あらすじ
アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画や後世の芸術家に大きな影響を与えた革新的な絵画などを厳選。画家の思い、メッセージ、愛や苦悩を、作家ならではの視点で綴る。『楽園のカンヴァス』でモチーフとなったルソー、『ジヴェルニーの食卓』で描かれたモネ、『暗幕のゲルニカ』のピカソといった、原田作品でおなじみの絵画はもちろん、古典、日本画、現代アートを含む全26点を掲載。豪華カラー図版収録。【目次】一枚目 アヴィニヨンの娘たち――パブロ・ピカソ/二枚目 秘儀荘「ディオニュソスの秘儀」――作者不明/三枚目 聖フランチェスコの伝説――ジョット・ディ・ボンドーネ/四枚目 プリマヴェーラ(春)――サンドロ・ボッティチェリ/五枚目 最後の晩餐――レオナルド・ダ・ヴィンチ/六枚目 セザンヌ夫人――ポール・セザンヌ/七枚目 バルコニー――エドゥアール・マネ/八枚目 大壁画「睡蓮」――クロード・モネ/九枚目 エトワール――エドガー・ドガ/十枚目 星月夜――フィンセント・ファン・ゴッホ/十一枚目 アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I――グスタフ・クリムト/十二枚目 真珠の耳飾りの少女――ヨハネス・フェルメール/十三枚目 ブリオッシュのある静物――ジョルジョ・モランディ/十四枚目 マドリッド、1808年5月3日――フランシスコ・デ・ゴヤ/十五枚目 ダンス――アンリ・マティス/十六枚目 夢――アンリ・ルソー/十七枚目 ゲルニカ――パブロ・ピカソ/十八枚目 おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン――オーブリー・ビアズリー/十九枚目 黒の正方形――カジミール・マレーヴィチ/二十枚目 Number 1A,1948――ジャクソン・ポロック/二十一枚目 シーグラム壁画――マーク・ロスコ/二十二枚目 テワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの思い――フリーダ・カーロ/二十三枚目 聖マタイの召命――ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ/二十四枚目 オルナンの埋葬――ギュスターヴ・クールベ/二十五枚目 叫び――エドヴァルド・ムンク/二十六枚目 道――東山魁夷/あとがきにかえて
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Posted by ブクログ
原田マハさん大好きです!
美術も文学も行き着くところは人間の根源。どちらも読み取るにはそれ相応の訓練のようなものが必要だと思う。訓練してない私でも、分かりやすいように小説で描いてくれていて、新しい世界を知ることができる。
読んでいて、自分は絵を見たり本を読んだりしていろんな人間のことが知りたかったんだなぁと分かった。
終始メランコリーに苛まれたムンクの生涯にすごく興味を持った。次はムンクの小説を読もうと思う。
Posted by ブクログ
アートには、歴史とのすごく深い関係性があることを知った。
時代背景の理解なくして、アートのことは理解できないのだ(アートのことが本当に理解できるわけではないのはわかってはいる)。
歴史が苦手な私が、アートやアーティストと一緒に学ぶとすごく楽しく学べるとは思わなかった。
そして、この本を読んでいるうちに、クレパスで思いっきり画用紙に描きなぐりたい衝動に駆られた。全然絵心とかあるわけではないのだけど。早速、クレパスと画用紙買ってこようかな。
なぜクレパスかというと、私はカラフルな色使いが好みらしいということを、読んでいて何となく認識したのである。不思議。
いつかは、この本に出てくる色んな美術館に行きたい。アーティストごとにじっくり作品の移ろいを眺め、自分のお気に入りを見つけたい。
Posted by ブクログ
とても分かりやすく書かれていて、とても美術を好きになる文章。頭の本当に良い人の書く文章ってすごいなと改めて感動しました。美術史を大学で学んだ私は、美術の初心者とは言えないけれど、長年にかけて学んだことよりも、こちらの一冊をしっかり読めば良かったんじゃない?(笑)と思うほど、原田マハさんの知識の深さや、書きたいことは他にも沢山あるだろうに、要点をしっかりとまとめて書き上げるところに感激します。
Posted by ブクログ
世界の美術館へ行きたくなる!
