芦沢央のレビュー一覧
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彩瀬まるさん、20作目
アンソロジー「鍵のかかった部屋」の一作
「神秘の彼女」
これはミステリーなのかな
大学寮に現れるきんきら大仏
決められたトリック
ー糸を使って外から鍵を閉めた密室ー
そこから5人の作家が全く違ったミステリーを作ったアンソロジー
似鳥鶏さんは、あの一〇一教室しか読んでいなかったので、こんなコミカルなモノも書くんだと驚き.大学サークル内のトラブル「このトリックの
問題点」
石井羊さんは、初めましてですが、優しい雰囲気のあるミステリーを書くなあと
あと食べ物を折り込むのかな「大叔母のこと」
芦沢央さんは、好きな作家さん
この短編も短い中にしっかりトリックアイテムを仕込んで、しかもそれを使ってラストに楽しい仕掛けまで「薄着の女」
島田荘司「世界にただひとりのサンタクロース」
クリスマスの夜の密室
初めてサンタが来た女の子と絞殺された母親
十年前の事件の真相を突き止める
さすがです.一気にアンソロジーの格が上がった -
Posted by ブクログ
ネタバレ群像劇ミステリー。文体も心情も読みやすい上に魅力的だからすらすら読める。
ストーリーラインとしては数人の登場人物の視点で、バレエ劇団(?)HHカンパニーの「カイン」初演の前後2,3日を追う形。同時に、導入部で犯人のモノローグが入るので、導入で死んだ男は誰なのか、犯人は誰なのかを追う形でもある。登場人物達は大体みんな誰かへの憎悪や殺意を持っていて、包丁を握りしめるシーンが用意されている。
ただのミステリーじゃなくて、藤谷豪しかり、誉田規一しかり、天才の心情は語られず、凡才達が苦しみもがく構図になっていた。それぞれの視点で話を追うと話の空気ががらっと変わる。恋人に振り回される女性の恋愛小説っぽかったり、自分の夢をひたすら追う青春(?)小説っぽかったり、恋人の行方を追うミステリーっぽかったり。
天才達の内面は語られないからこそ良いんだけど、でも個人的には藤谷豪の心境が知りたかったな。ずいぶん捻じ曲がった人だったので、ラストとかでもっと捻じ曲がった心境を語ってくれたら嬉しい。笑
犯人の殺害動機(推測で語られるだけだけど)も良かった。なるほどね。
もしここを読んだ人がいたら教えてほしいんですけど、「カインは言わなかった」てタイトル、何を言わなかったのかな。カイン=誠で「(豪が死んでることを)言わなかった」ってこと?
⚫︎あらすじ
公演直前に姿を消したダンサー。
美しき画家の弟。
代役として主役「カイン」に選ばれたルームメイト。
嫉妬、野心、罠──誰も予想できない衝撃の結末。
芦沢央が放つ、脳天を直撃する傑作長編ミステリー!
男の名はカイン。
旧約聖書において、弟のアベルを殺害し、「人類最初の殺人者」として描かれる男──。
「世界の誉田(ホンダ)」と崇められるカリスマ芸術監督が率いるダンスカンパニー。
その新作公演「カイン」の初日直前に、主役の藤谷誠が突然失踪した。
すべてを舞台に捧げ、壮絶な指導に耐えてきた男にいったい何が起こったのか?
誠には、美しい容姿を持つ画家の弟・豪がいた。
そして、誠のルームメイト、和馬は代役として主役カインに抜擢されるが……。
芸術の神に魅入られた人間と、
なぶられ続けた魂の叫び。
答えのない世界でもがく孤独な魂は、いつしか狂気を呼び込み、破裂する。
“沈黙”が守ってきたものの正体に切り込む、罪と罰の慟哭ミステリー。
『汚れた手をそこで拭かない』が直木賞候補、
『火のないところに煙は』が本屋大賞と山本周五郎賞候補。
『許されようとは思いません』続々重版中、
芦沢央が渾身の力を込めて書き上げた超傑作がついに文庫化!
「この小説そのものが、底の知れない沼のようだ。
読み始めたら、逃げられずに沈んでいく恐怖を快楽にかえて、
読み耽るしかない」──角田光代(解説より)
(文藝春秋公式HPより引用) -
Posted by ブクログ
そうきましたか、という感じでバックステージ。
ばらばらとした風景を繋げていく上手さは、いつも通り。
登場人物達が、今の現状に葛藤を抱えているのもいつも通り。
でも、今作は、なんだかハッピーエンド。
序章で、パワハラ上司の不正の証拠を探し始めた先輩後輩コンビ。中野の劇場に入り込むことになるが、そこでは、若手俳優に脅迫状が届いており、高齢女優の認知症が、公になりそうになる。
パワハラ上司は、劇場でトラブルを起こしている。
バックステージでは、登場人物達の思惑と混乱で満ちている。
そして、みーんな大丈夫。上手くいった。
芦沢さんには、珍しい小説でした。