あらすじ
本格ミステリ×捕物帖! 大胆トリックの意欲作
本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。
「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。
ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。
佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。
下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?
町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――
新婚早々に殺された妻と消えた夫。
死体のそばに二十四文銭を残す辻斬り。
寿命が尽きる寸前に殺された男……
男たちの意地。女たちの覚悟。執念と因縁が渦を巻く。
江戸を舞台に仕掛ける大胆不敵なトリック。
著者渾身の時代物本格ミステリ連作集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最近話題だった、ライアーハウスの殺人の著者さんの1冊。
本格ミステリー×捕物帖、という触れ込みが気になって読んだが、5編の連作短編集で読みやすくすごく面白かった!
岡っ引きの主人公は特に役に立ってる感じは無かったが、それを支える相棒や他の登場人物はしっかりとキャラがあって読み飽きなかったし、確かにジャンルとしては捕物帖なのに犯罪の動機が現代っぽかったり、逆に今だったら考えられない結末もあったりと新しい視点で書かれているのも面白い。
特に5番目の「弔いを終えて」が良かったな〜
これシリーズにならないかな
もっと読みたい!
Posted by ブクログ
新人岡っ引きとお洒落医者の若先生のバディ捕物帖。全部でいつつの短編でできており、長さもちょうどよく読みやすさは抜群だった。そこまで難しい時代用語はほぼないため、すっと江戸時代の世界観に入れる。他の時代物ミステリとちょっと違うのは、性差別ゆえの悲劇だったり、自分のやりたいことを貫く話だったり、割と現代でも通じる話題が多かったこと。とても面白かった。
Posted by ブクログ
人は見かけによらない。
真実が分かって良かったと思う話もあれば知らないままでというか知らないフリして夢を応援したいと思う話があったり。
恥だからと息子でさえ切り捨てられる。
経緯が経緯とはいえ何とも。
Posted by ブクログ
本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。
「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。
ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。
佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。
下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?
町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――織守きょうやさんの時代小説。面白かったです。続編もありそうなので、楽しみです。
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江戸の若い岡っ引きの佐吉が主人公の人情ミステリー。面白かったっというのが第一印象。5篇からなる中篇集だが、1話1話のキレがたっていてまだ読みたいと思った。
Posted by ブクログ
面白かった〜!
シリーズ化してくださいm(_ _)m
表題作のまぼろしの女の正体がびっくり…
あれ以上の始末はなかったろうし、悪党ども死んでいいけど、遺された奥さんが辛いよなぁ
Posted by ブクログ
「本の話ポッドキャスト」で絶賛されているのを聴いて、本作を手に取りました。江戸の町の捕物帖に現代ミステリーが加味された、味わい深い連作が並んでいます。
各話の重要な場面と思われる節の始まりには、決まってアスタリスクの代わりなのか、内側が白色、外側が黒色の二重丸が配置されていました。これってなんだろうと考えていたら気がつきました。もしかしたら、本作の副題にある蛇目の佐吉の「蛇目」のマークなのでは?と。
そういう目で見てみると、この二重丸の後には、主人公の岡っ引き佐吉がミステリーを解く上で大事な話が展開していて「お、きたきた!」なるのでした。
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駆け出し岡っ引きの佐吉が、着道楽の若医者秋高と、不可解な殺人事件に挑む短編集。
身元不明な女の殺人事件を追うが下手人が次々殺される「まぽろしの女」
2人の男と1人の女の3つの死体、何が起こったのか「3つの早桶」
結婚を控えていた女の首無し死体と消えた婚約者「消えた花婿」
連続辻斬り事件の犯人を追う「夜、歩く」
死を間近に控えながら殺された恩人の謎を追う「弔いを終えて」
時代ものは若干苦手意識を持っていたけれど本作は文章が簡潔で読みやすい。未熟を自覚しながら謙虚に真摯に事件と向き合う佐吉の人柄、友人秋高との信頼関係(エモい)、佐吉のしっかりものの姉おふくと主要キャラクターが皆好ましく、度々挟まれるおふくの店での飲食描写が楽しい。
半面各事件の真相はやるせないものもあり、特に(帯にあるように)女性達の覚悟や決断が印象深い。今の時代に書かれた時代小説。続編が楽しみ!
