原田マハのレビュー一覧

  • エール!(3)

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    憧れて手に入れた仕事にも嫌な事はある。
    こんな仕事辞めてやる!という仕事の中に、
    笑顔になる一瞬がある。
    生活の為に働くのだから割り切る、
    という考えもある意味正解だと思うし、
    この仕事が天職だと思っていたのに、
    向いてないって挫折する事も多分ある。

    大変そうだね、と言われる仕事に、
    笑顔で楽しげに関わる人もいる一方で、
    誰もが羨む職業に就いているのに、
    人知れず悩んで塞いでいる人も多分いる。

    早期退職に憧れた時期もあったけど、
    社会の片方にしかいられない人生が楽しいのか、
    自信がなくなってきた。
    助け合って社会を作って生きていく上では、
    誰もが自分の役割を「ちゃんと」する事が、
    大事なの

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    2023年11月26日
  • お帰り キネマの神様

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    キネマの神様とは全く異なるストーリー。山田洋次監督という映画人だからこそ見える絵をベースに、小説家の原田マハだからこそできる文字を重ねた共同作品。やはり映画はいいな、と感じた。

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    2023年11月24日
  • 夏を喪くす

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    どれも結構重めでシビアな作品。夏を喪くすとは人生の夏を謳歌してきた主人公が人生の秋を迎える決意を表しているように思えるという解説を読んですごくしっくりきた。特製カバーが可愛くて買ったけど当たりだった

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    2023年11月20日
  • お帰り キネマの神様

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    原田マハ『お帰り キネマの神様』文春文庫。

    『キネマの神様』の続編かと思ったら、山田洋次監督により大幅に手を加えられ、映画化され作品のノベライズということらしい。そんなこともあるのか。

    確かに大幅に内容が変わっている。もう一つの『キネマの神様』と言って良いだろう。山田洋次らしい派手なハッピーエンディング。しかし、原作の『キネマの神様』の方が遥かに良かった。

    本体価格600円
    ★★★★

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    2023年11月19日
  • フーテンのマハ

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    ネタバレ

    マハさんの旅が気に入った!
    目的地に行こうと決めても、何も調べない。
    まっさらな頭とすっぴんの心で訪れる。

    私の好きな旅もおんなじだ。
    必要最低限の情報以外はインプットしない。
    旅は知らない街の角を曲がること
    誰かがそう言っていた。
    小田実さんか永六輔さん。
    でもこの二人ならきっと言う。
    何でも見てやろう精神の二人だから。

    気心が知れた友との「ぼよグル」も
    ゴッホの背景を訪ねる旅も
    カフーとの出会いも面白い。

    餃子の生まれ変わりなんかもいい。
    私だったらどうだろう。
    餃子、麻婆豆腐、カレー、茶碗蒸し、チョコ この中のどれかの生まれ変わりだろう。今まで口にしたもので一番美味しかったのは、早

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    2023年11月18日
  • スイート・ホーム

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    地元が出てきて読みやすかったし入ってきやすかった。

    連作短編集でそれぞれの歩んできた人生が他の人の糧になったり、アドバイスになったりと人の繋がりが良かった。

    誰に対しても丁寧な対応ができるようになりたいと思えた。
    内面から輝いている人がかっこいい。

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    2023年11月14日
  • お帰り キネマの神様

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     私の中では、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』('88)と小説『キネマの神様』('08)は、セットになっています。

     トルナトーレの上記名作映画は、モリコーネの哀愁漂うメロディとともに、不動のマイベストです。その後、原田マハさんの上記小説を読んだ際、映画がオーバーラップし、心揺さぶられたのでした。

     個人的には、原作からの映画化では「映画は観ない派」で、映画『キネマの神様』も観ていません。
     加えて、①原田マハ原作小説→②山田洋次監督で同名映画化→③原田マハさんが同名映画のノベライズ化‥、冷静に考えると変ですよね?
     どうもこの変な流れ、原作と映画が全く別物のような違

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    2023年11月13日
  • 小説 星守る犬<新装版>

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    あれあれ、いきなり涙腺が緩むような展開ッ!
    決して人前では読まないで下さい

    こちらは村上たかしさんのコミックを、原田マハさんが小説化した作品なのだそうです

    お父さん(飼い主)と、いつまでもお父さんを愛し続ける愛犬ハッピーのお話です

    それに加えて、お父さんとハッピーの事を調べるうちに福祉事務所の奥津さんも、愛犬だったバンとの生活の日々を回想します

    いつも真っ直ぐなハッピーがとっても可愛くて、穏やかで優しいお父さんが大好きな気持ちが沢山伝わってきました
    遊んでもらえると、嬉しくて尻尾をちぎれんばかりに振るしぐさ♪
    大好き過ぎて、お父さんの顔中を舐めまくる姿♫
    犬って、こちらが照れてしまうほ

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    2023年11月06日
  • リーチ先生

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    イギリス人陶芸家バーナード・リーチの他者視点による伝記フィクション

    以下公式のあらすじ
    ----------------------
    1954年、イギリス人陶芸家バーナード・リーチが大分の焼き物の里・小鹿田を訪れる。その世話係を命ぜられた高市は、亡父・亀乃介がかつてリーチに師事していたことを知らされる。
    時は遡り1909年。横浜の洋食屋で働きながら芸術の世界に憧れを抱いていた亀乃介は、日本の美を学び、西洋と東洋の架け橋になろうと単身渡航した青年リーチと出会う。その人柄に魅せられた亀乃介は助手となり、彼の志をひたむきに支えていく。
    柳宗悦や武者小路実篤ら白樺派の面々や、のちに陶芸家として偉大な

