【感想・ネタバレ】いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

アートには、歴史とのすごく深い関係性があることを知った。
時代背景の理解なくして、アートのことは理解できないのだ(アートのことが本当に理解できるわけではないのはわかってはいる)。
歴史が苦手な私が、アートやアーティストと一緒に学ぶとすごく楽しく学べるとは思わなかった。

そして、この本を読んでいるう...続きを読むちに、クレパスで思いっきり画用紙に描きなぐりたい衝動に駆られた。全然絵心とかあるわけではないのだけど。早速、クレパスと画用紙買ってこようかな。
なぜクレパスかというと、私はカラフルな色使いが好みらしいということを、読んでいて何となく認識したのである。不思議。

いつかは、この本に出てくる色んな美術館に行きたい。アーティストごとにじっくり作品の移ろいを眺め、自分のお気に入りを見つけたい。

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Posted by ブクログ 2024年03月21日

とても分かりやすく書かれていて、とても美術を好きになる文章。頭の本当に良い人の書く文章ってすごいなと改めて感動しました。美術史を大学で学んだ私は、美術の初心者とは言えないけれど、長年にかけて学んだことよりも、こちらの一冊をしっかり読めば良かったんじゃない?(笑)と思うほど、原田マハさんの知識の深さや...続きを読む、書きたいことは他にも沢山あるだろうに、要点をしっかりとまとめて書き上げるところに感激します。

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Posted by ブクログ 2023年11月25日

世界の美術館へ行きたくなる!
1枚の絵について、マハさんとの思い出と、画家のストーリーと、その絵がそこに在る理由…短い文章でここまで惹き込む力はさすが!

手元に置いておきたい一冊!

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

その時代の環境や作者の想いなど、絵の背景を知るだけで、これほどまでに絵を面白いと感じ、絵に感動したのは初めての経験だった。

美術館に訪れたことはあったが、上手いな〜すごいな〜しか感じたことがなかった。
しかし、この本を読んで本の背景を知り、作者の思いや他にどんな気持ちでどんな絵画を描いたのか知りた...続きを読むくなった。

これからヨーロッパに行く予定や美術館に寄る予定があるから、寄るまでに背景知識を知りたいと思う。

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Posted by ブクログ 2022年02月20日

26枚の絵。知っている作品や初めてのものも。
その絵を見た時のマハの感想や絵が描かれた時の作者やその時代から、絵に親しみを覚える。

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Posted by ブクログ 2022年01月07日

「生きてるうちに見るべき名画」本当かな?と思ったけどさすがマハさん、納得です。時代の転機となった作品をピックアップしてるのかな。東山魁夷の「道」が描かれるエピソード読んで1発で好きになりました。

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Posted by ブクログ 2021年02月21日

原田マハさんの紹介する26枚の絵。
マハさん自身のその絵との出会いと、それぞれのアーティストの歴史、名画が誕生したエピソードが綴られる。

ピカソ、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ポロック、マネ、レオナルドダヴィンチ、クリムト、ピアズリー、ムンク…。

多くの人に知られた有名人な...続きを読む絵を始め、私でも知らない絵も収録されていて、純粋に勉強にもなる。

巻頭にはそれぞれの作品の画像がカラーで掲載されていて、本文と照らし合わせて読み進めることができる。
大変お得で粋な一冊だ。
新書本というよりは、マハさんプレゼンツアート図録というような感じ。

何よりも、マハさんが、本当に小さい頃からアートが好きだったと言うのが伝わってくる。

弱冠10歳の時に、倉敷の大原美術館でピカソの「鳥籠」と出会った。それが始めてのピカソ体験だったというエピソードが印象的。きっとそのとき、子供のマハさんにも電流のようなものが体に流れたんだろうな。

