森絵都のレビュー一覧

  • みかづき

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    もっと早く読むべきだった。とてもよかった。自分自身は塾とはあまり縁がなかったが、子供達は塾にお世話になりました。いろいろな性格の子供達がそれぞれに苦労しながらも成長していく姿がいい。章ごとに少し年代が進むなか、興味を惹く事件や状態のきっかけとなったものが最初は伏せられていて、後から種明かしされていく方法がとても上手く、引き込まれる。主人公が移り変わっていくのも視点が変わって飽きさせない。何よりも自分の住む街が舞台で、馴染みのある地名や、その時代に流行ったものがさり気なく出てきて当時を思い出され、自分自身も物語に入ってる感覚も覚えた。

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    2026年07月20日
  • はじめての

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    yoasobiの原作本

    題名→曲名
    私だけの所有者→ミスター
    ユーレイ→海のまにまに
    色違いのトランプ→セブンティーン
    ヒカリノタネ→好きだ

    yoasobiの曲「好きだ」がかわいくて大好きで
    「何回フラれてがっかりしたって苦い思い繰り返したって、その度触れた君の好き物がいつしか私の好きなものになったんだ」って

    原作のこれに繋がるエピソードも伏線回収も
    最高にかわいい。幸せしか感じない。
    ピュアな幸せな気持ちをありがとーーー

    そして、また、ヒトリ、カラオケで熱唱するのであった

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    2026年07月19日
  • デモクラシーのいろは【電子版おまけ付き】

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    ネタバレ

    GHQは、日本に民主主義を広めるため、ある実験を始めた。
    その実験とは、東京の屋敷に集められた四人の女性に「民主主義のレッスン」を施すことである。日本に新たな価値観が浸透し得るのか見極めるため、日系二世の青年・サクラギが奮闘する。

    堅苦しくなく、よみやすいエンタメ小説。
    お固そうなテーマでこのボリューム。歯応えのある読書になりそう、と身構えて取りかかったが、かなり読みやすい。美央子、吉乃、孝子、ヤエ、クニと、いずれも個性豊かで、かなり良いキャラクターが揃っている。とても一筋縄ではいかない彼女たちを御しきれず、右往左往するサクラギ先生の当惑顔も癖になる。物語に散見される笑いどころは、まさに朝ドラのそれで、どこか品のあるコミカルさだ。

    小難しい所に切り込みたくないのだが。
    デモクラシーを根付かせるってすごく難しい。作中でもサクラギ先生が何度か取り上げていたが、目に見える成果が出るものではない。「基本的人権の尊重」だとか「思想の自由」だとか、色々な角度から掘り下げることが可能であるが、「多様性の受容」という面から鑑みるに、仁藤夫人をとっちめるエンドで良かったのかなあ、というわだかまりは残る。小説としては、デモクラシーを真の意味で解さない分かりやすい敵役がいて…というのは盛り上がるし、実際に面白かったのだが、多様性の受容という観点からすると、仁藤夫人の考えだって、まああってしかるべきなのだ。しかし、物語としては非常に面白かったので、重箱の隅をつつくようなつまんない指摘は無粋というものだ。

    卒業旅行が良かった。
    教室でデモクラシーについて学び、東京の町に出て考え、進駐軍から本場の風を感じた生徒たちは、日光の小学校に社会科の授業参観に赴く。放課後、校長宅で女性蔑視の発言を受け、戦後デモクラシーの現実を知るというシーン。
    デモクラシーを知っていても、受容する土台が全くなっていない。舞台が東京であったからうまくいっていたことなのだと突き付けられた。サクラギ先生の悔しさを思うと、胸が痛んだ。
    旧態依然とした教員たちの価値観を変えるのは難しいと思ったが、その価値観をデモクラシーに染めるということも、なんとなくデモクラシーに反する気がする。デモクラシーって難しいな。新しい価値観を教えるというのは少し違って、知識として吸収して、自分の価値観と違うものだったら、反発せずにそっと置いておくというのが多様性の受容なのかな、と思った。やー、、難しい。

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    2026年07月15日
  • デモクラシーのいろは【電子版おまけ付き】

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    やはり小説は面白い。
    いや、森絵都さんの小説は面白いと強く感じる作品だった。物語はフィクションであるが、戦後初期にワープしたかのような臨場感がある作品。以前新聞で見た上野孤児の写真が目の前に広がるかのような鮮明な描写もあって面白かった。小説はその世界に没頭できるのが醍醐味だと思うが、まさにタイムスリップしてまた令和に戻ってきたような読後感だった。
    民主主義を教える教師、和田や教頭が美央子達の意見に豹変するシーン。生々しく思えた。そりゃ、そんなすぐ変わらないよな。。
    この終戦80年で日本はよくここまで成長したなと思う。女性初の首相誕生に沸いた令和に生きる自分。
    上野の桜は外国人観光客で賑わい、駅ナカはスーパーも食事もスイーツも揃う。カルティエ展が催される程、煌びやかな一面も見える街になった。
    孝子達は今95歳以上の設定だろうか。戦争で家族や家、何もかもを失った彼女達、いや世の男性も含めて、何かに没頭することで心を強くし、戦後を生き伸び、それが日本の経済を作ってきたのだと考えた。やはりこの時代を生きてきた人たちの反骨精神や学びへの意識の高さは、戦争を経験した人ではないと持ち得ない、そんな気もしている。

