芦沢央のレビュー一覧
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ネタバレ他作品の外伝のようなものもあったりして、一話だけでは何とも。。な作品も。
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
→大人になったら何でもないことが、初めての時はそうだよな、と懐かしくなる。
『大人はすっかり忘れているかもしれないけど、十代の子供にとって、誕生日は大きな節目だ。』
「表面張力」凪良ゆう
→この奥さんを怖い、と思うかどうかは人次第だろうけれど、逆に自分の想いに素直で、かつ波風たてずである意味可愛らしいのではないかなぁ、とラスト夫の想いにもやっとしてしまった。
『どちらも間違っていない。スタイルが違うだけ。』
『誰かを嫌うというのは心の負担になるからだ。…見ないふりをすればいいだけなのに、みんなよく疲れることをするものだといつも不思議に思う。』
『みんな話を聞いてもらいたがる。本当の自分を理解されたがる。』
「これは運命ではない」城平 京
→曖昧なままであるが、そういった作風なのだろうか??
「どっち?」木元哉多
→人の業というかなんというか。。自分が原因だけれども、妻の前での生活が苦しくなって、また他を求めて、と繰り返した結果今度は自分側に仕返しされる未来を想像してしまった。
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海
→ある意味しんどい結末だけれど、彼女が隣にいてくれての謎解きでよかった。。
「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
→二度読み必須。トイストーリーじゃないけれど、これから間違い探しを見るたびに この話を思い出しそう。。 なるほどなぁ。。 -
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ネタバレ凪良氏との対談に登場した本。
最後怖い、との事だが全く予想外の方向性であった。
小学生5年生。中学生ほどではないけれど、低学年のようでも無く、対人関係や個性など他人と比較し始めたような。。
けれど「神様」と呼ばれる彼は本当に別格である。
主人公も割と冷静に周囲を観察するタイプだろうか。
美術の絵の具の回では、道徳の教科書にも似たような話があったのでそうではないか、とも思ったけれど
本当に別の意味での血液だったら酷い虐待だけれども。。どっちだったのだろう?
もしこんな事件がなかったら、主人公の初恋?の思いや行動は全く違ったものになっていただろうに。。
ラスト、小学生時代、自分だったらそこまでの気持ちをもって対人関係に向き合うだろうか。
それとも曖昧なままでは付き合えないからこその神様、なのだろうか。
6年生になっても、同じクラスになったとしたら、どういう風に接したのだろう。
サラリと読めるようでいて、登場人物達の真意は表面上ではつかみきれない。。感想文をかけ、と言われたらものすごく難しい。。
『図工の時間は、いつもちょっとだけわくわくして、同じくらいがっかりする。…頭の中で思い描くものが、どうしても上手く形にならないのだ。…夢中で手を動かして…でも、ふと気づくと、あれ、となっているのだ。…どんな完成形を目指いていたのかもわからなくなり、まあ大体こんなものかとあきらめたところでチャイムが鳴るのだ。』
『「逆に訊くけど、収まった話をもう一度蒸し返して何かいいことがある?」』
収まった、と出来ること事自体が少ない。。凄い。。
『どうして、こんなふうに僕自身にも上手く言葉に出来ない気持ちを言い当てられるんだろう。』
『「見たものをありのままに話しているつもりでも、その人が持っている印相によって話の中で出てくる情報は変わる」』
例の少年探偵の決めセリフがすりこまれてしまっているからなぁ。。ある意味弊害というか。。
『胸の奥が疼くような落ち着かなさ』
『なんで水谷君はこんなにかっこよくできるんだろう。…余計なことなんて、考えていないからだ。』
自覚の無い恋心を、作家さんたちはどう表現するのだろう。
『僕は、こうやって育てられたんだ。…子どもを危ない場所に連れて行きたくない、悪いものから守りたい、とそう当然のように考えてくれる親に。』
『相手に聞いてもらえていなくても、…一人、先に歩いて、後から誰もついてきていなくても構わない。』 -
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短編集。読み始めて知ったんだけど、どれも将棋が題材になったお話だった。小説は内容をできるだけ何も知らない状態で読みたくて、普段から裏表紙のあらすじとか帯の宣伝文句もなるべく目を背けてるんだよね(笑)。帯に羽生善治さんの名前があるのが目に入って、不思議には思っていた!