1枚の絵について、マハさんとの思い出と、画家のストーリーと、その絵がそこに在る理由…短い文章でここまで惹き込む力はさすが!
手元に置いておきたい一冊!
Posted by ブクログ
その時代の環境や作者の想いなど、絵の背景を知るだけで、これほどまでに絵を面白いと感じ、絵に感動したのは初めての経験だった。
美術館に訪れたことはあったが、上手いな〜すごいな〜しか感じたことがなかった。
しかし、この本を読んで本の背景を知り、作者の思いや他にどんな気持ちでどんな絵画を描いたのか知りたくなった。
これからヨーロッパに行く予定や美術館に寄る予定があるから、寄るまでに背景知識を知りたいと思う。
Posted by ブクログ
「生きてるうちに見るべき名画」本当かな?と思ったけどさすがマハさん、納得です。時代の転機となった作品をピックアップしてるのかな。東山魁夷の「道」が描かれるエピソード読んで1発で好きになりました。
Posted by ブクログ
原田マハさんの紹介する26枚の絵。
マハさん自身のその絵との出会いと、それぞれのアーティストの歴史、名画が誕生したエピソードが綴られる。
ピカソ、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ポロック、マネ、レオナルドダヴィンチ、クリムト、ピアズリー、ムンク…。
多くの人に知られた有名人な絵を始め、私でも知らない絵も収録されていて、純粋に勉強にもなる。
巻頭にはそれぞれの作品の画像がカラーで掲載されていて、本文と照らし合わせて読み進めることができる。
大変お得で粋な一冊だ。
新書本というよりは、マハさんプレゼンツアート図録というような感じ。
何よりも、マハさんが、本当に小さい頃からアートが好きだったと言うのが伝わってくる。
弱冠10歳の時に、倉敷の大原美術館でピカソの「鳥籠」と出会った。それが始めてのピカソ体験だったというエピソードが印象的。きっとそのとき、子供のマハさんにも電流のようなものが体に流れたんだろうな。
私も子供の頃から絵は好きだったけど西洋絵画はその時難しくて、興味なかったもんな…。やっぱり、マハさんとアートは、特別な絆で結ばれているのだ。
今まで読んだマハさんのアート小説にも登場した、モネ、ピカソ、ポロック、ピアズリーは、特に思い入れを感じた。小説のことを思い出し、また再読したくなった。
そして、最終章には、唯一の日本人。東山魁夷。
東山魁夷も、マハさんの小説の中でたびたび登場する。
長野県の農業を描いた「生きるぼくら」では、茅野の御斜鹿池を舞台に描いた東山魁夷の代表作「緑響く」が印象的に登場する。それに、「異邦人」でも名前が出てきたな。
本書で紹介されている東山魁夷の作品は、「道」という絵。
初めて見た。マハさんは、この絵を見て、自分の進む道への決心にもつながったという。この作品は、マハさんにとって特に特別な出会いだったんだなぁ。
先日、アートと旅が好きな私のピアノの先生にマハさんを紹介した。
「ジヴェルニーの食卓」と「生きるぼくら」を紹介した。すごく興味を持っていたので、気に入ってくれたら良いなぁ。
この本も今度紹介しよう。あと、「異邦人」と、「さいはての彼女」と「サロメ」も良いかもなぁ。
周りにマハさんのことを語れる人がいないので、すごく話したい…!
