織守きょうやのレビュー一覧
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ネタバレ記憶屋(Ⅱ)からの続きの毬谷柊の話。
毬谷柊視点からの話になってから 一気に引き込まれた。砥上への執着からの嘘。
もうなんか恋愛物を読んでるようなドキドキハラハラ感が半端なかった。
『一里』での里芋の煮物。あの時点で嫌な予感はした。女性客に声を掛け テリーさんに電話した時点で もう嫌な予感が当たってるんだろうな…って分かったけど なんかもう毬谷柊のパニクり具合から こっちもハラハラしてしまった。見えなくなった角でしゃがみこんだ時 砥上が来るのかと思ったら まさかのマンションに来てたとは…。
マンションでの十六年越しの「仲直り」。最後には思わず涙してしまいました…。仲直り出来て良かったね〜…。そ -
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連続殺人犯が同じマンションにいる!?
24年前にも同じような連続殺人があり、今回の事件はその犯行を模倣しているよう…。
主人公はフリーライターの小崎涼太、その姉の今立晶の2人組かな?
2人の視点を変えて事件を探っていく展開が読者にも分かりやすく、犯人ヒントも小出しで出てきて推理しながら読むのが面白かった。
また元ヤン姉の男勝りな言動や行動も面白い。
真犯人や過去の事実など最後までしっかりと回収されるので読後にモヤモヤは残らない。
ただ、真相解明のチャプター5は少しグダグダ話が長い気がした。特にどんでん返しはないけど、思って通りの犯人、過去の真相も予想を裏切らない着地点で良かった…。しかし -
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有栖川有栖デビュー三十五周年記念トリビュート
錚々たる作家が7人も参加していてすごく豪華な短編集
「昨今のミステリ界を牽引する作家の中には、世代的に有栖川有栖作品に親しんだ経験を持つ人が多いことに着目」した企画とのこと
有栖川有栖作品には魅力的なキャラクターが多く存在するので書きやすくもあり、書いてみたかったのではないかと思う
有栖川有栖らしさの完成度で言うと
『クローズド・クローズ』 一穂ミチさん
『縄、綱、ロープ』 青崎有吾さん
『型どられた死体は語る』今村昌弘さん
は上手かった が、上手いだけに所々で本家らしくない違和感のある表現が気になってしまう
でもまたそれも良しと思える
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有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート企画に参加した作家たちのアンソロジー。
名だたる作家の完成された作品に有栖川先生の幾つかの本をもう一度振り返りたくなるほど。
何も知らされなければ有栖川先生が書いたのでは…と思いそうでもあり、とても楽しめた。
各々作家さんのこれまでのイメージが少し違って見えたりして短編であるのが残念なほどで、もっと堪能したかったという気分。
個性が光り、それぞれの特徴も魅力もあった。
どれも良かったが、一穂ミチと夕木春央が特に好き。
○縄、綱、ロープ〈青崎有吾〉
○クローズド・クローズ〈一穂ミチ〉
○火村英生に捧げる怪談〈織守きょうや〉
○ブラックミラー〈白井智之 -
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5人の作家による、「お酒」にまつわるアンソロジー。
粒揃いの楽しいアンソロジーだった。
続編「おかわり」も読みたい。
そしてもちろん、お酒も飲みたーい。
織守きょうやさん、初読。「ショコラと秘密は彼女に香る」は、リキュールボンボンと、お酒をたっぷり使ったお菓子。甘〜い。
坂井希久子さん「初恋ソーダ」は、果実酒。長く熟成されて美味しくなる。ひとつとして同じ味にならない。甘いだけじゃない。フレッシュなだけじゃない。タイトルの甘さを、気持ちよく吹っ飛ばされる。
額賀澪さん「醸造学科の宇一くん」は、日本酒。農業大学を舞台に、実家の酒蔵の酒の美味しさを初めて知る女子学生(でもまだ未成年)小春と、 -
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「本の話ポッドキャスト」で絶賛されているのを聴いて、本作を手に取りました。江戸の町の捕物帖に現代ミステリーが加味された、味わい深い連作が並んでいます。
各話の重要な場面と思われる節の始まりには、決まってアスタリスクの代わりなのか、内側が白色、外側が黒色の二重丸が配置されていました。これってなんだろうと考えていたら気がつきました。もしかしたら、本作の副題にある蛇目の佐吉の「蛇目」のマークなのでは?と。
そういう目で見てみると、この二重丸の後には、主人公の岡っ引き佐吉がミステリーを解く上で大事な話が展開していて「お、きたきた!」なるのでした。