あらすじ
高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、なんとオリンピック出場だった! 女コーチのやり方に戸惑い反発しながらも、今、平凡な少年たちのすべてをかけた、青春の熱い戦いが始まる――。大人たちのおしつけを越えて、自分らしくあるために、飛べ!
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Posted by ブクログ
僅か1.4秒。一瞬の飛び込みにかけた人々の物語。青春であり、ヒューマンドラマであり、感動できるスポーツものである。いろいろな視点が移り変わり、先の展開が気になって読むてが止まらない物語でした。
Posted by ブクログ
中高生のスポ根物に嵌まれる元気はないなぁと、長い間積んだままでしたが、棚の整理をするぞ!の終活の勢いで読み始めたら、泣いて笑ってのワクワクバロメーターアップ!!
Posted by ブクログ
すごく知らない飛び込みというメジャーじゃない良く知らないスポーツなのにめちゃくちゃひきこまれて続きが読みたくてどんどん進んじゃう。それぞれの登場人物が完璧じゃなくて成長途中で応援しながら読み切った。
Posted by ブクログ
青春のキラキラしたところ、もやもやした鬱屈、
素直になれない気持ち、そういういろんな感情が
読んでいるとスッと入ってきて、
おっさんの身でありながら登場人物の気持ちに
リンクさせてくるのはすごい。
Posted by ブクログ
あっという間に読んでしまいました。青春をひたむきに生きる少年たちが爽やかに目に浮かんできて、ふわっと風が吹いたような気持ちになれました。早く下巻も読みたい!
Posted by ブクログ
純粋に面白いスポコン物語だった。
高飛び込みというマイナースポーツだけど、なんとなくそれが好きな主人公。
食事、友達、彼女等いろいろを制限されながらやっていく。
単独競技の為、仲間もライバルであり、険悪な得もある。
チームスポーツは、レギュラー争いはあるが、個人スポーツよりそこはいいかも。
彼女の扱いが下手で、失って初めてしる大切さ。
愚かだけど、経験がないとそういうものかな。
情熱を燃やして、スポーツにうちこむ人たちを読んでいてすがすがしく思った。
ただ、最後の章は副主人公の物語か?
中国強化特訓の物語を始めてくれると思ったのだけど、その思いとは違った。
主人公が複数うまれてきて少し混乱。
下巻がどうなるか、オリンピックにでれるか、MDCは存続できるか、期待しています。
Posted by ブクログ
新刊の頃、中学生の自分が読んだもの。
東京五輪で板飛び込みをやってるのを偶然見て再度読みたくなった。
中学生の時も思ったけど、続きが気になってどんどん読めちゃう!20年経つと忘れちゃうのでw、続きが気になってネタバレOKどころかハラハラドキドキが嫌いな私はちょっとググって軽くあらすじ調べちゃったwww
Posted by ブクログ
お気軽な軽い部活系かと思っていたら、がっつりと真剣なオリンピックものだった。
登場人物たちの心の葛藤や関係など丁寧に描かれ、競技についても説明がわかりやすい。
先が楽しみで、一晩で一気に読んでしまった。下巻を読むのがワクワクする。
トモのしょっちゅう出てくる失恋話のくだりが大好き!
Posted by ブクログ
スポーツ 友情 家族 恋愛 師弟
飛び込みというスポーツを知らなくても、とても惹き込まれました。1部、2部と主人公が変わりそれぞれの成長や心の変化が描かれています。
場面の映像が自然と浮かんでくるのは、作者の表現が美しいからだろうなと。
Posted by ブクログ
大人になって学生時代を思い出す時、嬉しかった瞬間や成功したことばかり思い出しがちだけど、当時は苦しいと思う時のほうが多くて、1日、1ヶ月、1年の感じ方も今よりもっと長く感じたなあと改めて思い返したりした。
飛び込みはテレビで数える程度しか見たことがないけど、あまりに魅力的でかっこよくて、読み終わった今めちゃくちゃ詳しくなった気分になりました(そんな訳はない)
こんな爽やかで美しい文章、一生かかっても思いつかない…って表現がたくさんあって何回も読みたくなる本でした。
下巻も続けてて読みます。
Posted by ブクログ
少年はその一瞬を待っていた。
で始まる飛び込みに魅了された少年達のストーリー。天才ダイバーの祖父の血をひく野生児の飛沫。都会っ子でのほほんとした知季。サラブレッドの要一。
鬼コーチの夏陽子。めざすは
ダイビングプール存続をかけたオリンピック!