と、いうことで今回もマハさん愛が止まらず、長めの文章になってしまった…
この本、買おうかな。
きっとまた読み返したくなる。
緊急事態宣言が解除されたら、私も美術館に行こう。
Posted by ブクログ
有名な絵もそうでない絵も、原田さんの丁寧な説明で一枚づつ記憶に刻まれる。絵の解説なのに小説を読んでいるみたいだし、原田さんの小説に悪い人がほとんどでてこない様に、どの絵に対しても温かい眼差しが注がれている感じ。例えばピカソ。アヴィニヨンの絵が美術史を変えた、みたいな話は何度聞いたかわからないけれど、そういう学術的な面のみならず、「超有名だけど本物を見るとやはり心動かされる」という、本当に絵を好きな気持ちが伝わってくる。
備忘録:取り上げられていた絵
ピカソ アヴィニヨンの娘たち
秘儀荘 ディオニソスの秘儀
ボンドーネ 聖フランチェスコの伝説
ボッティチェリ プリマヴェーラ
ダヴィンチ 最後の晩餐
セザンヌ セザンヌ夫人
マネ バルコニー
モネ 睡蓮
ドガ エトワール
ゴッホ 星月夜
クリムト アデーレブロッホバウワーの肖像
フェルメール 真珠の耳飾りの少女
モランディ ブリオッシュのある静物
ゴヤ マドリード 1808.5.3
マティス ダンス
ルソー 夢
ピカソ ゲルニカ
ビアズリー お前の口に口付けしたよ、ヨカナーン
マレーヴィチ 黒の正方形
ポロック Number 1A 1948
ロスコ シーグラム壁画
カーロ ティワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの想い
カラヴァッジョ 聖マタイの召命
クールベ オルナンの埋葬
ムンク 叫び
東山魁夷 道
Posted by ブクログ
子どもたちが幼い頃、佐倉の川村美術館によく出かけた。その頃住んでいた八街から近かったからだ。今回、この本を読んで初めて『シーグラム壁画』マーク.ロスコ作を知った。ロスコの意思を汲んで、一室彼の作品ばかりを展示しているらしい。今度の週末是非行ってみたい。
Posted by ブクログ
ミュージアムショップで手に取り、パラパラとめくっていったら、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」の 事が書いてあって「これは運命だ!」と感じ購入しました。私は川村記念美術館にあるシーグラム壁画(ロスコルーム)の空間が好きで、時々足を運びます。なんとも言えないあの空間。そこで感じる感覚をまさにこの本でマハさんが説明されてて嬉しく感じました。その他の作品の説明もとても分かりやすく、まだ直接観たことの無い作品も興味が持て、いつか本物に会いたいなと思いました。
Posted by ブクログ
カラーの図版がありがたかったです。
実生活で大変な時に毎日、一章ずつ読み進め、世界の美術館を旅していました。
横でその作品の解説をしてもらえているような気分になり、今日はどんな作品だろうかとワクワクしていました。
Posted by ブクログ
マハさんの著書に出てくる絵やこれまでに自分が見たことのある絵が出てきたので、非常に興味深く読むことができた。それぞれの絵に関するマハさんのエピソードと画家の説明があるので、そんなに詳しくは知りたくないがさらっと背景を知りたい人にはもってこいな感じだと思う。(もっと一枚一枚の絵を深掘りして欲しいくらい、ぎゅっとまとめてあった)一部ロシアの美術館にあったり、今となっては中々実物を観るのは難しいだろう絵もあるが、この本を読んだ後に実際に出てくる絵をみたいなぁと思った。
Posted by ブクログ
冒頭にあるカラー図版が豪華です。
原田マハさんの、アートや画家に対する愛情が
ひしひしと伝わってくる本でした。
中でも、パブロ・ピカソに対する思い入れは格別なのかなと感じました。
「暗幕のゲルニカ」を読んでみたくなりました。
初めて知る画家や作品もありました。
特に心に残ったのは、フリーダ・カーロ。
彼女の人生を知って、今回取り上げられている絵画を見ると、なんとドラマチックなんだろうと思わされます。映画や小説になってもおかしくないくらいです。
また、「セザンヌ夫人」も印象的でした。
素敵な夫婦像が浮かびます。
ほとんどが海外にある美術館所蔵の作品なので、ちょっとそこまで、と気軽に見ることが出来ないのが残念です。
