織守きょうやのレビュー一覧
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ネタバレ割と始めにある塩澤の“今も好きだ。一生伝えるつもりはない。”の潔さと覚悟が本編を通してずっと印象に残っている。
恋愛感情以前にスケーターとして惚れている、才能のあるもの同士お互いが特別な存在であり相手に向ける感情の大きいこと大きいこと……
ミラーの体が宙に浮いたとき氷上でのジャンプの感覚を思い出す描写が素敵だった。穏やかに不穏な雰囲気はずっとあったけれど事件の結末までも愛情のようなものが感じられた。キスに煙…一体どのような運びでこのタイトルをつけたのか気になる、煙…煙かぁ………わからん。
織守さんの書く文章はなんか洒落ていて綺麗で読みやすい←こんなことド素人に言われたくないと思うけど -
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この作品、めちゃくちゃ私好みで面白かったです。司法試験に受かっただけでは法律家にはなれず、約1年間にわたり裁判官、検察官、弁護士等のもとで司法修習と呼ばれる研修を受け、二回試験(1日1科目、しかも1科目7時間半!)という過酷なペーパーテストに合格してはじめて法律家になれるそうです。その修習生たちのお話です。
著者の織守さんも元弁護士の方なので、胸に刺さるセリフがたくさんありました。
この本が文庫で発売されたのは去年の6月頃。面白そう〜と買いましたが、長らく積読の山のなかにいて。こんなに面白いならもっと早く読めば良かったと。まだまだたくさんある本たち…。仕事柄、本との出会いが多すぎて減るどころか -
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ネタバレ【あらすじ】
連続殺人、かもしれない。
羊の群れに狼が潜んでいるなら、
気づいた誰かがどうにかしなければ、狩りは終わらない――。
自宅マンションに殺人犯が住んでいる?
隣人の失踪をきっかけに不穏な疑念を抱いた主婦の今立晶は、事件ライターの弟とともにマンションの住人たちを調べることに。
死体はない、証拠もない、だけど不安が拭えない。
ある夜、帰宅途中の晶のあとを尾けてきた黒パーカの男は誰なのか?
平凡な日常に生じた一点の黒い染みが、じわじわと広がって心をかき乱す、傑作ミステリー長編。
【個人的な感想】
犯人が最後まで分からず、どきどきしながら読めた -
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収録作
「屋上からの脱出」 阿津河辰海
閉じ込められた深夜の学校の屋上から抜け出す方法を探せ
「名とりの森」 織守きょうや
入ると自分の名前を奪われる森から、親友を助け出せ
「鳥の密室」 斜線堂有紀
魔女として処刑される前に、塔の最上階から逃げ出せ
「罪喰の巫女」 空木春宵
不可解な仕掛けに囲まれた神社の秘密を解き明かせ
「サマリア人の血潮」 井上真偽
謎の研究上の出口を目指し、失った記憶を取り戻せ
どれも面白い話でした。物語を全て読んだ後にもう一度読んでみると「あっそういうことだったのか!」と気づかせてくれる作者にはもうやばいとしか言いようがないです(笑)また記憶を消してもう一 -
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「嫌な記憶を消して欲しい」こう思ったことは数え切れないくらいあります。
もし現実世界で記憶屋がいたら、記憶を消してもらっていたかもしれません。正直羨ましいと思いました。
ですが物語を読み進めていくうちに「記憶は自分だけのものじゃないんだ」と気づきました。
そして、良い記憶も嫌な記憶も自分を成長させるために必要なもの。未完成のパズルを埋めるための1ピースと同じくらい大切なものなのだと気づきました。
この作品を読み終えた後に自分の過去を振り返ってみると「あの時のアレがあったから今の私があるんだ」と嫌な過去に対してもしっかりと向き合えるようになりました。
このような素敵な作品に出会えて本当に -
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ネタバレ最後の衝撃が強い作品。ホラーというよりも青春小説。
ちゃんと自分で立ってからじゃないと人と向き合うことはできない。誰かに寄りかかって生きていくことはある意味幸せかもしれないけれど、それでは本当の幸せは手に入れられない。「この人なしでは生きられない」はダメ。
頼られて嬉しいなんて、ただの自己満足だった。
人を助けるって本当に難しい。人を助けるって考えているからダメなのかも。いい影響を与えたい、と考えた方がその人のことを真剣に考えられそうだ。
受け入れがたい現実を突きつけられた感覚って強烈だ。
何事もケースバイケース。絶対悪や完全なる正義は存在しない。場合によっては悪と見なされるようなこと -
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感動した。
記憶屋Ⅲまでのを全部含めた感想だけど、
一つ一つの物語が大事なその人のこと想って記憶を消してほしいって記憶屋に頼むのが、凄く感動した。
そして自分のために消した、消してもらったとしっかり明かすのも綺麗事で並べようとしてなくて好き。
物語が繋がっているところも魅力的。
読んでいて、こことここが繋がるんだと思って楽しめて読める
ホラー小説とおもって構えていたが、
そんなホラーじゃなくて、推理系だった、
推理系といっても展開が早く難しいものとは違い、
この小説は展開はそんなに早くなく、難しくなく、
脳を休ませながらじんわりと味わえる小説だなと思いました。
私は記憶屋、記憶屋Ⅱ少し時間がた