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Posted by ブクログ
中学時代に心酔していた森絵都さんの作品。カラフル、ラン、DIVE!!などの代表作は読んでいた一方、不覚にもデビュー作を読んでいなかった。
大人になった自身にどう刺さるかドキドキしながら、本を開いた。登場人物、綴られた台詞、文体のリズム、全てが心地よく爽やか。十何年経っても変わらず好きなものがあることは幸せだ。
↓以下内容について
まだ自分の軸というものが確立していない年頃(いい大人でも軸がない人は多いが)様々な周囲の変化に大きく心が揺れてしまう。
そんな時、大人の大人らしいもっともな意見を聞くと、自分だけ周りが見えてないことに気づき途方もなく寂しくなる。そんな感情が自分にもあったことを思い出した。
まっすぐがゆえに激しく悩み苦しむさゆきを見守る家族や友達、先生、林田さん、みんなが温かく、愛に溢れている。
「心のなかでリズムをとる」
素敵な言葉にまた一つ出会えた。
登場人物全員が魅力的だし、物語のその後もみんなが幸せであるといいなと願わずにはいられない。自分の中学時代のことはほとんど覚えていないけれど、中学生ってこんな感じだよね、あるある、と懐かしく感じた。 さゆきのまっすぐな性格、考え方が素敵だなあ。中学校の用務員さんとのやりとりが好き。姉妹の関係もすごくリアル。 さわやかでリズミカルな文体であっという間に読了。
Posted by ブクログ
ママには悪いけど、あたし、今はいい高校よりも海に行きたい。
真ちゃんの家までは歩いて十分。軽く走れば五分で着く。あたしはいつも軽く走っていく。p14
・みずみずしい。少女のエッセイ感があるよね。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。楽しいうそは罪にならないんだから。p41
・ませた女の子だ。
手ぶらで歩く帰り道は、いつもよりずっと体が軽い。心のなかにある重たいものをみんな、こんなふうにどこかに置きざりにすることができたら、気分もずっと軽くなるのに…。p62
・仕事でもこう感じることは多い。
「でもね、仮病ったって、立派な病気だよ。」
「病気?」
「そう、心の」
「…」
「でも、こうやってさゆきちゃんが来てくれるうちは安心よ。だいじょうぶ、きっと明日になったらけろっとしてるから、あの子は。」
おばさんはそう言って、あたしの頭に右手をポンとのせた。
大きくて、あったかい手。
この手のなかで育てられたテツは、もしかしたらあたしが思っているよりも、ずっと強い子なのかもしれない。
一瞬、そんな気がした。p79
・理解者がいることが人を思いがけず逞しくするものなのかしら。
「そうね。植物は考えたりしない。なにかを感じているかもしれないけど。」
「じゃあ、きっと植物はみんな、太陽のことが好きなのよ。考えなくたって、自分の好きなものくらいわかるじゃない。」
本気でそんなふうに思ったわけじゃないけど、口に出して言うと、その通りのような気がした。
植物は太陽が大好きで、その大好きな太陽に向かってすくすく伸びていく。
「そうだといいな。」
「そうだといいわね。さゆきちゃんも、C組のみんなも、好きなものにむかってすくすく伸びていってくれればいいな。」p95
・好きなものは考えなくたってわかる。考えなくたってそこへ向かう。
「あたし、三木先生でよかったよ。たった一輪だけ学校に持っていった花のこと、こんなふうにおぼえてくれる先生でよかった。」
「ありがとう」
先生は今までで最高の笑顔を作った。
休日の朝っぱらから、コスモスの花束を抱えて生徒の家へ自転車を走らせる、三木先生にしかできない特別なスマイル。p96
・いい先生だなぁ。自信がないながらも精一杯生徒のこと考えてる。
いつかあたしが大人になって、本当に海外へ行くことがあったら、長い長い作文を書いて、先生に送ってあげよう。
いいことをたくさん探して届けよう。p98
・こういう風に思えるっていいな。
Posted by ブクログ
森さんの作品は確か何冊か読んでる。
読みやすい文体と、分かりすぎるぐらい、どうなるのかが分かるストーリー。
ただ時々、はっとする言葉に出会う。
本を読んでると、その時自分が求めている言葉と言うのに出会う事がある。
言ってほしい言葉なんだろうと思う。
今回もそれがたくさんあった。
ストーリーは中学生の女の子がかっこいい従兄に憧れて、その従兄が挫折していなくなったことに絶望して。。と、思春期あるあるの心の変化を森さん独有の言葉で綴られている。
自分の思春期も思い出したりして。
似てるなぁ。。いや、ほとんどの人がどこかしら似てると思うんだろうなぁ。皆通ってきた道だからかな。。
何者になるか分からない自分にワクワクしたり、何者にもならないかも知れない自分に絶望したり、未来の事なんて誰にも分からないのに。
あの頃って本当不安定だったなぁ。
なんて、思いださせてくれた本でした。
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小説・文芸
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