ぜひ一度本物を目にしたいものです。
Posted by ブクログ
著者が選ぶ26の名画の紹介を中心にエッセー的な要素も含んだ本です。初めて耳にする画家の方もいて、興味深かったです。世界中の美術館をその絵画のために訪問できたら、素晴らしいだろうなと思いました。あとがきに、絵画を観ている立ち位置は、画家が立っていた位置だということが書かれていて、ハッとさせられました。
Posted by ブクログ
生まれて6ヶ月の息子が、遊んでいる隣で、寝転がって読んでいた。
少しずつしか読めないので、この長さの短編がありがたい。
プレイマットの上にいるのに、頭の中は、世界各国の美術館や教会を訪れて、一枚の絵を見た、厳かな気持ちになる。
作者についての解説も嬉しい。
絵は、描かれたそのときから、ずっと光を灯している。
絵を見て、込められた作者の思い、色や形の良さを感じ取ることだけでなく、自分と絵が出会うまでの長い長い歴史を感じることができるんだ。
巻頭の小さな印刷の絵じゃ物足りない。今とても、美術館に行きたい。
Posted by ブクログ
それぞれの絵に対するエピソードが豊富で
作者や時代背景を知ることができて
より絵が楽しめるようになる。
いつもながらマハさんの芸術家、アートへの
愛がすごいと感服。
Posted by ブクログ
26点の絵画の解説と、著者の出会いが書かれている。新書なので解説メインかな?と思い手に取ったが、殊の外エッセイ寄り。
著者の絵画をに注がれる目線や愛情が感じられる一冊でした。
画家のエピソードは大分マイルドに書かれているかも
Posted by ブクログ
「生きているうちに見るべき絵画」の本物に出会いに行きたくなりました。
いや、読んだだけでも、出会った(見た)ような気になってしまっている!マハさんの文章による惹きつけに、もう全部持っていかれちゃっています。
ゴッホやドガが日本画・浮世絵に憧れ、その技法をも取り入れたという点、興味深く読みました。その事実は知っていても、一人一人の画家を丁寧に取り上げているマハさんの作品を読んでいると、より親近感がわいて、事実味が増してくる感じがします。
あとがきのことば、非常に印象的でした。
Posted by ブクログ
美術が苦手で、美術館やアートと言われるものには興味がないとずっと思い込みつつ、時々、食指が伸び、いや、一瞬でもの気の迷いに違いない…と思ったりしてきた。
でも、原田マハさんの小説は大好きで、そこで出てくる数々のアートはやはり気になり…この本を読んで、生きているうちに、このうちの1枚でも見てみたいと思わされた。
特に【ゲルニカ】に関しては、心を打つ。
未読のマハさんのアート小説もまた読んでいこうと改めて思う。
Posted by ブクログ
「生きているうちに見るべき名画」という副題に、大げさな印象を持ちながら読み始めました。
ただ、巻頭の26枚のカラー写真を、1枚
1枚原田マハさんが自身と絵画との出会いと共に、作者や作品の歴史的背景や意味合いを解説してくれている。
それを読む中で、少なくとも6月のパリでモネの睡蓮、ニューヨークでポロック、千葉のDIC川村記念美術館には行きたくなった。
そう言った意味でも、今後の人生に少なからず影響を与えてくれる1冊。
「生きているうちに見るべき名画」があるのかもしれないと思わされた1冊。
Posted by ブクログ
最初にカラーで絵が紹介されて、
それに対しての内容は
歴史的な背景と御自身の話が、
適度に混ざっていて読みやすかった。
ただ、どうしても題名が
「いまいちの絵」に読めてしまいます笑
むしろ、それも本にして欲しいです!
Posted by ブクログ
26枚の絵画について、その背景にある画家の生き様や社会的状況とともに、作品に出会った原田マハさんの感動が熱くかかれている。どんな美術館にどんなふうに展示されているのか、原田さんが作品に出会ったシチュエーション、などの視点もあり、楽しめた。
とにかく原田さんのアートへの情熱が伝わってくるし、全体を読むとアートの変化の流れも感じられる。表面的には技法やテーマの変化なのだが、その背景に、自由に表現することへの希求があったんだなと改めて感じた。
Posted by ブクログ
この絵たちに
全部 会って
この本読めたら素敵、贅沢やなあ
