織守きょうやのレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。
「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。
ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。
佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。
下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?
町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――織守きょうやさんの時代小説。面白かったです。続編もありそうなので、楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間の怖さも、霊的な怖さも感じられる短編集。
幽霊刑が実在するならば、どのように受け止められるのだろうか。結末を知ると、読み始めとは全く違う感想を持つ。「更生」に成功したといえるのであれば、意味はあるのかもしれない。だが、悪夢のようなものは一生忘れられないだろう。
個人的には「目撃者」がお気に入りである。ページを捲る手が止まらなかった。被害者夫と警察、二人の視点から描かれる事件。哀しいけれど、世の中にはこのような事件が少なくないだろう。人間らしいといえばもっとも人間らしい短編だった。
ラストの「五人目の呪術師」は、希望と絶望が混ざりながら、目に見えない恐怖に押し潰されそうになりながら、な -
Posted by ブクログ
ネタバレお?おおお…!すごくおもしろかった!
織守きょうやさんは、有栖川有栖アンソロジーで初めて名前を知って、そのときはそこまで記憶に残る作品ではなかったんだけど、館モノはやっぱり惹かれるので表紙買いした。
クローズドサークル定番の、孤島の館モノに憧れる女の子が、自分でクローズドサークルやっちゃお!て計画するものの、自分がやってないのにどんどん事件が進んで、あれ?あれ!?てなってく。
ありそうで、でもなかった。
展開はミステリマニアと刑事が館の招待客なだけあって、みんな用心深いし、察しがいいし、でも疑心暗鬼になったりしないので、読者側として無駄な描写を読む(アリバイとかダイイングメッセージとか今更 -
Posted by ブクログ
ミステリー好きの芦川彩莉はとんでもない額の遺産や孤島を譲り受け、実際にクローズドサークルを作って連続殺人を計画する。以前、ネットサークルで知り合いだった憎いターゲットもいる。殺人に協力してくれる仲間も雇う。端から見てなんか穴だらけじゃない?絶対にばれるよね、という計画が実行され始めるのだが、なんと、自分が殺せなかったのにターゲットは予定通り死んでいた。その後も真犯人がわからないまま殺人が続く。
えっ、これどうなっていくの?という展開。そして、探偵役となった真波の名推理が展開され事実が分かっていくと、こちらも、なるほどな~と感心させられます。そして、更に驚愕の事実が。この最後の展開は読み返しした -
Posted by ブクログ
ネタバレ冤罪をテーマにした探偵捜査小説。中盤は捜査プロセスが冗長的で内容も起伏に乏しく、あくびを噛み殺しながら読んでいると、ひさびさに背筋が凍るような読書体験をしました。それも衝撃は2度やってくるのです。これは油断していて良かった。
周りが敵になっても、たった1人信頼し続けてくれる人がいるだけでどれだけ心が救われるのか。というようなことを想像してしまいました。
【以下ネタバレ】
よくよく考えるとタイトルがあまりにも攻めすぎているため、鋭い方は早々に気付くかもしれません。それでも脅迫手紙の中の1通の内容が実に巧みに真相を覆い隠しています。怪しい人物は指摘できるかもしれませんが、その人物