普段恋愛ものは読まないけど、短編集でということもあり読んでみました。
一つ一つの物語が個性的で、恋愛×○○の部分でそれぞれの著者の色が出ていて面白かったです。
元々浅倉先生が好きで、今回この本を手に取ったきっかけもそうだったのですが、やっぱり伏線回収?オチが上手な方だと再認識しました。こういう学生の物語で私は変に現実的に考えてしまい、名前を知らずに紹介されることや、全員が訳ありなことある?と自分の中で要らないノイズが入るのですが、話の流れや途中の主人公のツッコミが面白くて、忘れていました。せっかく恋愛ができるチャンスだったのに「不憫だなあ、、笑」と思わず口に出してしまいそうなくらい私も物語の中に没頭してしまいました。
ダイアモンド・ダストの約束は、恋愛リアリティショーをテーマにした物語で、今の時代だからこそ書ける作品だと思いました。恋リアの醍醐味である誰が誰を好きか、この行動は誰への牽制なのか、本当はどう思っているのかということがそのまま心理戦の描写になっていて、すごくリアルに描かれているなと思いました。主人公は、かつてライバルと言われていた相手との実力差に負い目を感じながらも、自分なりに努力し続けているというところで勇気を貰えました。
彼と彼女の穴。今回の4つの短編作品の中で1番面白いと感じた作品でした。主人公の穴に関する夢の描写から始まり、現実に戻る。しかしまた穴の夢の描写に、、と最初は何が何だか分からなかったのですが、最後にはその夢の理由や、途中で調べた夢占いの結果が伏線になっていって満足感のある物語でした。誰しもが心に秘めておきたい事がありながらも、その秘密を知ってもらいたい、でも知られて失望されたくないという様々な方向の葛藤が文字だけでこんなにも表すことができるんだ、、と感心しました。また、主人公の健気さに胸をうたれました。10代に読んで欲しいという意味がわかった物語でした。
最後の運命はかく扉を叩くは、学生の行動を色々な形でよく表せているなと感じる作品でした。同じ行動でも、人によって動機は違い、また見栄を張るための嘘でもあったり、、と本来なら嘘をついて行動している人を見ると、嫌な気持ちになるのですがこの作品ではユーモアにかつ、共感できるような内容で書かれているため、ポップに読むことができました。最終的に、理想の2人がくっつくことが出来ていて、個人的にそこがとても嬉しかったポイントです。
どの作品も恋愛が主でありながらも、たくさんの状況や描写を用いて描かれているものなので、飽きずにすぐ読むことができました。面白かったです。