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    2026年07月12日
  • 永遠の出口

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    「宇宙のみなしご」や「カラフル」「DIVE!!」「ラン」などで有名な児童文学を中心とする小説家の短編集。紀子(のりこ)の小学三年生から高校三年生までの10年間を、10の短編で描いており、姉妹、親、学校の先生、友達との関係、恋、卒業など青春時代の多くのテーマに触れている。子どもが大人になっていく激動の10年間を一人称視点で追体験し、またその過程のいろんな葛藤や気持ちをなぞりながら、自分自身をかえりみることもできる、貴重な経験をさせてもらえる本だと思う。これは、多くの名作児童文学がそうであるように、子どもにも大人にもわかる共通のテーマと、シンプルな構成や文体をとりつつも、背後にある人生の様々な側面の複雑さを感じさせる内容になっているからなのではないかと思った。

    とはいえ、実は自分は大人になる前の、中学生くらいの頃に読んでいた。当時からすれば高校三年生のことは分からずじまいであった。
    その頃から、表題作であり第一編の「永遠の出口」がずっと自分の中に残り続けている。取り返しのつかないこと、もう永遠に経験できない逃した機会を追い求め続けてしまう心についての作品である。主人公は10歳にしてこの「永遠」への執着の出口をみつけるような描かれ方がされているのだが、これはなぜなのかずっと気になっている。私自身が30歳近くになったいま、自分は永遠の出口を見つけられていないが、ときどき考える参照軸にしたいと思っている。



    なお、最近の森絵都の作品である「出会いなおし」を読んでみると、こんな一節があった。

     年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。
    ーーー『出会いなおし』(森絵都,2017)

    長い目で人を立体的に見ていく、というのがこの人(森絵都)とって大切なテーマなのではないかと想像させられた。「永遠の出口」も主人公紀子を様々な時代から様々な側面で立体的に描き、良いところも悪いところも温かい色合いで映している。時代を経て想像しない形に変わっていく人のあり方に人生の深みや面白みがあるというものの見方のように見えた。

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    2026年07月12日
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ

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    最初に読んだのは高校生くらいの時だったと思います。
    久しぶりでも大好きな作品でした。
    一歩大人になる瞬間を切り取るのが抜群に上手いと思います。

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    2026年07月08日
  • 出会いなおし

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    半分は夢中で読みました。残り半分の作品は、なかなか頭に入ってこない。また違うコンディション下に読みたい作品でした。

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    2026年07月04日
  • はじめての

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    YOASOBIが好きで、原作が気になったので購入。歌詞との繋がりを見つけられるのが面白かった。
    4作品の中で、ユーレイとヒカリノタネは特に面白かった。ユーレイは辻村深月さん特有の伏線が面白かったし、ヒカリノタネは前向きな気持ちになれるのでとてもオススメ。

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    2026年07月04日
  • デモクラシーのいろは【電子版おまけ付き】

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    与えられた物語 押し付けられた物語を、
    信じない。
    正しいかどうか自分の頭で考える。
    たった1人の民主主義はない。
    一人ひとりがそうしなければ民主主義は保てない。

    戦後の話だけど、今もかわってないんじゃないかって思う。上のひとにのまれたり、横を見て言葉を飲んだり、遠慮したり。日本人にはこの血が流れてる。

    とにかく、たくさんの人に読んでほしい。





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    2026年07月03日
  • クラスメイツ〈後期〉

    匿名

    購入済み

    とても面白かったです。ごく普通のクラスメイトだけれど、皆んなちゃんと悩んで考えて一人ひとりが主人公なんだ。それぞれに物語がある。人とちゃんと関わるのって大事ですね。とても良いクラスで最後はジーンとしました。

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    2026年07月02日
  • はじめての

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    YOASOBIさんのseventeenが大好きすぎて、この小説に辿り着きました。
    一番好きなお話はヒカリノタネ。
    何回読み返しても涙してしまいます。
    お話読んだあとで、もう一度曲を聞くと更に感動するという無限ループ………好きです

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    2026年06月24日
  • 出会いなおし

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    不意に、涙が出てくるような言葉に出会う一冊だった。人との出会いは、繰り返している。その中で自分にとって壊れてしまうものはたくさんある。失われたものは戻らないし、壊れたものを元の形には戻せないけど、そのヒビのあいだから光を探して生きていくことはできるかもしれない。そんな可能性に賭けたっていいじゃないか、と涙が出てきた。自分と相手を知って愛することができたら、最強だ。

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    2026年06月24日
  • いつかパラソルの下で

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    いつかパラソルの下で…
    この後には何が続くのか。

    勝手に前向きな爽やかな内容なんだろうなと思って読み始めましたが、不穏なスタートでいきなり裏切られました。でも森先生らしいタッチで描かれているため、シリアスなシーンでもどこかコミカルで、ときどき心の中でニヤリとしてしまいました。
    森先生の作品は色の表現が美しく、読んでいるときれいな彩りが目の前に広がる感じが好きです。
    この作品は後半になるにつれて鮮やかさが増していき、読後は爽やかな気持ちでいっぱいになりました。

    いつかパラソルの下で…自分だったら何がしたいかななんて考えることそのものが楽しみになるような、すてきな作品でした。
    とてもおもしろかったです!

