森絵都のレビュー一覧

  • 風に舞いあがるビニールシート

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    同じ人が書いた作品とは思えないほど一つ一つの物語が全く違う独立した別の小説のような印象だった。共通しているのは自分の大切なもののために懸命に生きている人達。
    大切なものはそれぞれ違うし優先順位をつけるのも難しい。鐘の音の潔のように手放して初めて気付くパターンもある。
    表題作の風に舞い上がるビニールシート、ジェネレーションX、鐘の音が特に好き。

    エドの言葉が印象的だった。
    “仮に飛ばされたって日本にいるかぎり、君は必ず安全などこかに着地できるよ。どんな風も君の命までは奪わない。家を焼かれて帰る場所を失うことも、目の前で家族を殺されることもない。好きなものを腹いっぱい食べて、温かいベッドで眠るこ

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    2025年07月30日
  • 宇宙のみなしご

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     真夜中に人の家の屋根に登って楽しむ陽子とリン姉弟。
     学校の友人関係に悩みながらも、自分らしさを見つけていく。
     キヨスクや七瀬とのほろ苦いやりとりも、この年代だからこそなんだろう。
     すみれ先生の
    「ひとりでやってかなきゃならないこそ、ときどき手をつなぎあえる友達を見つけなさい」の言葉が心に刺さった。

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    2025年07月25日
  • はじめての

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    あまり読んだことのない4人の作家の作品が載っている本でした
    それぞれ4作品どれも特色があって興味深く読むことができました
    そんな中で自分は辻村深月さんの作品が一番好きでした

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    2025年06月30日
  • DIVE!! 上

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    少年はその一瞬を待っていた。
    で始まる飛び込みに魅了された少年達のストーリー。天才ダイバーの祖父の血をひく野生児の飛沫。都会っ子でのほほんとした知季。サラブレッドの要一。
    鬼コーチの夏陽子。めざすは
    ダイビングプール存続をかけたオリンピック!

    あさのあつこさんの解説が素晴らしい。
    巧みさを気づかせない空恐ろしい作家、とはあさのさんの言葉。
    まさしく。
    冒頭の一文で心を鷲掴みされ、
    グイッと物語の世界に持っていかれ、
    登場人物ひとりひとりが生々しく存在する。さらりとそんなことをやってのける作家とは恐ろしい以外の何者でもない。

    まだ上巻しか読み終わっていない。
    オリンピックに向けて
    どう進んで

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    2025年06月29日
  • 出会いなおし

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    年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。

    印象的な言い回しで1話目は文が閉じられる。
    初めて仕事をした時と2回目に仕事をした時では全然印象が異なる「ナリキヨ」さんは、しかし、7年のときを経て、私の目にはどちらの彼もいるように見える。ひとは、ひとと会う時、話す時、きっとそのひとのすべてを一度で知ることはできないんだと思う。2度、3度と回を重ねるごとに印象が変わる場合もあれば、変わらない場合もあって、でも、すべてを知ることはたぶんきっとない。自分自身のことも完璧に分からないように、他者のこともきっと完璧にわかるなんてことは

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    2025年06月27日
  • いつかパラソルの下で

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    日常の中の普通、一大事、どこをとってもそれは人生の一部でしかなくて、些細なことだし大事なことなんだなと思った。
    楽観的にふらふら生きてもいいし、堅物にひたすら真面目に生きてもいい。どんな人生でも誰かや何かのせいにしないで、精一杯生きれば幸せなのかも。

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    2025年06月26日
  • 気分上々

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    いつもながらほっこりするストーリー
    イキのいい人生を求める千春に
    イヅモは言うのです
    「価値ってのは自分で決めてこそナンボでしょ。
    自分にとってなにが大事で、なにがくだらないのか、自分以外のだれが決めてくれんのよ」
    「本当の感情を無視して設けた価値基準に、
    どんな価値があるっての?」

    刺さりました!
    その通りです!

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    2025年06月25日
  • みかづき

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    最後までとても考えた作品でした。
    理想の教育とは何か、いや、教育に正解などないのではないか。
    時代によって変化するニーズや風潮から、私たちはこれまでに多くのことを受け取り受け継いできたように感じます。


    【みかづき】
    親から子、子から孫へ、3世代によって受け継がれる理想の“教育”を追いかける物語です。

    物語は昭和36年、
    日本にまだ塾というものが広く知られていない時代から始まります。
    学校の用務員として働く青年とある生徒の母が学習塾を開きます。2人は後に家族となり、塾も軌道にのっていくのですが、、、

    この時代はまだ寺子屋のほうが多くの人に理解されており、世間では塾のイメージは最悪…文部省

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    2025年06月15日
  • おいで、一緒に行こう

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     2011年、東日本大震災での原発事故により立ち入り禁止になった区域に残された動物たちをレスキューするボランティアさんたち。
     その方々を取材し、共にレスキューへも同行する森絵都さんのノンフィクション作品。
     実際の時系列で書かれているため、リアルで胸が張り裂けそうだった。
     忘れてはいけない事実。
     その事実をくりかえさないために、今するべきことは何なのか。
     私も愛する猫のため、自分にできることを実行していきたい。

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    2025年06月08日
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ

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    バッハの音楽が物語になっていると知り、手にした本。森絵都さんのことは名前しか知らなかった。本当に何気なく手にした本だったので、期待は良くも悪くもなかったのだけれど、読んでとても良かった!中学生くらいの、あの感じを思い出す。懐かしいだけではなく、あの頃の苦しさも楽しさも、二度と味わえない、あの感じ。3つとも良かったが、彼女のアリアが私は1番心に残った。不眠症、虚言癖。淡い恋心。ともすると、ただの淡い初恋物語になってしまうと思うけど、そうはいかない。そんな簡単で単純ではないのが、あの頃のあの感じ、なのだ。彼の苦しさも彼女の苦しさも分かる。だけど、分かったつもりになっていることが、つまらぬ大人になっ

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    2025年06月02日
  • 永遠の出口

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    子どもから大人に向かう過程の、"愚かしいような、いじらしいような、ばかばかしくて目も当てられないような、それでいて真剣な"日々や感情が尊くて、あっという間に読み終わっちゃった!