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人が罪を犯す過程。裁く側も時代的に法律で裁けず、大岡裁きだったり、力ある人に都合よく結末がもたらされたり。人と人との間でおこることの生々しさ。
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時代小説ではありながら現代でも問題になっているテーマを、岡っ引の佐吉が医師の秋高と解決してゆく。
復讐の娘、武士の妻、花嫁、母親、妻、の五人を五者五様に事件の中から導き出す。
清濁併せ呑む的な結末は、殺人が絡みながらも人情に重きを置き、現代の科学捜査にはない趣きがあった。
話のテンポが少し緩い感じがするのは、江戸の岡っ引の調べ故と思えば納得な小説だった。
Posted by ブクログ
亡くなった父親の後を継いで岡っ引きとなった二十歳の佐吉と、同じく若い町医者の浅葉秋高(しゅうこう)コンビか解き明かす、五つの事件。
顔のない死体や正当防衛や辻斬りを装った事件など、本格ミステリーにありそうな題材を捕物帖に取り込んでいるのが面白い。
佐吉と秋高も良いコンビ。
佐吉の未熟さを秋高の医者としての目が補い、下っ引きの仁造らの助けや佐吉の懸命さで謎解きに挑んでいる。
個人的には『消えた花婿』が一番良かった。
陰惨な事件ではあるが、どこか清々しさがあった。
事件の真相も予想できた先にさらに一捻りあって楽しめた。
時代物でありながら、現代的なテーマも盛り込んであって新鮮だった。
物足りない点としては、仕えている同心・須永とのやりとりがほとんどなかったこと。
岡っ引きと同心という関係性の捕物帖を多く読んできたので、同心がクローズアップされないのも新鮮かも知れない。
読みやすい作品なので、時代物を読み慣れない方も挑戦しやすいと思われる。
Posted by ブクログ
駆け出しの岡っ引きと若医者が事件の謎を解き明かしていく時代物ミステリー短編集。
時代物にしてはわかりやすい言葉遣いで読みやすかった。短編なので謎解きまでの展開は少なめだなぁ。少々物足りなさを感じた。
Posted by ブクログ
【収録作品】まぼろしの女/三つの早桶/消えた花婿/夜、歩く/弔いを終えて
亡父の跡を継いだ駆け出しの岡っ引きと、友人の医師コンビの捕物帖。
時代物に現代風アレンジが加えられているというか、ミステリを時代物風にした感じがする。
なんで名前を佐吉にしたんだろう。
Posted by ブクログ
感想
初めての作家さん。
含みをもたせた結末が、とても新鮮。
時代小説というよりも、推理小説に属する方がしっくりくる。どのお話も凝った展開でなかなか面白い。次は現代推理小説を読んでみたいな。
余談
装丁の花柄がかなりワタシ好み。どなたかのデザインか特に記載がないから分からないのが残念。。。
Posted by ブクログ
ミステリー前面の時代小説です。
岡っ引きの佐吉は父親が急逝し、若いのに❝親分❞と呼ばれることに慣れないでいます。ある時、若い女性の遺体が惨たらしい有様で発見され、佐吉は町医者の秋高(しゅうこう)と犯人を捜していきますが ―― 。
表題作『まぼろしの女』、とても良かったです。
『夜歩く』は辻斬りの犯人を捜していく話で、犯人と対峙する場面の緊迫感が良かったです。
どの話も一筋縄でいかない結末で、中には苦さを感じるものもあり、それが織守さんの作風なのかなぁと他の作品にも興味を持ちました。
Posted by ブクログ
時代小説のミステリ短編集。
うーん。まあ・・・つまらないというわけでもないんだけど、現代のテイストを時代小説にあてはめてるなー感がなんとも。設定というか背景こそ江戸時代だけど・・みたいな。時代小説らしさというか、その楽しみがちょっと薄目。近代でも現代でもよくね?という。トリックも凡庸だったし・・
ただ現代小説だったら罪を犯して見逃すみたいな展開はまあないだろうからそこだけは違いとして際立ったかなとは思った。