私も子供の頃から絵は好きだったけど西洋絵画はその時難しくて、興味なかったもんな…。やっぱり、マハさんとアートは、特別な絆で結ばれているのだ。

今まで読んだマハさんのアート小説にも登場した、モネ、ピカソ、ポロック、ピアズリーは、特に思い入れを感じた。小説のことを思い出し、また再読したくなった。

そして、最終章には、唯一の日本人。東山魁夷。
東山魁夷も、マハさんの小説の中でたびたび登場する。

長野県の農業を描いた「生きるぼくら」では、茅野の御斜鹿池を舞台に描いた東山魁夷の代表作「緑響く」が印象的に登場する。それに、「異邦人」でも名前が出てきたな。

本書で紹介されている東山魁夷の作品は、「道」という絵。
初めて見た。マハさんは、この絵を見て、自分の進む道への決心にもつながったという。この作品は、マハさんにとって特に特別な出会いだったんだなぁ。

先日、アートと旅が好きな私のピアノの先生にマハさんを紹介した。
「ジヴェルニーの食卓」と「生きるぼくら」を紹介した。すごく興味を持っていたので、気に入ってくれたら良いなぁ。
この本も今度紹介しよう。あと、「異邦人」と、「さいはての彼女」と「サロメ」も良いかもなぁ。
周りにマハさんのことを語れる人がいないので、すごく話したい…!

と、いうことで今回もマハさん愛が止まらず、長めの文章になってしまった…

この本、買おうかな。
きっとまた読み返したくなる。

緊急事態宣言が解除されたら、私も美術館に行こう。

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Posted by ブクログ 2021年01月03日

有名な絵もそうでない絵も、原田さんの丁寧な説明で一枚づつ記憶に刻まれる。絵の解説なのに小説を読んでいるみたいだし、原田さんの小説に悪い人がほとんどでてこない様に、どの絵に対しても温かい眼差しが注がれている感じ。例えばピカソ。アヴィニヨンの絵が美術史を変えた、みたいな話は何度聞いたかわからないけれど、...続きを読むそういう学術的な面のみならず、「超有名だけど本物を見るとやはり心動かされる」という、本当に絵を好きな気持ちが伝わってくる。

備忘録:取り上げられていた絵
ピカソ アヴィニヨンの娘たち
秘儀荘 ディオニソスの秘儀
ボンドーネ 聖フランチェスコの伝説
ボッティチェリ プリマヴェーラ
ダヴィンチ 最後の晩餐
セザンヌ セザンヌ夫人
マネ バルコニー
モネ 睡蓮
ドガ エトワール
ゴッホ 星月夜
クリムト アデーレブロッホバウワーの肖像
フェルメール 真珠の耳飾りの少女
モランディ ブリオッシュのある静物
ゴヤ マドリード 1808.5.3
マティス ダンス
ルソー 夢
ピカソ ゲルニカ
ビアズリー お前の口に口付けしたよ、ヨカナーン
マレーヴィチ 黒の正方形
ポロック Number 1A 1948
ロスコ シーグラム壁画
カーロ ティワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの想い
カラヴァッジョ 聖マタイの召命
クールベ オルナンの埋葬
ムンク 叫び
東山魁夷 道


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Posted by ブクログ 2020年12月01日

子どもたちが幼い頃、佐倉の川村美術館によく出かけた。その頃住んでいた八街から近かったからだ。今回、この本を読んで初めて『シーグラム壁画』マーク.ロスコ作を知った。ロスコの意思を汲んで、一室彼の作品ばかりを展示しているらしい。今度の週末是非行ってみたい。

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Posted by ブクログ 2020年11月25日

とっても勉強になったし、また興味が増えた。実際に見るべき名画に会いに行きたい。特に日本にあるものはすぐにでも見に行きたいな。

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Posted by ブクログ 2020年09月06日

ミュージアムショップで手に取り、パラパラとめくっていったら、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」の 事が書いてあって「これは運命だ!」と感じ購入しました。私は川村記念美術館にあるシーグラム壁画(ロスコルーム)の空間が好きで、時々足を運びます。なんとも言えないあの空間。そこで感じる感覚をまさにこの本でマ...続きを読むハさんが説明されてて嬉しく感じました。その他の作品の説明もとても分かりやすく、まだ直接観たことの無い作品も興味が持て、いつか本物に会いたいなと思いました。

