森絵都のレビュー一覧
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ネタバレ「このからくりを知るのに必要なのは一定の時間だけだったのに、夫にはそれが待てなかった。そして、私は夫が待てるようになるまで待てなかったのだ。」p15
「いつもいつも無駄のない動きをする大人たちが、あたしにはときどきうらやましい。おもしろみはなさそうだけど、迷って立ちどまらずにすむ。」p58
「これだけは肝に銘じなさい。幸福など断じて恐れてはいけない。びくびくしている人間を幸福は見くびり、もてあそんだ末に身をひるがえす。」p140
名前の呪縛に人生を翻弄されたからこそ、自分の子供に宛てた手紙、「外の世界に踏み出せばごまんと他人がいる。何者にも縛られることはありません。」という言葉の重みが感 -
Posted by ブクログ
とある女の子の小学生から高校生までのお話
以下、公式のあらすじ
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「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。黒魔女のように恐ろしい担任との闘い。ぐれかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんにくだけちった高校での初恋…。どこにでもいる普通の少女、紀子。小学三年から高校三年までの九年間を、七十年代、八十年代のエッセンスをちりばめて描いたベストセラー。第一回本屋大賞第四位作品。
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小学生のときの浮いた子の話は何とも苦々しい気持ちになる
そんなテイストの小説か -
Posted by ブクログ
人は人に何回も出会い直す。
これから先の未来が楽しみになるな
「わかりあうために必要な年月もある。
人は生きるほどに必ずしも過去から遠のいていくのではなく、時を経ることで初めて立ち返れる場所もある。」
「年を重ねるということは同じ相手に、何回も出会い直すということだ。会うたびに知らない顔を見せ人は立体的になる。」
解説
「人はそう簡単にわからない生き物。
たとえだんなに親しい相手だとしてもその一面しか見ていない、もしくは知らないのかもしれない。
他の面を見るためにはある程度時間がかかる。そのために人は同じ相手に出会い直しする必要がある。」
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Posted by ブクログ
大好き森絵都さん!!!!
中学生の頃から読んでいるけど、変わらず心にスッと入ってくる文章と、話の切口。
カブの料理のレパートリーを見たときは思わず「うわ、こんな小説は初めてやわ...」と声に出して、ページをめくっても続いていた時は苦笑した。おもしろすぎる。
手汗が絶え間なく出るという友人の話を聞いた後に読んだ「むすびめ」でも苦笑してしまった、カウボーイの嫁、私もなりたい。
出会いなおし、という言葉をみて、谷川俊太郎を思い出した。「ほんとうに出会った者に別れはこない。」という言葉を。
もう会えない人を近くに感じたり、すごく変わった姿で出会いなおしたり、来世で出会えるかもしれないという希望を