って思いながら読んだ
何点かは 出逢ってるので
マハさんとの対話ができるから
文章の染み込み方が 違うなあと
マハさんの本をもって 一枚ずつ
会いに行けたらいいな
クリムトの絵に 今 一番会いたいなあ
Posted by ブクログ
つまり、私=鑑賞者が立っているまさにその位置にいたのは、画家、ポール・セザンヌなのである。
あとがきにかえて より
しかし、フリーダにとっては、圧倒的な画力を持ち、民衆を奮起させる壁画の数々をたったひとりで描き上げるディエゴは、愛する夫であると同時に、恩師であり、リーダーであり、ときに子供のようでもあり、彼女を包み込む宇宙のような存在だった。
二十二枚目 テワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの思い フリーダ・カーロ より
元キュレーター、アート関係の仕事をしていた背景のある作者。絵画をテーマにいくつも作品を出されているので、楽しく読むことができました。連載した記事に加筆修正を加えたみたいで、概ね8-10ページほどなので、空いた時間に美術鑑賞する感覚てした。
映画を観る際に巷で聞く『予備情報なしで楽しみたい』。頭を空っぽにした真っさらな状態が良いとのこと。もちろん、ストーリーのないアクション映画ならわからなくもありませんが、基本的にアートはそうではない、ということなのかな、と。ひとりの作家がいて、生い立ち、成長環境、両親、友人、恋人、技法、時代背景、当時の流行、戦争の影、没後のヒストリーなど、それらが作品にいかように影響が与えられ、作られたかを読み取ることの尊さを伝えている本だと思います。
それは、絵画に限らず、先の映画や音楽、そして小説。特に誰が、いつ、どのようにして、その作品を生み出したのかは本当に重要だと思います。
音楽家に対して政治的な発言はやめろって言う人、たまに見かけます。けれども、左寄り右寄り中立的、といった感じに政治思想も理解しているとより読み取れるようになるんじゃないかな、と思ったり。少なくとも、アートが詳しい人、言語化に長ける多くの方は実践されているんじゃないかと観測できます。
エッセイは、導入部で作品との出会い、邂逅を描き(世界中の美術館の名前が出てきますが行けるわけもなく)、作家の背景、作品の立ち位置、そして作家らしい気づきと彩のある文章で締める形式。
ミューズをただミューズという単語で書くのではなく、三行ほどの文章で美しく表現されています。四枚目のプリマヴェーラも素敵というか、流石でした。
原田マハさんの作品は初期のものしか読んでいなかったので、これを機に何冊か読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
カラーの図版がついているので、それぞれの作家の当時の時代背景を思い描きながら読めた。アートに対する愛情溢れたエッセイ風の文章が良く、もっと本物の作品にふれたいと強く思った。
Posted by ブクログ
〜生きているうちに見るべき名画〜
このなかなかのタイトルに惹かれ読むことに
26点の名画が紹介されている
気になった作品をピックアップ
個人的な過去の体験やら思考整理が大半のため、たぶん本の参考にはなりません
悪しからず…
■アンリ・ルソー
「夢」
ルソーの絵は技術的には稚拙と言われるが、色彩が素敵で何故か心がウキウキする
不思議なときめきをもたらせてくれる
ルソー自身は家庭に恵まれず孤独な人生を送ったはず…
税関職員だった彼は誰にも師事せず、独学で自分の才能を信じ描き続けた
ゴッホ同様、生前はあまり評価されず、死後に評価が上がったアーティスト
彼の人生はあまり楽しそうじゃないけど絵はユーモアを感じる
■オーブリー・ビアズリー
「おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン」
サロメの挿絵
お恥ずかしいながら初めて知ったこの作品
何となく見覚えがある
そして一目で気に入った!
サイケで毒々しいがセンス良くお洒落なのだ
軽く調べてみると…
・耽美主義ムーブメントの中心人物
・アール・ヌーヴォーの創始者としても位置づけられている
・日本の浮世絵や平面画の影響が強い
とある
いやーこれは深追いしたくなる!
そしてサロメも読まなくては!