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Posted by ブクログ 2020年04月09日

原田マハさん流、1枚の絵との向き合い方。
・直感で感じる
・疑問を持つ
・芸術家の生い立ち、生きた時代背景を知る
・もう一度絵を見る

美術館に足を運ぶものの、どう見たらよいか分からない方にオススメしたい。めちゃくちゃ良かった。

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Posted by ブクログ 2020年03月20日

2016年末に手にした「デトロイト美術館の奇跡」。

破綻寸前の美術館に起きた奇跡を描いた作品に魅せられて、上野の森美術館の「デトロイト美術館展」に出かけた。

美術館に行ったのなんていつ以来だっただろうか。学生時代は、キャンパスに隣接した美術館に頻繁に通っていたのに。

社会人となってからも、都内...続きを読むの美術館を訪れるのが楽しみだったのに。

だが、いつの間にか時間と心の余裕がなくなっていた。


ただただ絵画と対峙して楽しむ。

美しさに圧倒される。

作品の背景を知ることで様々なことを思索する。

そんな大切なことを思い出させてくれ、美術館に呼び戻してくれた著者は、私の恩人の一人であると言っても過言ではない。


専門家としての豊富な知識と経験。

純粋にアートを愛する無垢な心。

それが両立する彼女の作品は、気取りがなくわかりやすい。

「青春と読書」の連載記事をまとめた本書には、28作品すべてがカラーで掲載されている。

アヴィニョンの娘たち、ゲルニカ パブロ・ピカソ

最後の晩餐 レオナルド・ダ・ヴィンチ

セザンヌ夫人 ポール・セザンヌ

バルコニー エドゥアール・マネ

大壁画「睡蓮」 クロード・モネ

エトワール エドガー・ドガ

星月夜 フィンセント・ファン・ゴッホ

アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ グスタフ・クリムト

真珠の耳飾りの少女 ヨハネス・フェルメール

マドリッド、1808年5月3日 フランシスコ・デ・ゴヤ

叫び エドヴァルド・ムンク

道 東山魁夷

「その絵は世界中のどこかの美術館に収蔵されていて、いつでも観にいくことができる。そのこと自体、世界中のすべての人に与えられた幸運であると私は思う」(P42)

「美術館訪問は『遅きに失する』ということがない。そこがいいところなのだ」(P123)

「たったいちまいの絵。そう、ただそれだけである。けれど、そこには光がある。私を、あなたを、私とあなたが生きる世界を変える力が、その絵には秘められている」(P253 あとがきにかえて)

移動が制限されて、人と自由に会うことができない2020年。
美術館だけでなく、あらゆるイベントが中止や自粛に追い込まれる世界的危機と対峙している今。

そんな時に、時間も空間も超えた芸術との対話の機会が得られた。

それは、著者のアートを心から愛する情熱があったればこそだ。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

26点の絵画の解説と、著者の出会いが書かれている。新書なので解説メインかな?と思い手に取ったが、殊の外エッセイ寄り。
著者の絵画をに注がれる目線や愛情が感じられる一冊でした。
画家のエピソードは大分マイルドに書かれているかも

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

一枚の絵。絵が描かれた時代背景や作者背景を知ることが、こんなにも絵を見てみたいと思わせるのか…。美術館に行きたい…。

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Posted by ブクログ 2023年08月03日

「生きているうちに見るべき絵画」の本物に出会いに行きたくなりました。
いや、読んだだけでも、出会った(見た)ような気になってしまっている!マハさんの文章による惹きつけに、もう全部持っていかれちゃっています。

ゴッホやドガが日本画・浮世絵に憧れ、その技法をも取り入れたという点、興味深く読みました。そ...続きを読むの事実は知っていても、一人一人の画家を丁寧に取り上げているマハさんの作品を読んでいると、より親近感がわいて、事実味が増してくる感じがします。

あとがきのことば、非常に印象的でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月21日

美術が苦手で、美術館やアートと言われるものには興味がないとずっと思い込みつつ、時々、食指が伸び、いや、一瞬でもの気の迷いに違いない…と思ったりしてきた。

でも、原田マハさんの小説は大好きで、そこで出てくる数々のアートはやはり気になり…この本を読んで、生きているうちに、このうちの1枚でも見てみたいと...続きを読む思わされた。

