森絵都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ爽やかで、優しい青春。文章も簡潔で、読みやすくて、面白い。
登場人物達のキャラクターがはっきりしていて、透き通るようなわかりやすさ、その人のやさしさ、強さ、主人公や周りの人に対する愛情が感じられて心地よい。人間らしさ、汚さ、弱さのようなものは洗浄されているように思えた。そういう深さのようなものはないかもしれないが、書きたいものに対しては、これでいいのだと思う。
真ちゃんのリズムに関するタイトル回収のセリフにはビビッときた。もうここで終わってもいいくらい、気持ちよかった。いろんな人やことに心を乱されて、現実はままならないし、ぽっかりと空いた未来は不安しかない。そんな中を生きていくための指針としてのリズムを主人公は手に入れて、本当の意味で前を向けるようになる。
すごく良かったな。 -
Posted by ブクログ
小説とYOASOBIの曲、MVと…合わせて楽しむことでそれぞれの魅力が何倍にもなる、すごい組み合わせ。まさに「はじめての」読書体験だった
アンドロイドと所有者の話を描いた島本理生の「私だけの所有者」、鏡写しのような同じ見た目だけど全く状況・中身が違う世界を描いた宮部みゆきの「色違いのトランプ」は、ちょっと切なく、悲しくもあり、愛もありと心動かされた。
そこにYOASOBIの「ミスター」「セブンティーン」という楽曲があり、歌詞全体はもちろん、細部の言葉遣いやMVのアニメーションも原作をしっかり解像度高く表現していて、感動がそのまま音楽でも忠実にあって、何回も聴いてしまう。
森絵都の過去3回同じ人に告白し玉砕済だけと4回目の告白をする一途な女子高生の話「ヒカリノタネ」はとても可愛らしかったし、
辻村深月の家出した女子中学生の話「ユーレイ」は読後優しい気持ちになったし、特にMVの映像表現が好きでより感動した
総じて良かったし、YOASOBIの原作リスペクトと音楽への落とし込み、再現力はすごいと思った -
Posted by ブクログ
【2025年145冊目】
あの時、手を取ったことをずっと後悔している。親友だった梨利と気まずい関係になってから、梨利につきまとっていた勝田のことも疎ましく思い始めていた中学生のさくら。そんなさくらの唯一の居場所が智さんのアパートだった。けれど、智さんの様子はどんどんとおかしくなっていって――。
危なかった、外で読んでましたが泣きそうでした。堪えた堪えた、危なかった。最初はつきまといをする勝田に「何歳であろうが、誰かに付き纏う人間って怖いのね」と恐怖を感じていましたが、だんだんとさくらを取り巻く人間模様がわかってくるにつれ、不思議と勝田への警戒心も薄れていく結果に。
親友だった梨利と距離ができてしまったことに悩むさくら、一人を恐がる勝田、夢と現の中を行き来する智さん、人情家の店長と、少ない登場人物でありながらも、かなりのドラマがある話でした。感情にシンクロして危なかった、最後の手紙も結構ずるい。
これはぜひ道徳の授業とかで取り入れてほしいですね。久々に森絵都さんの作品を読みましたが、やはりどこか心がほっとする気がしました。 -
Posted by ブクログ
#あしたのことば
#森絵都
#新潮社
#YA
#読書記録
言葉にまつわる短編小説。
言葉は大切にしたい。
出すことも
出さないことも
大事な場面がある。
言葉に救われることも
傷つくこともある。
小説を読むことの良さの一つに
誰かの人生を擬似体験できることがある。
ゲームやSNSでは
代わりにならない良さが
小説にはやはりある。
時間をかけてじわじわと
自分の中に言葉を育み続けたい。
#Tomorrow'sWords
#MoriEto
#Shinchosha
#YA
#ReadingLog
A short story about words.
I want to cherish words.
There are important times when it's important to speak them or not.
Words can save us or hurt us.
One of the great things about reading novels is that they allow us to virtually experience someone else's life.
Novels have a quality that games and social media can't replace.
I want to continue to nurture words within myself, little by little, over time.