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    2026年06月23日
  • みかづき

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    教育とは何か?を改めて考えさせられるだけではなく、登場人物一人一人の性格や考え方が丁寧に描かれていて、人としての考え方やものの見方についても学びのある本でした。でもだからと言って堅苦しい物ではなく、常に人と人の関わり合いを感じることのできる温かいお話でした。「みかづき」の本当の意味を知った時、全ての物語のつながりがとても素敵なものに感じました。
    本の分厚さにもかかわらず、誰の視点で描かれているかが途中で変わるため、飽きることもなく、次を早く読みたいと思える作品でした。

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    2026年06月19日
  • カラフル

    匿名

    購入済み

    すごく心に刺さるストーリーでした。最初の1ページから、え?どうゆう事なの??と、続きが気になってどんどん物語に引き込まれていきました。とても心が苦しくなったり生に対して沢山の事を考え不安になったりもしましたが、心に残る一冊になりました。真と天使さんのやり取りや、ふとした時の真の言動など楽しい場面もありました。色んな人の立場になって物語を感じ事ができました。

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    2026年06月11日
  • はじめての

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    1話1話読み終わるごとにYOASOBIの歌を聴いた。今まで何度も聴いたことがある歌だったけど、こういうお話がベースにあったんだ、こういうことを言っていたんだとわかってより曲の中に入り込めた感じがした。どのおはなしも読みやすくて良かったな。

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    2026年06月07日
  • 風に舞いあがるビニールシート

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    表題作の「風に舞いあがるビニールシート」はイメージしてたものと違ってて、ビニールシートの意味がわかった時に涙が出そうになりました。とてもよい作品です。

    6編の作品どれも読み応えがあって良かったですが、「守護神」「鐘の音」が特に好きです。

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    2026年06月02日
  • みかづき

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    自身が小学生時に中学受験塾、中学時は補講塾、高校の時は大学受験塾に通った経験があり、しかもそれは全て津田沼の塾でした。時代は違えど重ねずにはいられなかった。吾郎の教育者としての素晴らしさはもちろんだけど、塾経営者として千明がビジネスにシビアになる気持ちもすごくわかる気がした。登場人物すべてに物語があり、大長編ながら中だるみすることなく一気読みできました!すごく良い作品でした。

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    2026年05月27日
  • 風に舞いあがるビニールシート

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    ネタバレ

    人生に迷った時に、踏ん張ろうと思える短編集!

    一押しは、「犬の散歩」です!
    平和な日本に生まれ、両親に育ててもらい特に何も無く大人になれて、好きな人と結婚して。主人公と同じで、自分は恵まれていると思いつつも、世の中の不運に対して何もできずにここまで生きてきました。
    「自分になにができるのかと考えることは、自分の無力さと向き合うことだ」
    世の中の不運を教科書やニュースで幾度どなく感じてきましたが、見ないふりしていたのは、自分の無力さと向き合うことが怖かったからなのかもしれないと思いました。
    主人公と義母の掛け合いに心が暖かくなり、涙ぐみながら読んでいました。
    私も自分の牛丼が欲しくなりました。

    全編を通して、人生って出会いの繰り返しだなと感じました。どの短編でも主人公と、主人公が出会った人との掛け合いが印象的で、その掛け合いによって主人公が少しずつ変わっていきました。自分が何をするか、どういう選択をするかということには、選択肢に繋がる出会いが必要。出会いは運命で、運の要素が強いものですが、それを選びとるのは自分自身。ひとつひとつ選んでいくその繰り返しの中で、自分が大切にしたい価値観が強固になっていき、人生になるのではないかと感じました。

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    2026年05月16日
  • みかづき

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    戦後から現代までの教育史の変遷を、塾講師の夫婦の視点で見ていくような物語。教育業界に身を置くものとして、戦時中の戦争教育から時代に合わせて変化しようと悪戦苦闘してきた歴史も同時に知ることが出来て興味深かった。大島家の女性の生き方は芯が通っていてカッコ良いし、吾郎さんのような方が現場にいて欲しい。タイトルの『みかづき』の意味も最後に回収されてスッキリ。”常に何かが欠けている三日月。欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽を積むのかもしれない”…これはどんな仕事にも共通だと思う。

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    2026年05月13日