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    2025年06月01日
  • あしたのことば(新潮文庫)

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    小学生ならではの言葉を飲み込む瞬間が、あるよね〜と思いながら読んだ。けれど舞台が学校、目線が小学生なだけで、大人社会にも当てはまると思った。子ども目線だからこそよりシンプルで、ほっこりする話ばかりだった。
    学校が嫌な時期は、「またあした」って言葉は憂鬱だったけど、大人になると「またあした」っていう機会がほとんど無いから、学校は「またあした」が保証されている貴重なコミュニティだったんだな。たとえ言葉を飲み込んでも、言い過ぎて後悔しても、また伝えるチャンスがあるっていうこと。
    社交辞令じゃない「また」が保証される居場所がいくつかあったら幸せなのだと思った。

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    2025年05月18日
  • 女ともだち

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    前半、あまり好みでない作品が続きましたが、後半すごく良かったです!

    おもしろかった3作品

    「こっちを向いて。」
    分かるー‼︎って話でした。大人になってから友達作るのって難しい。こちらと向こうに友達を作ろうという願望が、まさに同じタイミングで存在しないと成立しない。
    自分が今までに経験した感情が言語化されてる感じで気持ちよくて、そして切なかったです。

    「ラインのふたり」
    いたずらして笑ってはいけないのに全身で笑い出したくなる感じ。笑いすぎてお腹痛くて涙出る、みたいな。そういう時の女子同士の連帯感を思い出しました。
    終わり方も良かった。

    「獣の夜」
    一番好きです。ジビエ、全然興味なかったけ

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    2025年05月19日
  • 宇宙のみなしご

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    とても良かった。娘たちが大きくなって、悩めるteenagersになったらぜひ読んで欲しい。
    こどもたちへの応援歌だと思った。そして、きっと大人も支えられる1冊。

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    2025年05月15日
  • みかづき

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    ネタバレ

    約50年間の塾をめぐる物語。時代が進んでいく中様々な人物の視点から教育の姿を見ることができ、教育について改めて考えるきっかけになった。「みかづき」の意味が物語を通して変化していく様が綺麗で印象的だった。

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    2025年04月27日
  • ショート・トリップ

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    ショート・ショートといえば有無を言わさず星新一と信じて疑わなかったが、この本で言えば「安心して読める」というのが良い。聞けば中学生用に書かれているものだという。しかし、成人男性が読んでも十分に面白い。ちょっと不思議な世界観でこのクスッと笑える展開、塩梅がちょうど良い。

    『究極の選択』
    『大きなダディと小さなフランツェ』
    『脱サラの二人』
    『借り物競走』
    『二五〇〇年、宇宙の旅』
    『いとしのローラ』
    『運命ー unescapable journey ー』
    『残酷なお人好したちの里』
    この辺りが好き。

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    2025年04月10日
  • みかづき

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    子供の教育に情熱を注ぐ一家のお話。
    祖父・祖母が出会うところから孫の代までお話が続いていて、登場人物一人一人のストーリーに繋がりや補完性があって、とっても読み応えがあった。
    戦時中の軍国教育から一転、資本主義国家における基本教育法が制定されて、塾の台頭、ゆとり教育、所得格差の拡大と塾に通えない子供達等、各時代における教育の変遷とそれに尽力した人々のお話。

    母が幼稚園教諭の私は、母の苦労とか愚痴を聞きながら、よその子供の面倒を見る教育の仕事は慈愛に満ちた人じゃないとできない、自分には無理って思ってた。(今も思ってる)
    このお話を読んで、子供の成長を間近に見守ることはそれでしか得られない栄養と一

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    2025年04月08日
  • 獣の夜

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    ちょっとヘンテコな短編多めで面白かったです。獣ってそこ?? からそういうこと! となっていく表題作が恐らく小説としては一番収まりがよかったように思うけど、どんどん変な展開になってくわりに読後感が妙にいい「雨の中で踊る」やほのぼのした後題名にグッとくる「太陽」もよかった。

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    2025年03月28日
  • ラン

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     走る理由、いや、人間が何かを一つのことを努力している事柄の理由に正解はない。そして、その理由が途中で変わってしまってもいい。
     いちど決めたことは曲げない。曲がりそうになったら、軌道修正できずにそのまま諦めてしまう。諦めてしまった自分が嫌になってしまう。そんな悪循環を繰り返してきた私にとって、「ラン」は、新しい視点を与え、思考を変えたいと思わせてくれた教科書のような一冊だった。
     人間は簡単に思考を変えることはできない。だからこそ、これからの人生、なにをするにしても立ち止まる前に、立ち止まりそうになった瞬間に、ここに戻ってきたいと誓った。

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    2025年03月23日
  • つきのふね

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    児童小説としての完成度があまりにも高いながらも、大人が読んでも十二分に楽しめる。クライマックスにかけての疾走感は鳥肌モノだった。

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    2025年03月20日