森絵都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
(後半と合わせての所感)
中1という思春期に差し掛かる頃の生徒たちの1年を見つめたクラス小説。特定の誰かではなくクラスメイト全員をそれぞれの章で取り上げ描いた作品。
クラスには当然色々な子がいるわけで、可愛い子、しっかり者、意地悪する子、だらしのない子、家庭に事情がある子、彼らがクラスで織りなす人間関係は決して綺麗事ではなくて、でもその一つ一つがまさにこの年代の子どもたちにあるよなあということばかり。当然担任もその中で右往左往するわけだけど、1年が経って様々なエピソードを経た最後には確かに生徒たちの成長に触れられる作品です
自分と重なるキャラを見つけられれば一層共感すること間違いなし! -
Posted by ブクログ
解説の一文「ああ、そうか、大人になったとしても、私たちは何度も間違えるし。見失う。だとしても、間違えて初めて見える景色がある。わかることがある。間違えてもいいから踏み出さずにいられなかった一歩があって、そのことがこれからも自分を支えてくれる。希望と言うなら、それこそ希望なのではないか。」
一つ一つの短編を読みながら、声を出してわらったり、泣いたり、共感してた私は、最後にこの文章に出会ってまた泣いた。
大人になると失敗を恐れるし、みえてくることも増えて後悔も多くなる。ふりかえらなければいけない過去も増えて、辛い経験も増える。
でも、それを選択せずにはいられなかった、経験せずにはいられなかっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ【要旨】中学1年生24人のクラスメイトたち、その1人1人を主人公にした24のストーリーで思春期の1年間を描いた連作短編集。前期・後期の全2巻。 うれしい出会いや、ささいなきっかけの仲違い、初めての恋のときめき、仲間はずれの不安、自意識過剰の恥ずかしさや、通じあった気持ちのあたたかさ。子どもじゃないけど大人でもない、そんな特別な時間の中にいる中学生たちの1年間。だれもが身にしみるリアル。シリアスなのに笑えて、コミカルなのにしみじみとしたユーモアでくるんだ作品集。
1 鈍行列車はゆく (千鶴)
2 光のなかの影 (しほりん)
3 ポジション (蒼太)
4 -
Posted by ブクログ
2014.10.21
アルジャーノンが全然読み進めれないから息抜きに。
短編集だから比較的楽に読み進めれた。しかも女の作者さんだからか、この気持ちすごいよくわかるわー!ってなった。来年社会人だし、ここに描かれている女の人たちにあたしもなっていくんだなぁと思うと、ただただ切ないし少しでも抗いたくなる(笑)
フクちゃんのお店のお話が、まさかあれで終わるとはなぁって感じ。運命って怖いし、見えない罠はどこにでもはられてるのね。
特に好きなのは蜂の巣退治する話!前向きになれるお話だったなー。
てか驚くほど全部すきだった。
カツラの石油王、恋に落ちたホームレス、必死に生きる女、40手前の女子会、結局 -
Posted by ブクログ
ネタバレまた読書メーターで文字数が足りなくなったからこちらに続き。中学の時はひろかや唱子とのやりとりが記憶に強かったが、今回は「生きること」に対して。自分として生きるのも「ホームステイと思えばいいんじゃない」というのと、あと死ぬ時に、特に覚悟なく睡眠薬を大量に飲んだ、というところが印象的だった。ふと思ったのが、やはり簡単に人を殺せたり死ねてしまう (銃や薬)はよくないんだよな (薬は存在自体はしょうがないというか、存在自体を否定するわけではないんだけど)。
死ぬなら、ナイフのように、自分の手で持って死ぬ、殺すみたいな覚悟が必要で、そうでもなく「簡単に」生死を左右できてしまう、特に他人の生死を左右できて -
Posted by ブクログ
本文から
「ぼくは真(自身)の傷にとらわれすぎていて、他のみんなの傷に無頓着すぎたことを恥じ入った。この大変な世界では、きっとだれもが同等に、傷ものなんだ。」
自身が何かで背一杯の時やひとり視点の人生を生きているときに、相手の気持ちを考える時間というのはなかなか取りづらい。あったとしてもそれを考えるだけで気持ちがマイナスになったり悩み事が増えるだろう。人は一人分の人生しか生きれないのだから2人分以上の事に足をつっこむ必要はない。しかし、誰かのことを考えるときに十人一色といった溢れ出る感情や学びを得られるのも事実だろう。「相手を想うこと」これは人生を生きる上で避けられることだが避けるべきものでは -
Posted by ブクログ
戦後日本に駐留したGHQによって、民主主義の定着のための施策として、4人の様々な社会階層の娘たちが選抜され、共同生活をしながら民主主義を学ぶというユニークな設定のもとで繰り広げられる事の顛末。戦後の混乱期の4者4様の境遇は、日本人が実際体験した数え切れない悲劇を反映している。こういう無辜の市民の「もう戦争はこりごり」という心からの実感が、80年余続く日本の平和主義を維持する原動力だったのだろう。日系2世リュウがあまりアメリカ人っぽくなかったが、民主主義の本質に関わる考え方を展開しつつ、予想外の展開で最後まで引きつけて先へ先へと読ませる語り口は、さすがベテラン作家だと思った。