あさのあつこさんの解説が素晴らしい。
巧みさを気づかせない空恐ろしい作家、とはあさのさんの言葉。
まさしく。
冒頭の一文で心を鷲掴みされ、
グイッと物語の世界に持っていかれ、
登場人物ひとりひとりが生々しく存在する。さらりとそんなことをやってのける作家とは恐ろしい以外の何者でもない。
まだ上巻しか読み終わっていない。
オリンピックに向けて
どう進んでいくのか?
後半が楽しみで仕方ない。
こういったジャンルの小説を何というのだろう?
何かに取り憑かれたように夢中になっている人々を描く小説が、好きだ。
それが、ピアノでもダイビングでも
辞書作りでも歌舞伎でも、自分が一緒になって打ち込んでいるような錯覚を起こさせてくれる読書体験は尊い。
心地良いしてやられた感がたまらない。
10メートルの高さから時速60キロでダイブし、わすが1.4秒の空中演技にかける、痛くて寒い競技。TVで見てるだけでは
想像のつかない過酷な世界なんだと
初めて知った。
美しいだけではない競技の裏側を知る機会を与えてくれた。
森絵都さん、ありがとー!
下巻にダイブするぞー!
Posted by ブクログ
小学生ぶりに。
小学校の図書室で見つけてから飛び込みの美しさとスポーツの熱さがずっと印象に残っていた。
さすがにストーリーはほぼ覚えていなかったけれど、きっと小学生のときには理解できていなかっただろう色々な感情が分かるようになっていて自分が着実に歳を重ねているのを実感した。
マイナースポーツも素敵だな
Posted by ブクログ
文庫本の上巻の表紙に描かれている絵が何なのか全く分からなかった。「DIVE!!」という題名の意味も知らなかった。読んでみて、DIVEはダイビング、すなわち、飛び込みというスポーツ種目のことであり、文庫本の表紙の絵は、競技に使われる飛び込み台であることが分かった。
たしかに、「飛び込み」という種目はある。しかし、それはマイナー競技であり、私自身も、オリンピックの「今日の結果」的なダイジェストで観る以外に観たことはなかった。国内、あるいは、国際的な競技会ももちろん開催されているのであろうが、それが放映されているテレビを観たこともない。
「飛び込み」という競技をほとんど知らないのは、私だけではないはずだ。読者のほとんどがそれを知らない。それを小説のテーマにして読ませる、すなわち、知らないことを文章で理解させるというのは、かなりの力技だと思うが、この作品ではそれが成功している。オリンピックを目指す中学、高校の飛び込み選手を描いた小説であるが、ストーリーの中に、日本における競技の位置づけ(要するにマイナー競技であること)、競技場に関すること、飛び込みのルールに関すること、競技の進行と採点についてのルールなどが、さりげなく織り込まれており、読者は、「飛び込み」という競技がどういうものかを読んでいるうちに理解できるようになっている。
私が上巻の中で一番好きだったのは、オリンピックを目指す選手の一人である沖津飛沫が、競技会で敗れ、今後どうするかを考えるために故郷の津軽に戻り、恋人と過ごす場面(場面というには長いが)である。全般的に、割合と軽いタッチで描かれている小説の中で、この部分だけは、沖津飛沫の心を投影してか、重く描かれている。彼の悩みと、そして、その悩みの解消がよく描かれているような気がした。
これから下巻を読む。
Posted by ブクログ
久しぶりに再読。
すっかり大人になってしまった自分には素直すぎて眩しすぎるけれど、ぜひ中高生に読んでもらいたい本。
試合のシーンはドキドキして、先に結果を見ないように隠しながら読んでしまう。そういう本です。
ただ、児童書の場所に置かれることもあるようですが、高校生の登場人物が年上の彼女とセックスにふける、という部分があるので、小学生にはちょっと早いかな。生々しくはありません、全く。
Posted by ブクログ