ワクワク
■ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
「聖マタイの召命」
カラヴァッジオはかなりお気に入り
インパクトのある「ゴリアテの首を持つダビデ」
まさに彼の精神を反映しているであるが、ただグロいだけではなく彼の心の闇と葛藤が見て取れる
そうカラヴァッジオの人生はなかなかひどい
暴行、喧嘩、殺人…そして逃亡
そんな感情の起伏の激しさを絵にぶつけているのであろうか…
闇は深く、光は鋭い
そして写実感は見事
■ピカソ
「アヴィニヨンの娘」
左から5人の女性像
左はかろうじて女性とわかるが、右に行くほど歪んでいく
もう一番右の方なんて怪物ですからね
ピカソの何が凄いって人々の常識を覆すことをやってのけたところだ
そういうのを知らないとこの絵の良さは理解できないよなぁ…
一方の「ゲルニカ」
個人的にピカソの作品で一番好きなものだ
中学の授業で初めて「ゲルニカ」に出会う
絵の背景を知り、戦争に対する強烈なメッセージを感じ、いつか本物を見たいと思っていた…
そしてその15年後にスペインで本物を鑑賞
思った以上の大きさと迫力に圧巻
これほど無彩色を徹底していても伝える力の強さに驚いた
■マネ
「バルコニー」
マネといえば落選展に出品された「草原の昼食」
これが好きである
当時は問題となった作品(女神ではない女性の裸体を描くというタブーを犯した作品)であり、
不謹慎だと言われるのだが、それ以上にその場の自然な空気感を収めた絵という感じでなかなか良い
個人的には下品さも卑猥さを感じないため、そのギャップが面白いのだが…
マネの描く自然は柔らかく太陽の暖かみがあり落ち着く
■モネ
「水連」
以前はモネの絵に全く興味を持てなかった
何故か…
それは本物を見たことがなかったからだ
本物を見た瞬間にノックアウトされましたけど(笑)
モネの絵こそは実物を見ないと意味がない
ちなみにマハさんの「モネの足あと」はモネを知るにはうってつけの書だ
■ドガ
「エトワール」
ドガの着眼点が興味深い作品
バレエを踊る少女の背景、舞台のそでに居る黒服の男
こちらはパトロンだという
この夜パトロンは少女を連れ出すのであろうか…
彼女の生活はどんなであろうか
家族はそれを知っているのか…
こういう絵って妄想が止まらなくなる
ただ単にモデルとして美しいエトワールを描かないところがミソ
その他有名どころでは、
「プリマヴェーラ」ボッティチェリ、「最後の晩餐」レオナルド・ダ・ヴィンチ、「真珠耳飾りの少女」フェルメール、アンリ・マティス、ゴッホ、ゴヤ、クリムト、ムンク、東山魁夷などなど
日本で人気のゴッホとクリムト
大きい声で言えないが、未だに良さが理解できない
好みの問題だと思うのだが、いつか何か思う時がきたらそれはそれで面白い
ムンクも以前はなんじゃこりゃ?って思っていたが、彼の作品の多くを展示会でみて結構気に入った(彼は長生きだったからか残された作品が非常に多い)
東山魁夷もなかなかのご苦労な人生を歩まれたようで…これから追っていきたい
以前読んだ「絵」だけを観ることを推奨している「13歳からのアート思考」
こちらを読んだその時はなるほど!と思ったものの、やはり作品の背景、アーティストの生い立ちや考えに触れて絵を観る方が私は好きだ
じゃなきゃピカソやセザンヌの良さなんて全く理解できないもの!
特に現代アートもこの傾向がとても強い
ここに出てきたジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、ブリーダー・カーロ
濃密な彼ら(彼女ら)の人生を反映した作品に仕上がっている
アーティストの背景や生い立ちを知り作品を見ると驚くほど感情移入しながら見ることができるのはまるで何かのトリックみたいだ(良いのか悪いのか…?)
頭でっかちになってはいけないが、これからも自分なりの鑑賞法で楽しんでいきたい
さて本書
原田マハさんの体験談も絡んでいるところは面白いのだが、
もう少し突っ込んだ内容を知りたい身には物足りない
ちょっとタイトルから期待し過ぎたかな
これらに登場する作品や絵をモチーフにした小説がやはり多いと感じるので、マハさん本当に好きなのですねぇ…
ちなみに皆さんのいちまいの絵はどれですか?
コレ結構難しい
好きな画家は挙げられるが、ではいちまいの絵を選ぼうと思うと…
うーん
これからの人生で見つけていこうかな
■最後の晩餐
■睡蓮
■真珠耳飾りの少女 フェルメール
■マドリッド、1808年5月3日 フランシスコ・デ・ゴヤ
■ダンス アンリ・マティス
■夢 アンリ・ルソー
■おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン オーブリー・ビアズリー
ジャクソン・ポロック
マーク・ロスコ
ブリーダー・カーロ
■聖マタイの召命 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
■叫び エドヴァルド・ムンク
■道 東山魁夷