あらすじ
仕事に迷う、人生に迷う、迷ってばかりの私に、
〈ひげ人形愛好会〉から招待状が!?
ミュンヘン! 鈴の音が宵闇に沁むような響きに惹かれて、旅に出た私。
でも、この旅の目的は私にもわからない。
迷い続ける日常を引きづったまま、私はどこへ往くのだろう――。
さりげない情景に仕組まれた、ひと匙の毒とユーモア。
幸せも不幸も、神様からの贈りもののように思えてくる、愛らしい十の物語。
解説・瀧井朝世
※この電子書籍は2011年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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「コンテストのあとには毎年必ず死者がでるのよ。人形の完成後にガクッときてそのまま逝ってしまう仲間がいる。みんな不思議といい死に顔をしているわ」
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最後に驚かされたり、納得したり、とても楽しめた短編集。一冊のなかにたくさんの思いがあふれていた。どの短編も面白かった。他の人にも気づいてほしいようなことがたくさん描かれていた。
「藤巻さんの道」「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の···」「思い出ぴろり」「ラストシーン」「桂川里香子、危機一髪」「母の北上」が特によかった。
どの話も凄く良かった!
やっぱり森絵都先生は良いです!どの話も最高でした。
妙に納得してしまったのは「藤巻さんの道」でした。フィクションのキャラクターのダメなところや闇とかは何かとロマンチックですが、現実の人間のそれは全然ロマンじゃなくて正直関わりたくないものばかり。それでも腹をくくって関わっていこうと思えた時、本当の関係が始まるのかなと思いました。
この短編集は順番もとても良くて、最後を「異国のおじさんを伴う」が締めくくったのも凄く良かったです。
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良作ばかりがズラリと並んだ短編10編。各編、もう書き出しだけで引き込まれます。クスっと、しんみりと、爽快! 色んなところに連れて行ってもらいました。様々な状況下で至る気づき...。いやぁ相変わらずの筆力に脱帽です。
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83
不思議なタイトル通り、全部の話に引き込まれた!
最初の話もまさかのオチ~~!
クジラ見の旦那さんの最後の言葉は笑ってしまった。
あと母、北上の長々と話した息子にそこだけは良かったってバッサリ言い切る母が好き。
あと新幹線のやつ笑った~!危機一髪ですね本当に。
引き込まれて、引き込まれて、あっという間に読み終わった。森絵都さん大好き。
20191111
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森絵都の異国のおじさんを伴うを読みました。
向き合い方によって世界の印象はがらっと変わるというテーマの短編集でした。
「藤巻さんの道」という短編は物語の語り手の僕が有能な同僚の藤巻さんとつきあうという物語でした。
藤巻さんに道の写真だけで編まれた写真集を見せてどの写真が好きか聞いたところ、荒涼とした道の写真を選んだのでした。
なぜ、藤巻さんは花畑の道の写真ではなく、枯れ草と土が続いている道の写真を選んだのか...
真相があらわになった時に、僕が選んだ行動が印象的です。
一番気に入ったのは「桂川里香子、危機一髪」という短編でした。
お金持ちのじゃじゃ馬娘がそのまま大人になった里香子の、新幹線にまつわる危機一髪の物語が語られます。
世界の認識が変わった時に里香子がとった行動に笑い転げてしまいます。
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森絵都の短編集はを読むのは本作が3冊目だが、個人的には一番のヒット。全ての登場人物が可愛らしく愛おしく感じ、元気が出た。
「藤巻さんの道」「母の北上」が特に気に入った。
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全編視点やストーリーは異なるけれど、どれもクスッとさせられたり、やられた!と思わせられたり、押し付けがましくなく人情味に溢れていたりしていて、どれも楽しめた。
まさかのタイトルの「おじさん」の正体?に驚き。
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短編集は作家の作風や文体を育てる(練習する)場所と以前聞いたことがあるが、とにかく短編がうまい作家も多い。森絵都さんと言えば個人的には『宇宙のみなしご』ご最高傑作だが、こうして短編を綴ってこれからも最高の物語を生み出してほしい。映像化も多いけど、映像化できない程の深淵なる物語をまた望んでいる。
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日常を描きつつ、ウイットと スコーンと向こう側に突き抜ける結末。
美味しいちっちゃなチョコレートの詰め合わせみたいな1冊。
表題作は、大きなひげ男の人形を抱え、茫然とする主人公の様子が目に浮かぶよう(笑)
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森絵都さんの短編集のあたたかい雰囲気が大好きで、また手に取ってしまいました。母親のお茶目な頑固さ、藤巻さんの艶めかしさ、小池さんの包容力、停電の闇の隙間から見えた人生の機微、ヒヤリと差し込まれるミュンヘンでの喪失感。どれもがリアリティがあり、そして美しく、優しく、時おり哀しい。読んでいる刹那、ぽんとどこかに灯りがともりそうな、そんな1冊です。
好きな作品を1つ挙げるなら、やっぱり伊勢丹かなあ。どこか馬鹿馬鹿しい狂想曲を最後にくるりと転調させる、その鮮やかさに脱帽です。
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『風に舞いあがるビニールシート』『架空の球を追う』に引き続いての短編集。どの作品もひねりがあって面白いけど、森さんの作品としてはまあ普通かなあ。(もちろん高い水準の中での話です)
個人的にはクリスマスイヴの話が一番好き。割と軽めの話が並ぶ中で「竜宮」はちょっと異色。『情婦』はいつか見てみたい。
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10の短編。藤巻さんの道/夜の空隙を埋める/クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の…/クジラ見/竜宮/思い出ぴろり/ラストシーン/桂川里香子、危機一髪/母の北上/異国のおじさんを伴う。