-
Posted by ブクログ
久しぶりに“本”を読んだ感覚。
私の周りには死ははびこってはいない。というか、常に少し距離がある。現実味を感じられない、というのが一番近いかな。
それもあってか、いざとなると狼狽するのが目に見えている。
後悔をなくすことはできない、と思っている。ただ減らすことはできる。そのことは常に肝に銘じて生きているつもり。
人におすすめしたい本だけど、近い家族を亡くしたことのない私には、その経験がある人がこの本をどう感じるのかがわからないので、気軽には勧められない...
最後の章は電車では読めなかった。
いい本読んだな。
とりあえず、来月少し走ってみよう。 -
Posted by ブクログ
「うんと高いところまで上りつめていくのよ。そこにはあなたにしか見ることのできない風景があるわ」
この台詞から思い出したのは、
「国宝」ラストシーン。
スポーツ小説というジャンルになるらしい。飛び込みという、マイナー競技の話。
しかし、森絵都さんの手にかかると、
スポーツ小説の枠を大きく超えてくる。
人物の描き方、大会のシーンの緊張感の出し方、無駄のない筆致とユーモア溢れる会話と、見事な構成とバランスだ。
下巻では、
オリンピック代表に内定された要一が、敢えて内定を蹴り、仲間と一緒に最終選考の大会へ挑む。この描き方の上手い事!
飛ぶシーンは書かず、ランキングと得点だけを最後に出す。ここで初めて脇役たちのことを詳しく語る事で、ぐっと大会シーンに深みが出る。ピンキー山田がキャメル山田になり、最後は?そう来たか!の
ラスト。
登場人物達と一緒に青春して、
飛び込みに夢中になってる気分で
読んでいたので、
まだまだ終わってほしくない気持ち。
読後も、ずっと熱いものが心に残っているような。仲間に励まされ、仲間を愛し、最大のライバルとして共生していきたいような。そんな気持ちになれる
素晴らしい作品でした。
どんな経緯で、
飛び込みをテーマにしたスポーツ青春ものを森絵都さんが書くことになったのか?
編集者さんが
依頼したのだろうか?だとしたら、
その化学反応は想像以上だったに違いない。
良かったー!!
-
Posted by ブクログ
少年はその一瞬を待っていた。
で始まる飛び込みに魅了された少年達のストーリー。天才ダイバーの祖父の血をひく野生児の飛沫。都会っ子でのほほんとした知季。サラブレッドの要一。
鬼コーチの夏陽子。めざすは
ダイビングプール存続をかけたオリンピック!
あさのあつこさんの解説が素晴らしい。
巧みさを気づかせない空恐ろしい作家、とはあさのさんの言葉。
まさしく。
冒頭の一文で心を鷲掴みされ、
グイッと物語の世界に持っていかれ、
登場人物ひとりひとりが生々しく存在する。さらりとそんなことをやってのける作家とは恐ろしい以外の何者でもない。
まだ上巻しか読み終わっていない。
オリンピックに向けて
どう進んでいくのか?
後半が楽しみで仕方ない。
こういったジャンルの小説を何というのだろう?
何かに取り憑かれたように夢中になっている人々を描く小説が、好きだ。
それが、ピアノでもダイビングでも
辞書作りでも歌舞伎でも、自分が一緒になって打ち込んでいるような錯覚を起こさせてくれる読書体験は尊い。
心地良いしてやられた感がたまらない。
10メートルの高さから時速60キロでダイブし、わすが1.4秒の空中演技にかける、痛くて寒い競技。TVで見てるだけでは
想像のつかない過酷な世界なんだと
初めて知った。
美しいだけではない競技の裏側を知る機会を与えてくれた。
森絵都さん、ありがとー!
下巻にダイブするぞー!
-
Posted by ブクログ
最後までとても考えた作品でした。
理想の教育とは何か、いや、教育に正解などないのではないか。
時代によって変化するニーズや風潮から、私たちはこれまでに多くのことを受け取り受け継いできたように感じます。
【みかづき】
親から子、子から孫へ、3世代によって受け継がれる理想の“教育”を追いかける物語です。
物語は昭和36年、
日本にまだ塾というものが広く知られていない時代から始まります。
学校の用務員として働く青年とある生徒の母が学習塾を開きます。2人は後に家族となり、塾も軌道にのっていくのですが、、、
この時代はまだ寺子屋のほうが多くの人に理解されており、世間では塾のイメージは最悪…文部省もマスコミも悪評ばかり垂れ流すのです。。
大島家の波乱万丈の人生をぜひ多くの方に読んでいただきたいです☺️✨