スポーツの世界でも、美しい花を咲かせようとすればするほどに、どこかにゆがみが生じるものかもしれない、と知季はこのごろ思う。そのゆがみは選手自身の体だとか、心だとか、周囲との人間関係だとかに反映し、何かを損なわせる。何かを奪い去る。テレビで活躍する一流の選手たち。彼らもあの満面の笑顔や、りりしいまなざしや、まばゆい白い歯の下に、激しくよじれた大木を秘めているのだろうか。
「で、なんだおまえ、クラブの仲間にうらまれたのか」
「友達だと思ってたのに、せちがらいよね」
「友達だからだろ。友達だから先こされるとくやしいしうらめしいし、嫉妬もするんだよ。赤の他人ならどうってこともないさ」
三回半にも歯の立たない自分に、一体、何があると言うのか?要一には見本のように正確な美しい舞があり、飛沫には型破りな個性を宿した力強い舞がある。知季は自分が何を持っているのか知りたかった。
だれとも共有できない悩み。
一人で抱え込む重さ。
自力で解決するしかないしんどさ。
「でも、それって飛込みだけじゃなくて、なんでもそうなんだよ。ぼくたちの生活って、いつもなんか採点されたり、減点されたりのくりかえしなんだ。いろんなところにジャッジがいてさ、こうすればいい人生が送れる、みたいな模範演技があって。試合で勝つとか、満点をもらうとか、そんなんじゃないんだよ。もっと自分だけの、最高の、突きぬけた瞬間がいつかくる。そういうのを信じて飛んでるんだ」
目をかけていた教え子に裏切られるのは初めてのことじゃない。コーチの気持ちなど顧みず、彼らは簡単に飛込みをやめていく。怖いから。痛いから。寒いから。勉強がおくれるから。両親が反対するから。飽きたから。だれもがうらやむ宝石のような素質の持ち主でさえ、どこにでも転がっている石ころみたいな理由で飛込みをやめていく。大切なのはすばやく頭を切り替えること。去ったセンスを引きずらず、残った選手に専心すること。
「あたしもおんなじ。なんにも知らない飛沫より、東京のことも知って、競うことも、負けることも知って・・・そんな飛沫のほうがいい」
Posted by ブクログ
坂井知季(さかいともき)
MDC(ミズキダイビングクラブ)に在籍している。中学生。飛込み歴は6年。ダイヤモンドの瞳を持っている。
丸山レイジ(まるやまレイジ)
MDCのクラブメイトで知季と同い年。同じ頃に飛込みを始めた。
大広陵(おおひろりょう)
MDCのクラブメイトで知季と同い年。半年遅れで飛込みを始めた。
富士谷敬介(ふじたにけいすけ)
MDCで中学生と小学生の両方のコーチ。要一の父。元飛込みのオリンピック選手。
中西
元コーチ。クラブが潰れそうだから他に移った。と思われている。
水城真之介(みずきしんのすけ)
MDCを創設。元飛び込み選手。持病の肝炎が悪化し志半ばで死んでしまった。夏陽子の祖父。大手スポーツメーカー、ミズキの元会長。
富士谷要一(ふじたに よういち)
MDCのエース。富士谷コーチの息子。桜木高校の高校生。小学2年生から飛込みを始める。3年連続中学生チャンピオンの実績。
阿部
桜木高校飛込み部顧問。
吉田幸也(よしださちや)
サッチン。知季たちよりひとつ年下。趣味はママさんシンクロの人間模様の観察。選考には参加せず、「サポーター」を務める。高所恐怖症である。
大島力(おおしまりき)
MDCで小学生のコーチをしている。津軽から上京してきた飛沫と同居している。よく喋る。
麻木夏陽子(あさきかよこ)
MDCに新しく来たコーチ。中学生の担当。MDCの創設者水城真之介の孫。アメリカでコーチング技術を学んだ。
坂井弘也(さかいひろや)
知季の年子の弟で、早生まれなので同学年。
坂井恵(さかいめぐみ)
知季、弘也の母親。
野村未羽(のむらみう)
知季、弘也と同学年。中学一年の春に知季に告白して付き合いだした。後に弘也と付き合う。
チクワ
飼い犬。弘也が拾ってきた捨て犬。
坂井 久志(さかい ひさし)
知季、弘也の父親。
沖津 飛沫(おきつ しぶき)
幻の高校生ダイバー。昭和の初めに天才ダイバーと騒がれた沖津白波の孫。
沖津白波(おきつしらは)
伝説のダイバー。出漁中に台風の大波に襲われ転覆し、長男の大海と共に死亡した。