解説に「人々の心が動いた刹那を丁寧に掬った」短編集とありまが、まさしくです。様々な年代の男女を主人公に、様様な気付きの刹那が描かれます。例えば「藤巻さんの道」。とても魅力的で有能で家庭的に見えた女性が片付けできない人であることを知った男性がとった行動。気付いた直後の動きがハッとさせられるほど鮮やかで、その後の明るさを感じさせる作品が多く、楽しませてもらえました。
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森絵都のショートをいつも完璧なストーリーだと感じます。もうどこも削る個所がないのではないかと感じます。無駄だと思っていた個所も最後の一行で生きてくる。どの話も暖かい思いに浸れます。
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10編の作品を収録した短編集。
状況も、登場人物もバラバラの短編ですがそのいずれにも共通しているのは、どこか身近に感じられる登場人物たちの心情や語り口、少しの毒とユーモア、
そして読み終えた後鮮やかに登場人物たちへの思いや、作品からみえる風景が反転することだと思います。
収録作品は、どれも劇的な場面を描いているというわけではありません。たとえば、
工事による停電に悩まされる二人の女性が文句を言いに夜の街に繰り出す「夜の空隙を埋める」
伊勢丹に訪れた女性を描く「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の……」
フリーライターの女性の仕事上の一つの後悔を描く「竜宮」
国際線のフライトの着陸間際、最後まで見られなかった映画をめぐって話が展開する「ラストシーン」
正月に実家に帰ってきた息子と母を描く「母の北上」
女性作家が”ひげ人形愛好会”に出席する表題作「異国のおじさんを伴う」などなど。
そうした短編たちから感じるのは、文章の上手さや日常を小説に昇華させてしまう、森絵都さんの視点の確かさ、そして、
人の愚かさや愛しさ、心情の変化やドラマが優しい視線で日常から抽出されていることだと思います。
小説の主流はやはり長編なのですが、こういう短編集ももっと読まれてほしいなあ、と読み終えて思いました。
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森絵都さんの文章は歯切れよく、いつも心地よいリズムで読むことが出来る。短編ではその良さがより際立つ。飛行機や新幹線など、ちょっとした移動中に読みたい小品集。
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10編の短編集、と言うよりショートショート、と言った感じ。初めに解説を読んでしまったせいか、
「ご本人にとっては練習なんだ」と言う読み方をしてしまう。
自分的には、「母の北上」がお気に入り。
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短編集。自分にとって面白いと思った話は半分くらいかな。ラストシーンと表題作がなかなか好みの作品でした。特にラストシーンは、倫理観と実際のルールのどちらを優先すべきかという議論が展開されており、非常に興味深い作品でした。
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今まで読んだ森絵都さんとは雰囲気がガラッと変わったので、最初馴染めないかなぁと思った。けど、読み進めるにつれて、ちょっと変わってるんだけど、所謂何気ない日常を描いていて、ほっこりする作品集だったな。
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文庫にて再読。装丁はハードカバーの方が好き。
旅に出ながら読みたくなる一冊。誰しも時間を、土地を、たゆたいながら生きている。靴を買う話がとくにすきだ。
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へんてこりんな話が多いけど。
でもまあいっか。
それぞれの人のちっぽけな毎日にもストーリーがありドラマがある。
そういうことが伝えたいのかな。
生きてるのって悪くないよね、みたいな。
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読み初めはなんだか、このストーリー展開になれないせいか、たいしたことないなあ、としか思えませんでしたが、3編を過ぎたころから、面白く読めました。一冊読み終わった後、あまり面白いと思えなかったものを読み返したら、うん、面白い。
つまりは、この雰囲気になれるかどうかなんだろうな、と思いました。
帯にネコのマスコットが本を読んでいるカットがあり、「ひげ人形愛好会から招待状が!?」と大きく書いてあったので、ひげ人形って猫のマスコット人形かと思いました。
ひょっとしたら、短編小説の典型、と言えるのかもしれません。
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森絵都さん本人が短篇がうまくなりたいと思い、10年は続ける試みで現在も継続している作品集。
ブラックユーモアと人の持つ温かさが同居する、作者らしい一面がうかがえる物語10篇である。
お気に入りは「ラストシーン」。男の人生がラストの台詞に集約されて深い余韻を残す。私の最近好きな言葉が、イマジカbsの広告コピー「映画は人生でできている。人生も、時々映画でできている。」だが、そうだよなあ…。
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この本、「架空の球を追う」からの続き物だったのね。
前作は全般的に薄味と評して★★しかつけなかったのだけれど、買ってからそれに気がついた。
私、この作家を別に嫌いでないし、「カラフル」や「DIVE!!」なんかは良かったと思っているのだけど、これらの短編集にはいまいちピンと来ないですね。
今回も強いてあげれば、暗闇の中でそこだけ白々と照らされたサーチライトの下で黙々とスコップを振るう若者の姿が目に浮かぶ「夜の空隙を埋める」くらいかなぁ。
解説の中で、「クジラ見」の主人公の男について『文句たれの鼻持ならない男という印象を持つが…愛らしい存在に思えてくる』とあったけど、男の私からすれば、彼は女の気まぐれに付き合わされる、端から可哀想な男にしか思えず、そういう捉え方ではこの作品は面白くないんだな、きっと。
この辺が、この作品に対して、クスリとなったりハッとなったりすることが出来る分かれ目なのかなと思った。