森絵都のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
壮大な家族の物語
最初それぞれ点だったところから、「塾を開きたい」という、とある生徒の母親の一言がきっかけで、吾郎や周りの人の人生がガラリと変わっていき、様々な困難を乗り越え共に成長し、親子3代にわたる壮大な物語でした。
昭和ってそんなに昔でもないのに教育についての考え方や塾に対する認知度とか今とは全然違い、その時代のことをより詳しく知ることができました。
途中何度も、「これどうなっちゃうんだろう、、、」「子供たちは大丈夫かな、、、」なんてハラハラする部分もありますが、紆余曲折はあったものの最後はいい方向で収束できたので、読んでいてすごく感動したし、「がんばれ」!と応援したくなるような感じでした。 -
Posted by ブクログ
今年も再会の夏が来た。
ぼく、智明、ナス、じゃがまる、そして章(あきら)くんの5人は、関東のあちこちから章くんの別荘を目指して出発する。
「子供は眠る」
中三の秋。ぼくは不眠症に悩まされていた。一ヶ月の不眠。そんな状態で球技大会なんて、参加できるわけがない、逃げよう。そうして旧校舎へ逃げ込んだぼくは、元音楽室でピアノを弾いている藤谷りえ子に出逢った。
「彼女のアリア」
ピアノ教室に突如現れたサティのおじさん。
絹子先生、サティのおじさん、そして君絵。手をつなぎ、足をぶつけ合ってワルツを踊った木曜日の夜。
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
普段は身を潜めている、私の中にある情動や -
匿名
購入済みどこか儚げな淡く脆い思春期特有の不安定さを思い出して、初めは主人公の目線で見てたのがいつの間にかガイド役の目線で読み進めてしまいました。サクッと読める分量なのでおすすめです。結末を知った上でもう1回読みたい!
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Posted by ブクログ
子ども時代の友人関係、恋、別れ、家族へのもやもや、進路
わかるなあってところもあるし、こういう時代は大変そうだけど廃れた生活の中で一瞬光るつながり、みたいなのに少し憧れる
限りあるものは怖い、でもだからこそ大切にしようと思える。そんなまっすぐな気持ちを持った大人になりたい
保田くんとの最後、良かった。こっぴどい失恋しても好きで良かったと思えたらそれでいいよね
大人になると別れに対して感情が薄くなるけど、子ども時代は別れを全身に受け止めていたなあ
自分も中学の卒業式では号泣したけど、高校の卒業式では泣いたかどうかも覚えてない、なんか悲しい
元道の「世界は膨張してるんだぜ」ってセリフとても好き。こ -
Posted by ブクログ
ショート・ショート40篇を収録した、さらっと読めるんだけど読後に味わい深い余韻を残す作品集だ。さすがにこれだけの数があると多少の優劣はあるんだけど、面白いアイディアのものもいっぱいあるし、総じてレベルは高いと思う。本作を読み終えて、やはり森さんは短編向きの作家なんだな、と感じた。特に文庫版で追加されたラスト2編が素晴らしい。
本書のタイトルは単純に収録作における共通のテーマみたいなものかなと思っていたんだけど、最後の最後にまさかそういうオチで締めるとはねえ。いやあ、一本取られましたわ。
通勤電車なんかのちょっとした合間に少しずつ読んでいくのがおススメ。