森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
600ページ強のこの本、とてもおもしろかったです。
戦後、GHQが日本の民主化へ向けて、モデルケースとして4人の女性を選び、一定期間安定した衣食住と民主主義教育を与えるという試みがなされた······。その場として自分の邸宅を供給した仁藤子爵夫人、民主主義の教師として派遣された日系2世リュウ・サクラギ、そして個性豊かな4人の女性たちが主となり描かれた小説でした。
この4人の女性たちが学びながら、あるひとつのことで一致団結し協力していくのですが、最後の最後の決断と結果が、なんとも晴れやかな気持ちになるものでした。
日本の戦前までの意識を変えていくために民主主義を学ぶという実験の被験者となっ -
Posted by ブクログ
いろんな初めてが詰められたアンソロジー。
YOASOBIの歌にもなってるので、読みやすい人はいるかと思いますが、以前「想うた」の感想でも書きましたが、歌詞を物語に、物語を歌詞にするのはめちゃくちゃ大変だということです。歌詞にしても短編にしても、そこへの解像度が作者と一致しないと、自己満足になってしまう。広く言えば、創作の世界とは自己満足になるわけだが、異なるアートをリンクさせようとすると、リンクさせる側の自己満足は喪失する。我流を押し通せば非難されるし、かといって落とし込むだけであれば、したためる必要がない。料理と同じだ。サンプリングしたものがイタリアンで、和洋折衷に拵えたものがナポリタンで -
Posted by ブクログ
森絵都さんの作品を読むのはたぶん『◯年ぶり』くらいのほんとそれくらいすごく久しぶりでした。
ことばを中心とした9つのお話。
出てくるのは主に小学生くらいの子どもたちなんですけど、大人の自分にも共通するようなことばかりでした。
どのお話もすごくよかったんですけど、僕が個人的に好きだったのは『風と雨』の瑠雨ちゃんのお話。
大なわとびのくだりがめちゃくちゃ響きました。
あと最後の『%』の短いお話も。
一つのことばから広がっていく展開がすごくおもしろかったですし、ことばの難しさも感じました。
感想はいっぱいあって尽きないです。
それくらい素敵な作品でした。
ありがとうございました! -
Posted by ブクログ
出会いなおしたい、と思った。
でもきっと出会っている時のあの時の空気はもうもたらされない。
重ねた年月は酷く重厚な高い壁で、絶対にそれは越えられない。
だからこそ、出会いなおしたい。
あなたを忘れて過ごした年月のなかでの
積み重ねた間違いや喜怒哀楽の果てで
例えばそれぞれの経験値のようなものがあれば
30が40になったわたしと
50が55になったあなたは
もはや全く別人格で、もう惹かれ合わないかもしれないけど、それはそれできっと温かく柔らかく解される感覚になると思う。
根拠はなくて、なんとなくだけどそう思う。
そして一方で、いま出会っていて
言葉を交わす間柄のあなたも
いつかきっと別れの時 -
Posted by ブクログ
はじめは少し話のテンポが自分に合わず、ザクザクと話は進むのにダラダラとまどろっこしい感じがしたが、塾が段々と成り上がっていくにつれて俄然面白くなってきて、最後はこの3〜4世代続く一大叙情詩に読み終わった後、感嘆の声を上げずにはいられなかった。
こんなに登場人物が出てくるのに、1人1人のキャラクターが際立っていて、一度も確認することなく読み切れたのは久しぶりだった。
また津田沼塾戦争は、まさに自分が第2ベビーブームドンピシャ世代で、この話に出てくる塾の成り立ちは、自分の地元だったせいもあり、あぁこれは市進かな、栄光ゼミナールかな、俺は研数学館だったなとか、勝手に当てはめて興味深く読むこともでき