将棋のことはほぼ何もわからないので、楽しめるかなーと少し不安になりつつ読み進めた。
局面についての描写や、駒がこう動いたらこうなってしまうというような部分は、案の定、ちっともわからないので読み流した感じ。それでもストーリーはちゃんと把握できたし、将棋に関わる人々の情熱と将棋の奥深さを少しだけ垣間見ることができた気がした。意外な展開もあって楽しめた。
「恩返し」が一番好き。「ミイラ」、「弱い者」も好きだな。
読後、帯を眺めていたら、『初回限定! カバー裏スペシャル掌編』と書かれているのを見つけた。うわーと思って開いたら、スピンオフ掌編が内側に。これは嬉しいサプライズ。本編登場人物のその後の姿がうかがえて、とても良かった。 -
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普通分娩か帝王切開か。有痛か、無痛(和痛)分娩か。
そんなもので子供に対する愛情が変わるわけがない。
けれどもそれに対して良いとか悪いとか周りが言うことで産後の母親は自信をなくしてしまうのだ。
小さく産んだこと、病気を持ったこと、早く産んだこと。
悪いことなんかしていないのに、母親は自分を責める。
周りは赤ちゃんのことで頭がいっぱいで、心も体もボロボロになった母親のことは二の次三の次。
それでも母親はこの弱い生き物を育てなければならない。
でも、私に、そんなことできるんだろうか?
自ら子供を取り替えた繭子には同情する。
自分の子供が幸せになって欲しくて、そして少しだけ郁絵への暗い気持ちがあったのだろう。
それが取り返しのつかないことになると分かっていたのに。
子供の心に消えない傷をつけたことは間違いない。
糾弾されても仕方がない。
そもそもどうして誰も繭子に寄り添わなかったんだろう?
本当は繭子の夫の母は気にしてくれていたのだけれど、繭子にはそれを受け入れられないくらい弱っていた。
愛とは、どうしてこんなに難しいのだろう。
いつだって育児は手探りだ。
愛情と思っていたことが違うのではないか、あの時どうしてしてしまったのか、できなかったのか。
本書はそんな悩む親の心の中をさらに掻き乱す。
しかし、そのことで自分の心が整理されるような気もするのだ。
あなたと共に。
小さな手足をばたつかせる我が子を抱きながら自分の心を見つめた。 -
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ネタバレ誘拐事件を題材にしているけれど、ここに登場する人々の心理に引き込まれてハッとさせられることが多かった。一番はやはり被害者の愛子。彼女を通して、視覚を閉ざされた人が被害に遭う危険性の高さについて、その心細さや恐怖について、たくさんのことが伝わってきた。人の手助けが必要なのにどこかで人を信じ切ってはいけないという、相反する感情を持ち合わせて日々生活していくのは想像以上に神経を使うと思う。幼い頃の誘拐事件を通して歪になってしまった家庭が、娘の勇気と自立によって今やっと正しい方向に向かい始めたのかもしれない。愛子の諦めない姿勢には希望のようなものをもらった。とても眩しい。
礼遠はどこか何かが欠落した人物像なのだと思うけれど、妻を捜すためにそこまでするか、と思わずにはいられない。そして優奈も往生際が悪いというか、いつも何かのせいにする癖があって自分と向き合うことができていない。この夫婦は客観的に見るとあの元同僚の意見が正しかったのかもしれないなと思った。
蓋を開けてみればみんな不安や不満を抱えて何かに依存することで生きている、そんなふうに見えた。 -
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2017年 第6回 新井賞受賞
自ら産んだ子を 同日に生まれた他の子と取り替えた母親
ちょっとしたトラブルによる衝動的な行動だった
妊娠中の不安、出産時の苦痛、育児への憂慮
その一瞬の出来心に背景はある
告白する機会を失ったまま、子供達は4歳となる
自分の子ではないと知っている母親と
自分の子供と信じている母親
二人の母親の育児と生活の違いは、考えさせられる 母親に期限があるとすれば子供を預けて仕事をする事ができるのか?日常生活をもっと大切に過ごすのか?
この小説の読みどころは、DNA鑑定により本当の両親が確定した後、二人の子供達と育ての親との分断の場となるのだけれど
取り替えの犯人となる母親は、育てる間の苦悩も大きかったとは思うが 告白だけでは、罪のない子供達の痛々しい辛抱への償いは、終わらない