織守きょうやのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犯人探しのミステリ小説かと思いきや、純愛の物語でした。
あまりに健気で純粋な想いを抱えて、そして絶対にバレないよう、ずっと心の奥に閉じ込めているので、切なくてちょっとウルっときたりしました。
ある人の死が絡み、勘違いからその純粋な想いが暴走するところも、そこまでするほどに愛しているんだなと思うと、応援せずにはいられませんでした。
そして、そこまでするほど愛しているからこそ、失うことが怖いという思い、だからこそ失う前にそこまでしてでも幸せなまま終わりたいという思いが、胸をギュッと締め付けました。
フィギュアスケートという華やかそうで嫉妬渦巻く世界や、アスリートの現実も描かれており、これか -
Posted by ブクログ
心の中に残るのは、すぐに名前をつけられないような余韻です。劇的なクライマックスの後の衝撃でもなく、巧妙な伏線に打たれる快感でもなく、むしろ、深夜のある時、煙の霧がゆっくりと消えた後に、自分が実はずっとその場に立っていたことに気づくような感覚です。しかし、その間に、何か感情がひっそりと自分を変えていたのです。
この本の最も魅力的な点は、「親密さ」の描写がロマン化されていないところです。キスは救いではなく、煙も逃避の飾りではありません。それらはむしろ、一時的な覆い隠しのようなもの——孤独を隠し、言葉にできない弱さを隠し、さらには自分自身への嫌悪をも隠します。登場人物同士の距離は非常に近いのに、目