特に【ゲルニカ】に関しては、心を打つ。

未読のマハさんのアート小説もまた読んでいこうと改めて思う。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

「生きているうちに見るべき名画」という副題に、大げさな印象を持ちながら読み始めました。

ただ、巻頭の26枚のカラー写真を、1枚
1枚原田マハさんが自身と絵画との出会いと共に、作者や作品の歴史的背景や意味合いを解説してくれている。
それを読む中で、少なくとも6月のパリでモネの睡蓮、ニューヨークでポロ...続きを読むック、千葉のDIC川村記念美術館には行きたくなった。

そう言った意味でも、今後の人生に少なからず影響を与えてくれる1冊。
「生きているうちに見るべき名画」があるのかもしれないと思わされた1冊。

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Posted by ブクログ 2021年11月13日

最初にカラーで絵が紹介されて、
それに対しての内容は
歴史的な背景と御自身の話が、
適度に混ざっていて読みやすかった。
ただ、どうしても題名が
「いまいちの絵」に読めてしまいます笑
むしろ、それも本にして欲しいです!

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Posted by ブクログ 2021年08月15日

26枚の絵画について、その背景にある画家の生き様や社会的状況とともに、作品に出会った原田マハさんの感動が熱くかかれている。どんな美術館にどんなふうに展示されているのか、原田さんが作品に出会ったシチュエーション、などの視点もあり、楽しめた。

とにかく原田さんのアートへの情熱が伝わってくるし、全体を読...続きを読むむとアートの変化の流れも感じられる。表面的には技法やテーマの変化なのだが、その背景に、自由に表現することへの希求があったんだなと改めて感じた。

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Posted by ブクログ 2021年02月16日

この絵たちに
全部 会って
この本読めたら素敵、贅沢やなあ
って思いながら読んだ

何点かは 出逢ってるので
マハさんとの対話ができるから
文章の染み込み方が 違うなあと

マハさんの本をもって 一枚ずつ
会いに行けたらいいな

クリムトの絵に 今 一番会いたいなあ

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Posted by ブクログ 2020年12月23日


つまり、私=鑑賞者が立っているまさにその位置にいたのは、画家、ポール・セザンヌなのである。
あとがきにかえて より

しかし、フリーダにとっては、圧倒的な画力を持ち、民衆を奮起させる壁画の数々をたったひとりで描き上げるディエゴは、愛する夫であると同時に、恩師であり、リーダーであり、ときに子供のよう...続きを読むでもあり、彼女を包み込む宇宙のような存在だった。
二十二枚目 テワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの思い フリーダ・カーロ より

元キュレーター、アート関係の仕事をしていた背景のある作者。絵画をテーマにいくつも作品を出されているので、楽しく読むことができました。連載した記事に加筆修正を加えたみたいで、概ね8-10ページほどなので、空いた時間に美術鑑賞する感覚てした。
映画を観る際に巷で聞く『予備情報なしで楽しみたい』。頭を空っぽにした真っさらな状態が良いとのこと。もちろん、ストーリーのないアクション映画ならわからなくもありませんが、基本的にアートはそうではない、ということなのかな、と。ひとりの作家がいて、生い立ち、成長環境、両親、友人、恋人、技法、時代背景、当時の流行、戦争の影、没後のヒストリーなど、それらが作品にいかように影響が与えられ、作られたかを読み取ることの尊さを伝えている本だと思います。
それは、絵画に限らず、先の映画や音楽、そして小説。特に誰が、いつ、どのようにして、その作品を生み出したのかは本当に重要だと思います。
音楽家に対して政治的な発言はやめろって言う人、たまに見かけます。けれども、左寄り右寄り中立的、といった感じに政治思想も理解しているとより読み取れるようになるんじゃないかな、と思ったり。少なくとも、アートが詳しい人、言語化に長ける多くの方は実践されているんじゃないかと観測できます。

エッセイは、導入部で作品との出会い、邂逅を描き(世界中の美術館の名前が出てきますが行けるわけもなく)、作家の背景、作品の立ち位置、そして作家らしい気づきと彩のある文章で締める形式。
ミューズをただミューズという単語で書くのではなく、三行ほどの文章で美しく表現されています。四枚目のプリマヴェーラも素敵というか、流石でした。
原田マハさんの作品は初期のものしか読んでいなかったので、これを機に何冊か読んでみたいと思いました。

