森絵都のレビュー一覧
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全9編の短編小説。長いものもあれば、数ページだけの作品もありますが、どれも抜群の読み応えがあった。その中でも特に楽しく読めたのは「ヨハネスブルグのマフィア」とタイトルでもある「気分上々」。
「ヨハネスブルグのマフィア」
かつての恋人(?)と10年越しの再会なのに、それを感じさせない大人な会話が魅力的。とりあえず、このマフィアの睡眠法を試してみたい。後、寿司を頼むときは「イカエビタコ」にしたい。
「気分上々」
タイトルそんなところから!?と思ってしまった。思春期ならではの甘酸っぱい悩みや葛藤に、自分もこんな時期があったなあ、と共感。あの頃の男子の頭の中、確かにこんな感じだったかもしれない。 -
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大河ドラマのようでした。昭和36年の用務員室の主人公吾郎が、千明と出会って塾をつくる。戦後から高度成長期に文部省との確執もありながら、塾を運営していく。その中での、吾郎、千明、子ども達、塾の講師達のドラマが繰り広げられていきます。時系列では1961年から2008年までの半生ですが、前半は吾郎、後半は千明、最後は孫の一郎が主人公としてお話が進みます。
教育改革や塾の発展と困難、昨今の学習支援といった現実での社会の流れをリアルに反映していて、きっとどこかに実際にある話だと、共感しながら読みました。また戦後の教育史としても学べました。
お話は未来につながる希望が見えるエンディングでしたが、成績向上の -
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全話面白かった!
周りにこういう女の子居たなぁって
どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!
特に刺さったのは
「こっちを向いて」というお話。
仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。
でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO
最後の「獣の夜」は、臨場 -
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ネタバレ短編集
・出会いなおし
人と何度も出会いなおす
時間が経てばそれぞれ色んな人生を歩んでいくなかで、自分の知っている相手ではなくなることもある。
それは悪いことではなく、同じ人に何度も出会い直し、そうして立体的になっていくんだと思った。
・カブとセロリ
顧客対応と重ねてしまった。
時には正直に、相手と向き合うことが大事だとおもった
・むすびめ
物事の感じ方は人それぞれ。些細なことでも深く傷ついたり後悔していることってあるよな、と。
それで勘違いしていることもある。
昔のこと、気にしていたこと、言いにくなったこと、今だと言葉にできることもある気がする。伝えられる人には伝えていこうかな。 -
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今すぐに新しいことに挑戦したくなる作品でした!
幼いころに家族を亡くした環は、
あの世にいる家族に会いに行くために、
この世とあの世を繋ぐ40kmの道のりを走り切ると決心します。
そこで、マラソンチームに参加して、体力を付けようとする環
チームには、方向音痴でむっつり熱血系の青年、女の子にモテるために痩せたいタヌキくん、毒舌が持ち味のパートのおばちゃんなど、個性的な人たちと練習することに、、、
「はたして環は40kmを走りきることができるのか?
家族を亡くした悲しみからどう立ち直るのか?」
マラソンを通じて、気持ちも考え方も”前向きに”なっていく環の姿を応援しながらも、
読んでいくうち -
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「自分だけが、ひとりだと思うなよ!」
この言葉の強さが好きだ。強烈だ。必死で、切なる気持ち過ぎて、読んでいて、真正面からビンタされるみたいに、はっとする。
思春期まっただなかに読んで、20年ぶりくらいに読み返し、泣いてしまった。
読みながらゆっくり、話の内容を思い出しながら、ここまで来て。この勝田くんの言葉が好きだった、とあの頃の自分を思い出す。
解説の金原瑞人先生が、「大人の方が絶対に、この作品に弱い」と解説で言っており、いまならわかる。
思春期に読んだときはYAは「私たちの物語」だったし、さくら達は時に共感しながらもモダモダした。
いまは、彼女らの未熟さも含めて、まっすぐで眩し