いた絵画の写真もカラーで掲載されていて未知の世界を少し覗くことができた。

    あとがきでマリさんが「美術館は、芸術という人間にしか生み出せない創造物を糧に生きてきた様々な人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と

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    2023年08月03日
  • いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画

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    「生きているうちに見るべき絵画」の本物に出会いに行きたくなりました。
    いや、読んだだけでも、出会った(見た)ような気になってしまっている!マハさんの文章による惹きつけに、もう全部持っていかれちゃっています。

    ゴッホやドガが日本画・浮世絵に憧れ、その技法をも取り入れたという点、興味深く読みました。その事実は知っていても、一人一人の画家を丁寧に取り上げているマハさんの作品を読んでいると、より親近感がわいて、事実味が増してくる感じがします。

    あとがきのことば、非常に印象的でした。

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    2023年08月03日
  • 太陽の棘

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    戦中戦後の沖縄の様子、そして、戦争によって勝った方も負けた方も傷つくことが心に伝わります。沖縄との別れのシーンには胸を打たれる。

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    2023年08月02日
  • 夏を喪くす

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    何かを乗り越えたその先の人生の話。大抵のことは何とかなるし、大抵のことが普通になる。大変なことをわざわざ大変って思わないように。

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    2023年08月01日
  • 小説 星守る犬<新装版>

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     本作は、原田マハさんが村上たかしさんの同名コミックに惚れ込み、小説化した珍しいタイプの本のようです。逆パターンは結構多いのだそうで‥。(小説のコミック化・映画化ともあまり関心がなく‥)

     今回、著者がお気に入り作家の一人である原田マハさんであること、更に昨年、17年連れ添った愛犬を亡くしたこともあり、何となく手にしました。

     子どもでも読める平易な文章で、特に中心となる犬の視点で描かれた内容は切なく涙を誘います。が、そんな単純な話だけでなく、人間の思いやりや身勝手さ、犬の一途な寄り添う気持ちと共に、愛することや幸せなど、根源的な問題について自問させられることが多々ありました。
     井上ひさ

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    2023年07月29日
  • 夏を喪くす

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    これまでの原田マハさんとテイストが違って驚いた。不倫やだらしない親など出て大人なかんじ。私はこちらのほうのテイスト好きだな

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    2023年07月27日
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)

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    -芸術は、飾りではない。闘うための武器なのだ。
    闘うべき相手は政府でもファシズムでもなく、戦争、暴力、憎悪である。武器を持たず、思想と文化と芸術の力、そして、人々の結束で、それら負の存在と闘う。ゲルニカは、平和を望む世界中すべての、私たちのものだ。

    小学生の頃、図工の教室で、黒板一面に広げられたゲルニカを見たことがある。泣き叫びたくなるような描写からふと、画面の下の方へ目を逸らしたときに、絵画の中央下に花を見つけた。これはピカソが戦争で亡くなった人たちへ渡したかった花なんだ、と思い、戦争から、ここから逃げちゃいけない、と端から端までつぶさに観察した記憶がある。
    いま、世界と、そして日本はどこ

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    2025年07月07日
  • やっぱり食べに行こう。

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    マハさんのアート小説が好き。たまにはちょっと違う路線のマハさんに出会ってみるか〜と手にとったこの一冊で、小説の舞台裏を知ることになり、ますます沼ることになろうとは。
    飽くなき美味しいものの追求と、それにまつわるアートのお話、海外暮らし、どこをとってもキラキラしていました。お腹いっぱいー♪

    アートをテーマにした小説を書くときにいつも心がけていることは、いかにも「これはほんとうにあったことかもしれない」と感じていただけるように書くこと。ただし、実在のアーティストが登場するばあは、彼らに対するリスペクトと愛情を決して忘れない。そうすることによって、読者がアートに対して興味をもち、自分自身でもっと調

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    2023年07月22日