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Posted by ブクログ 2020年04月29日

美術史・技術に疎くても、作品それぞれの特徴や作者の生い立ちがわかり易く説明されていてすんなりのみこめた。美術館へ行きたくなる。なにより、著者のアートへの愛と情熱が伝わってきた。

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Posted by ブクログ 2020年04月12日

著者が影響を受けた26枚の絵について、著者が鑑賞したときの印象の共有、そしてその作者がどのような人であったか、どんな時代であったかの説明が連なっていく。
いい意味で、作家が書いた本だった。明るくて読みやすくて穏やかになる。まさにいちまいの絵を鑑賞しているようだった。
著者の小説が好きなので、こう感じ...続きを読むた印象をもとにあの作品ができあがっているのか〜っと想像しながら読むのが楽しかった。

時代ごとに登場人物メモ。
◆ルネサンス前
・ジョット:1267年。聖フランチェスコ(小鳥の聖人)を生き生きと表現。当時は聖人を人間らしく描くことはタブーだった。

◆ルネサンス
・ボッティチェリ:1445年。プリマヴェーラ
・ダ・ヴィンチ:1500年頃

◆ポスト宗教改革
・カラヴァッジョ:1571年
・フェルメール:1632年。真珠の耳飾りの少女。スカートは何色だったんだろう。赤かなー。
・ゴヤ:1746年。ベラスケスと同じく宮廷画家。1808年5月3日。

◆印象派
・クールベ:1819年。写実主義の始まり。印象派ではないけど。
・マネ:1832年。バルコニー
・ドガ:1834年、アングル派。
・セザンヌ:1839年。セザンヌ夫人。マハさんはこれが特に好きそう。
・モネ:1840年。印象、日の出。睡蓮。
・ゴッホ:1853年。どちらかというと後期印象派かな。
 →ムンクやマティスにつながっていくよね。

◆シュルレアリスムの系譜
・アンリ・ルソー:1844年。「夢」の女性の手、カラヴァッジョの「マタイの召命」に似たものを感じた。マタイ=徴税人、ルソー=税関吏という共通点があるし、意識したのかなーと思った。ピカソに影響与える。
・ムンク:1863年。自然の叫びを聞くまいと耳を塞いでいるという解釈が可能性高いんだって。ゴーギャンやゴッホの「思ったとおりに表現する」作品に触れ、それを自作に取り込んだ。ムンクの場合は、更に一歩踏み込んだ心象風景を描き出そうと試みた。
・ピカソ:1881年
・クリムト:1862年、ジャポニスムの影響。
・アンリ・マティス:1869年。ダンス。ゴッホやゴーギャンの影響。ロシア人実業家に評価される。それまで「どんな色で描くか」よりも「どんな構図で描くか」が重視された欧米のアートルールを打破。それが評価されたのはまさに欧米的だと感じた。

◆モダン
・ビアズリー:1872年。挿絵。
・マレーヴィチ:1878年。黒の正方形
・ジャクソン・ポロック:1912年。シックで好きな作品。俯瞰する視点の獲得。ポンピドゥーセンター、大学時代に行って全然楽しめなかったけど、今なら違う視点でみれる気がする。
・マーク・ロスコ:1903年。他の作者と同じ空間に飾られることを嫌った。DIC川村記念美術館にある。

◆分類できんかった
・モランディ:1890年。知らない画家だったけどなんだか惹かれる静物画。
・フリーダ・カーロ:1907年
・東山魁夷:1908年。まじで好き。

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Posted by ブクログ 2019年12月28日

見たことがある絵も紹介されているし、知らないものもある。
知っているのは、自分の見方と違うところを楽しめるし、知らないものについては、絵を見るところからのお付き合いとなる。

