森絵都のレビュー一覧
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今は当たり前のものとして受け入れられている民主主義だが、今から80年前の戦後の時期に、当時としては半ば強制的にアメリカから持ち込まれたものだった。
本作で出てくるように、上の立場にある人からの指示で動くことが当たり前だった当時の日本社会において、自分の頭で考えて動くという民主主義の実践の1つが受け入れられるにあたっては相当な長い道のりが必要だったと思う。そして現在においてもそれはまだ完成されていないものだともの思う。
また、現在の日本には、日本も同じく戦争により他国の多くの人たちを死に至らしめたという“加害者でもある”という事実をもっと直視し反省すべきだという意見がある。私もこの意見に賛同す -
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最初に胸に残ったのは「人は気づかないところで、誰かを救い、誰かを傷つけている」という静かな事実。
物語の中で描かれる“色”は、単なる比喩ではなく、世界そのものの複雑さと、そこに生きる私たちの揺らぎを象徴しているように思えた。
この世はあまりにもカラフルで、だからこそ僕らは迷う…
どれが本当の色なのか、どれが自分の色なのか、簡単にはわからない。
主人公の「僕」が他人の人生を通して自分を見つめ直す過程は、まるで自分自身の過去の迷いや、見落としてきた誰かの気持ちをそっと照らし返してくるようだった。
特に心に残ったのは、「誰か一人でも欠けていたら、僕は僕に戻れなかった」という気づき。
人は自分の力 -
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自殺した小林真の下に天使が訪れる場面から始まるこの作品は、空想の世界と実世界のバランスをうまく取りながら読み手を引き込んでいく力があると感じた。30年近く前の初版でありながら、今読んでも古さを感じない、次を読みたくなる構成はさすが。真がポジティブな感情を持つことで、題名となっている『カラフル』を人生の中で実感する場面は言うまでもないが、最終盤の小さくて、些細な希望にも読み手側に『カラフル』を感じさせてくれる読み終わりの爽快感が素晴らしい。元々子どもたちに読んでもらいたくて、オススメから選び、積読本となっていた作品だったが、是非子どもたちにも読んでほしいオススメの作品となった。
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ネタバレ森絵都さん作
本屋さんにて平置きされてたところ黄色い表示が目に止まり購入。
内容は 死んで魂だけになったところを天使から抽選に当たったと言われ、誰かの肉体に入り自分の過ちを思い出すことで、人間としてやり直せる。誰かもわからない人の体に入ってその人の人生をリスタートさせながら自分の過ちを思い出す。
自分の身近な親、子、兄弟ですら いろんな面、色を持っている。キレイな色も暗い色も。
そして、後先や周りなど気にしなければ、ほんとに自由に発言、行動できるが 周りの事を色々考えると抑えている事がたくさんある。そんなことを改めて感じた作品でした。 -
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映画のキャストの印象でもっとソフトなきれいなお話かと思ってた。こんな読み応えのあるものだとは。
塾がまだまだ学校から目の敵にされていた頃、「水泳や体操に通うのは何も言われないのになんで塾に通うのは悪く言われなきゃならないの?スポーツが得意なように勉強が得意になって何がいけないの?」と笑っていた同級生。中学受験さえ珍しかった頃有名私立中学に進学した彼。同じように塾に通ってた私の罪悪感をいとも簡単に取り去ってくれた。
学ぶって楽しい。新たな知識を得るってワクワクする。塾はそのきっかけをくれた。
あれから40年近く経って、好転したことはたくさんある。でも、経済格差で教育格差が生まれたように、住むとこ -
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上巻は何日かかけて読んだのだが、下巻は早く結末まで読んでしまおうと思い、日曜日の1日で読み切った。この土日はたまった仕事を少し片付けようかなとも思ったりもしたが、やりたくないことに時間なんて割くことはできず、ひたすらDIVE!!を読んでしまった(笑)。
飛び込みというマイナー競技を題材にした青春スポーツ小説。構成もしっかりできていて、よくできた面白い小説だと思います。飛び込みというマイナー競技の厳しい境遇、それに打ち込む若者たちの様々な境遇や苦悩を乗り越えようとする姿。どうなるのだろうという気になる展開。どんどんと読み進めたくなる小説です。
青春スポ根好きな人にはおすすめです。 -
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なんらかの罪を犯して死んだ主人公の魂が、自殺を図ったどこぞのある少年が運ばれた病院で、その彼が死んだ直後の体に入って彼となって人生をやり直しながら自分の罪を思い出せというミッションを天使から与えられる。このファンタジックにぶっ飛んでいる設定と、冒頭から読み手は出合い頭にぶつかるわけで、「突拍子の無いドタバタ劇になるんじゃないのかな」と軽い懸念があたまをもたげてくる。ところが、読みやすいテンポや軽いユーモアに彩られながらもきちんとした現実世界の物語なので、辟易として物語に興味を失うことなく、最後まで楽しむことができた。
天使からは、「ホームステイ」だと思え、と言われ主人公は自殺を図った小林真の -
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児童文学で読みやすかった。でも大人の私にも伝わるメッセージがあってよいお話でした!
自分でさえいろんな一面がある。もちろん他人にだっていろんな一面があって、ここにお互いに少しの思いやりがないと、うまくいかない人間関係。よくある。こうだと決めつけるんじゃなくて、少し見方を変えると違う一面がみえてくる。人に限らず自分の周りで起こる事、環境でさえ、違う角度からみると見方が変わる。
人生いろいろあって思い悩むことがあったてしても、少し見方を変えてみよう!
そんなに簡単な事ではないことも多い世の中だけど、人生、白や黒だけじゃなく、案外カラフルよ♪
人生、楽しんだもん勝ちだっ(^-^) -
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これは本屋大賞の候補作品10冊にノミネートされてほしかった!
民主主義について真剣に考えつつも、読者を飽きさせないワクワクするエンタメ作品でした。ぜひ多くの人に読んでほしい。
戦後GHQ占領下の日本で、民主主義が日本人に根付くかどうか実験をすることになります。被験者として選ばれたのは20歳前後の女性たち4人で、教師はアメリカ軍で通訳を務めてきた日系2世のリュウ・サクラギです。
教師でもないサクラギが4人に「民主主義」を教えることになるのですが、最初は笑ってしまうくらい上手くいかないのです。4人は生まれた階層から育ってきた環境、性格までまるでバラバラ。学習意欲が全くない生徒もいます。サクラギは