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    2023年11月02日
  • ラブコメ

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    原田さんの作品ということで購入。
    タイトルと漫画家とのコラボから、恋愛小説の漫画版と思ったが全く違う「米:コメ」作りの話だった。
    日本農業新聞で連載することになった原田さん。その参考として農業体験を試みることに。ちなみに、連載の方は『生きるぼくら』で既に読んでいて、引きこもりの主人公がコメ作りで立ち直る感動的な話しだった。
    この始める時期が劇的な時期で、2011年2月からで、震災当日も信州の農場に行く予定だったとか。震災後も描かれているが、コメ作りが主なので震災は抑え目。
    自分自身、コメ作りは実家が農家だったし、家を出て半世紀ながら、都会のど真ん中の公園ボランティアで田んぼも畑も作っていたので

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    2023年11月02日
  • 太陽の棘

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    戦後すぐの、まだアメリカだった沖縄。芸術は、言葉も価値観も飛び越えることがよくわかる話だった。
    また、戦後すぐとあって、なかなか折り合いをつけることが難しい現実を生きていた人たちが、芸術という自分の中で譲れない「業」を通して、何とか生きていく描写が良かった。

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    2023年10月30日
  • 夏を喪くす

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    いや、まいった。短編集で、こんなに心を揺さぶられるなんて。初めてだ。自分でびっくりしてる。

    「天国の蝿」、「ごめん」、「夏を喪くす」、「最後の晩餐」の四編が収録されています。

    「天国の蝿」
    北陸の地で、夫と娘の3人で暮らす岡崎範子。娘の投稿した詩が載ったという雑誌を見ていたら、「天国の蝿」という詩にふと目が止まる。

    「ごめん」
    夫の杉本純一が、仕事中の事故で植物状態に。陽菜子はあるとき、夫の預金通帳を見つける。そこには、毎月同じ金額の振り込み記録があった。

    「夏を喪くす」
    同志の青柳透と共同で小さな建築会社を立ち上げて3年、野中咲子は順調に仕事をしている。夫がいる一方で恋人もいるが、体

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    2023年10月17日
  • ロマンシエ

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    ロマンシエは小説家の意。
    主人公のみちのすけは、友達の高瀬くんに思いを寄せる。
    話は、カーチェイス?なんかもあり情景が目に浮かぶようで楽しい。
    最後あの二人が結ばれる展開となり、なんだか意外で、嬉しくなった。

    リトグラフに興味が湧いたし、何よりもドーヴィル行ってみたくなった、、、!

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    2023年10月06日
  • ロマンシエ

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    自分のジェンダーに違和感のある主人公とロマンシエのハルさん。何とも言えないいい関係でした。最後には、小説と現実が交錯してすごいことになってたんですね。
    ロマンシエ(=小説家)、フランス語で言うと響きがいい。マハさんのアート愛が色々と感じられる一冊でした。

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    2023年10月06日
  • モダン

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    短編集なのでサラッと読めましたが、テーマ自体は少し重めのものが多かったです。
    ただそれぞれの物語がMOMAという場所を通して緩く繋がっていて、温かみを感じさせてくれるような雰囲気が素敵でした。
    前向きな気持ちになれる。
    「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」のSF感が新鮮で好きでした。

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    2023年10月04日
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

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    4人の女性と4人の芸術家。関わり方は違えど、それぞれに愛情じみた感情があって、読んだ後にあたたかい気持ちになりました。

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    2023年09月18日
  • 夏を喪くす

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    毎話すごい、ちゃんと痺れる。マハさんを忘れそうになるけど舞台となってる土地とかアートとか、やっぱりマハさんだった。タイトル通り夏っぽい物語かと思って夏まで温めていたけどその必要はなかった。

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    2023年08月20日
  • リーチ先生

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    ネタバレ

    原田マハ先生の作品には毎回フィクションかノンフィクションかの区別がつかなくなるほど没頭させられるけれでも、今回もそんな作品です。
    作品に登場するリーチ先生も高村光太郎も柳宗悦らも実在した人物だけれでも、彼らの功績といったものを、実在しない亀乃介、高市という親子を通じて知るという巧妙なストーリーで、読後はまた少し美術史に明るくなったような気にさせられるのでした。

    それは「陶芸」という名の「冒険」だった、とリーチは言った。・・・・あの日々を、冒険と呼ばずしてなんと呼ぼうか。(作品から一部抜粋)

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    2023年08月14日
  • 夏を喪くす

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    これって 原田マハさん2008年作 「ごめん」の文庫本版ですね。
    今から15年位前だけど 古さを全然感じない。

    今の原田マハさんとは ずいぶん違う感じがして 逆に新鮮でした。
    どの短編も 読み応えありました。

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    2023年08月05日
  • 妄想美術館

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    原田マハさんとヤマザキマリさん(テルマエ・ロマエの作者)が対談形式で美術史や画家に対する妄想を語っている本。
    ヤマザキマリさんの経歴は何も知らなかったので興味深かった。今度著書を読んでみたい。

    二人ともとても知識豊富で、それに裏打ちされた「こんな美術館(美術展)を作りたい」という妄想が爆発して盛り上がっている様子がわかって楽しかった。
    お話しの中で知らなかった画家が出てきたり、その人が描いた絵画の写真もカラーで掲載されていて未知の世界を少し覗くことができた。

    あとがきでマリさんが「美術館は、芸術という人間にしか生み出せない創造物を糧に生きてきた様々な人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と

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    2023年08月03日