知らなかった画家で一番印象的だったのがモランディ。
「ブリオッシュのある静物」という絵が紹介されている。
のっぺりとした背景...続きを読むに、ブリオッシュと陶器、ガラス瓶が配されている。
質感が違うものが取り合わされていて、面白い。
華やかな色彩も、面白いモチーフでもないのに、妙に心に残る。
この人の個展で、ずっとこの調子の絵を見続けていたらまた印象が変わるのかもしれないけれど…。

「セザンヌ夫人」や「真珠の首飾りの少女」は、モデルとなった女性と画家の関係を読み込み、彼女たちの内面を想像する文章。
この作家の「ジヴェルニーの食卓」に通ずるものがある気がする。

最終章、東山魁夷の「道」を取り上げた文章では、原田さん自身の半生と、画家の歩みが重ねられる。
アートを題材に書き続ける作家の原点が見える一文。

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Posted by ブクログ 2019年09月27日

「絵を見る技術」の後に読んだら余計面白かった!

「青の家」のフリーダ・カーロの話とか、マハさんの小説を読んだ時には知らなかった話も出てきてまた感動してしまった。

原田マハさんは、今の世界で人とアートを結びつけてくれる本当にありがたい存在!

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Posted by ブクログ 2022年06月28日


〜生きているうちに見るべき名画〜

このなかなかのタイトルに惹かれ読むことに
26点の名画が紹介されている

気になった作品をピックアップ
個人的な過去の体験やら思考整理が大半のため、たぶん本の参考にはなりません
悪しからず…

■アンリ・ルソー
「夢」
ルソーの絵は技術的には稚拙と言われる...続きを読むが、色彩が素敵で何故か心がウキウキする
不思議なときめきをもたらせてくれる
ルソー自身は家庭に恵まれず孤独な人生を送ったはず…
税関職員だった彼は誰にも師事せず、独学で自分の才能を信じ描き続けた
ゴッホ同様、生前はあまり評価されず、死後に評価が上がったアーティスト
彼の人生はあまり楽しそうじゃないけど絵はユーモアを感じる

■オーブリー・ビアズリー
「おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン」
サロメの挿絵
お恥ずかしいながら初めて知ったこの作品
何となく見覚えがある
そして一目で気に入った!
サイケで毒々しいがセンス良くお洒落なのだ
軽く調べてみると…
・耽美主義ムーブメントの中心人物
・アール・ヌーヴォーの創始者としても位置づけられている
・日本の浮世絵や平面画の影響が強い
とある
いやーこれは深追いしたくなる!
そしてサロメも読まなくては!
ワクワク

■ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
「聖マタイの召命」
カラヴァッジオはかなりお気に入り
インパクトのある「ゴリアテの首を持つダビデ」
まさに彼の精神を反映しているであるが、ただグロいだけではなく彼の心の闇と葛藤が見て取れる
そうカラヴァッジオの人生はなかなかひどい
暴行、喧嘩、殺人…そして逃亡
そんな感情の起伏の激しさを絵にぶつけているのであろうか…
闇は深く、光は鋭い
そして写実感は見事

■ピカソ
「アヴィニヨンの娘」
左から5人の女性像
左はかろうじて女性とわかるが、右に行くほど歪んでいく
もう一番右の方なんて怪物ですからね
ピカソの何が凄いって人々の常識を覆すことをやってのけたところだ
そういうのを知らないとこの絵の良さは理解できないよなぁ…
一方の「ゲルニカ」
個人的にピカソの作品で一番好きなものだ
中学の授業で初めて「ゲルニカ」に出会う
絵の背景を知り、戦争に対する強烈なメッセージを感じ、いつか本物を見たいと思っていた…
そしてその15年後にスペインで本物を鑑賞
思った以上の大きさと迫力に圧巻
これほど無彩色を徹底していても伝える力の強さに驚いた


■マネ
「バルコニー」
マネといえば落選展に出品された「草原の昼食」
これが好きである
当時は問題となった作品(女神ではない女性の裸体を描くというタブーを犯した作品)であり、
不謹慎だと言われるのだが、それ以上にその場の自然な空気感を収めた絵という感じでなかなか良い
個人的には下品さも卑猥さを感じないため、そのギャップが面白いのだが…
マネの描く自然は柔らかく太陽の暖かみがあり落ち着く