松野清孝(まつのきよたか)
安定した骨太で基本に忠実な演技をするが華がない。高さやスピードに欠ける。
ピンキー山田
本名は山田篤彦(やまだあつひこ)。ショッキングピンクの海パンをトレードマークにしている色白の優男。素質はあるが素質を使いこなす力がない。練習嫌いの我慢知らず。精神的にも弱い。
辻利彦(つじとしひこ)
もともとは器械体操の選手。セコい飛込みをする。
炎のジロー
本名は平山二郎(ひらやまじろう)。失敗率100%のスーパーダイブに挑み続ける。
寺本健一郎(てらもとけんいちろう)
日本飛込み界のエース。実力が突出しており、代表は確実といわれる。精神的に弱い面がある。
西川恭子(にしかわきょうこ)
飛沫の二歳年上の恋人。祖母の文と二人暮らし。以前は男を漁るような恋愛をしていたが、飛沫と付き合いだしてからは一本気になり、その悪癖も止んでいる。
文さん(あやさん)
恭子の祖母。飛沫の味方。
美由紀
飛沫の母。
岬
飛沫の妹。
美波
飛沫の妹。
Posted by ブクログ
好物だからついつい一気読み。大事そうな場面を思いっきりカットして、大事そうな場面に参加できなかった人の話だけ見せるとか、ズルすぎでしょ。わかりすぎるくらいわかるよ、その気持ち。
Posted by ブクログ
こら面白い。
飛込みというマイナーなスポーツに焦点をあてて、
話が進むのかと思っていたが、グイグイ読ませる。
ナメていたが、夢中になってしまった。
なんと言ってもキャラがたっている。
どのキャラも魅力的で、人物像が脳内で動き出しちゃう感じ。
TV版映像もあるみたいだから、見てみよっかなー。
Posted by ブクログ
3.8
→スッキリとした青春小説で読みやすかったです。
飛び込みという競技の事をほとんど知らず、大きなリスクがある事などに驚きました。どの登場人物にも魅力がありました!
Posted by ブクログ
みんな色んな思いで飛び込みをしている。順調でキラキラしている時もある、苦しくて立ち止まる時もある、順調だけど苦しい時もある。他の人が羨ましい時もある、だけどその人だって苦しんでいる。
勝つ度に独りぼっちになっていく。強くなる為に色んなものを犠牲にする。それでも得るものがあるから飛び込みを続ける。辞める人もいる。
映画版を観る前に読もうと手にした本。
当然の事だが、本の方が色んな人のストーリーが書かれていて面白い。映画の方が飛び込みの迫力に感動する。
Posted by ブクログ
「スポ根」青春小説の前編。2021年4月からテレ東系で連ドラ化されると云うので読んでみたが、読み易くて思わず一気読み。知季と要一、飛沫だけでなく、コーチの陽子やクラブメイトやライバルたちも生き生きしてる。映画もアニメも存在すら知らなかった。映画版、主役の3人が林遣都、池松壮亮、溝端淳平って豪華だったんだ。子役で北村匠海も出てたんだ。そっちも見てみたいもんんだ。小説としては後半が楽しみ
Posted by ブクログ
オリンピックなどでなんとなく見ていた高飛び込みを身近にそして興味深く見れるようにしてくれた作品!一気に読み終えた!展開もテンポよくわかりやすい内容なので何も考えずに楽しめる。高飛び込みの技の名前もこの小説で勉強した。
Posted by ブクログ
家にあったから。夏だしちょうどいいかなという軽い気持ちで
読みやすいし、先がきになる。
飛び込みってこんなにマイナー競技だったのね…たしかに、競泳に比べるとあんまり人気ないかもしれない
わたしの拙い想像力ではなかなか飛び込みシーンの想像がうまくできないけど、登場人物はみんな個性的な飛び込みをしてるんだろうなぁ〜
割と知季が好きかもしれない。スポーツ選手っぽくなく、飄々としてるところが好き。でもみんなに失恋に失恋してる話をしまくるところも好き。
飛沫が帰ってから彼女とイチャイチャしてるのは頂けない。青春スポーツ小説としてはわたしは許さない。。(笑)
下巻で、どれほど話が盛り上がるのかに期待!