■モネ
「水連」
以前はモネの絵に全く興味を持てなかった
何故か…
それは本物を見たことがなかったからだ
本物を見た瞬間にノックアウトされましたけど(笑)
モネの絵こそは実物を見ないと意味がない
ちなみにマハさんの「モネの足あと」はモネを知るにはうってつけの書だ


■ドガ
「エトワール」
ドガの着眼点が興味深い作品
バレエを踊る少女の背景、舞台のそでに居る黒服の男
こちらはパトロンだという
この夜パトロンは少女を連れ出すのであろうか…
彼女の生活はどんなであろうか
家族はそれを知っているのか…
こういう絵って妄想が止まらなくなる
ただ単にモデルとして美しいエトワールを描かないところがミソ

その他有名どころでは、
「プリマヴェーラ」ボッティチェリ、「最後の晩餐」レオナルド・ダ・ヴィンチ、「真珠耳飾りの少女」フェルメール、アンリ・マティス、ゴッホ、ゴヤ、クリムト、ムンク、東山魁夷などなど

日本で人気のゴッホとクリムト
大きい声で言えないが、未だに良さが理解できない
好みの問題だと思うのだが、いつか何か思う時がきたらそれはそれで面白い
ムンクも以前はなんじゃこりゃ?って思っていたが、彼の作品の多くを展示会でみて結構気に入った(彼は長生きだったからか残された作品が非常に多い)
東山魁夷もなかなかのご苦労な人生を歩まれたようで…これから追っていきたい

以前読んだ「絵」だけを観ることを推奨している「13歳からのアート思考」
こちらを読んだその時はなるほど!と思ったものの、やはり作品の背景、アーティストの生い立ちや考えに触れて絵を観る方が私は好きだ
じゃなきゃピカソやセザンヌの良さなんて全く理解できないもの!
特に現代アートもこの傾向がとても強い
ここに出てきたジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、ブリーダー・カーロ
濃密な彼ら(彼女ら)の人生を反映した作品に仕上がっている
アーティストの背景や生い立ちを知り作品を見ると驚くほど感情移入しながら見ることができるのはまるで何かのトリックみたいだ(良いのか悪いのか…?)
頭でっかちになってはいけないが、これからも自分なりの鑑賞法で楽しんでいきたい

さて本書
原田マハさんの体験談も絡んでいるところは面白いのだが、
もう少し突っ込んだ内容を知りたい身には物足りない
ちょっとタイトルから期待し過ぎたかな
これらに登場する作品や絵をモチーフにした小説がやはり多いと感じるので、マハさん本当に好きなのですねぇ…

ちなみに皆さんのいちまいの絵はどれですか?
コレ結構難しい
好きな画家は挙げられるが、ではいちまいの絵を選ぼうと思うと…
うーん
これからの人生で見つけていこうかな






■最後の晩餐 
■睡蓮
■真珠耳飾りの少女 フェルメール
■マドリッド、1808年5月3日 フランシスコ・デ・ゴヤ
■ダンス アンリ・マティス
■夢 アンリ・ルソー
■おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン オーブリー・ビアズリー


ジャクソン・ポロック
マーク・ロスコ

ブリーダー・カーロ



■聖マタイの召命 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ

■叫び エドヴァルド・ムンク 
■道 東山魁夷

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Posted by ブクログ 2020年12月13日

ルソーの夢、ピカソのゲルニカなど、『 楽園のカンヴァス』を読んでいたので、とくにそこにでてくる作品について知れて良かった。また、本書の解説を読んではじめて『楽園のカンヴァス 』の主人公が著者に準えられていることに気づいた。

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Posted by ブクログ 2020年02月15日

★原田マハ氏の解説で、美術史を変えた26枚の絵画を味わえるなんとも贅沢な本。最後は東山魁夷氏の人生と、原田マハ氏の人生が交錯する。

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Posted by ブクログ 2019年11月01日

一枚いちまいの絵画に対する作者の向き合い方を伺い知ることができた。美術館を巡っていると、時にある作品に目を奪われることがある。そんな瞬間の心の機微、そして作品の裏にある物語を、原田マハは鮮やかに描き出してくれる。

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