森絵都のレビュー一覧

  • みかづき
    テーマは教育、特に学校教育と塾の在り方、ととっつきにくい感じもするが、本作の主人公たちである大島家の人々を緻密に描いた作品。昭和〜平成までの長い年月を描いているので、大島家の大河小説のようでもある。

    家族だから分かり合えること、家族であっても分かり合えないこと、それでも切れない強い繋がり…。家族を...続きを読む
  • つきのふね
    個人的な読書記録にはいつもあらすじを3行くらいでまとめるのだけど、こんなにまとめにくい小説は初めてかも。
    手紙で終わらせる構成は予想がついたし、小学生が書いたとは思えない手紙ではあるけど、最後は凄い一文だった。
    ヤングアダルト小説、侮るなかれだな。
  • ラン
    森絵都・ラン、1年以上積読状態だが、いよいよ挑む!久しぶりの一気読み。両親、弟を事故で亡くし、数年間同居していた叔母も亡くした主人公・環。自転車屋の紺野さんと飼い猫の「こよみ」と仲良しになる、が、こよみが亡くなり、紺野さんも山形へと去ってしまう。そんな中紺野さんから譲り受けたモナミ1号(自転車)。モ...続きを読む
  • ラン
    この本もテーマが「死」なんですかね。コメディタッチなところと変わった登場人物のおかげで、重たくならずに読めました。森絵都さんの本を続けて読んでいますが、読後感がいいですね。さわやか?かろやか?すっきり?語彙力がないけど、なんかいいです。
  • みかづき
    森絵都さんといえば、児童文学のイメージがありましたが、しっかりとした長編小説でした。でも、読みやすさからかあまり長かった感じはなく、すっと読めました。
    戦後の教育史がよく分かる内容でした。私も教育に携わっていますが、教育の歴史の変遷がよく分かりました。これから教育関係に進みたい人は勉強のためにも読ん...続きを読む
  • つきのふね
    森絵都さんの本は心の深いところに
    ずっと入ってきて、優しく包んでくれる。

    登場人物たちの年齢からは遠く離れたけど
    当時を思い出しながら読んでます。

    勝田くんが単なるウザイやつではなくて
    愛すべき存在になってくる感じが好き。
  • 宇宙のみなしご
    「もっとこうなりたい。」「こんな自分が嫌だ。」そういった悩みやコンプレックスは大なり小なり誰もが抱えている。大人も子どもも関係なく。その時行動を起こすか起こさないかは自由だし、どちらが正解か間違いかなんてこともない。ただ行動を起こした方が、たとえそれが失敗に終わったとしても心が晴れるのは間違いない。...続きを読む
  • 永遠の出口
    『あの青々とした時代をともにくぐりぬけたみんなが、元気で、燃料を残して、たとえ尽きてもどこかで補充して、つまづいても笑っていますようにー。』

    このエピローグのセリフにじーんとしてしまった。
    なんかもうどうしようもなく自意識過剰で、エネルギーを持て余して、周りが見えてなくて、そういう時期をぶつかり合...続きを読む
  • みかづき
    読む前はここまで壮大な話だとは思っていなかった。
    かなりボリュームのある本だったが、蛇足だと思うような部分はなく読み応えがあったので、ぜひ腰を据えて読んでほしい一冊。
    登場人物の様々な悩みや葛藤を丁寧に描いていて森絵都らしさを感じたのと同時に教育の難しさ、正解のなさも感じる。
  • 永遠の出口
    とある女の子の小学校から高校卒業までの人生を一気に駆け抜ける作品。主人公の女の子が中々に吹っ飛んだ行動をしてくれるので、それを見ているだけで面白かった。過去を全く振り返らずに、どんどんと違う世界に飛び込んでいくところは、本当に中高生らしいなぁと。
  • DIVE!! 上
    青春のキラキラしたところ、もやもやした鬱屈、
    素直になれない気持ち、そういういろんな感情が
    読んでいるとスッと入ってきて、
    おっさんの身でありながら登場人物の気持ちに
    リンクさせてくるのはすごい。
  • 出会いなおし
    短編集で、数時間で丸1冊読める。
    読書家にも、そうでない方にもおすすめできる本、久しぶりに出会った。

    人って変わる。
    昔反りが合わなかったのに、数年後に会ってみると、あれ?ってくらい意気投合したり、
    逆に、年齢を重ねるにつれて「この人、こんなだったっけ。なんか合わないな」と感じることも。

    自分も...続きを読む
  • 風に舞いあがるビニールシート
    表題作の「風に舞いあがるビニールシート」は、何度読んでも涙が出る。
    難民問題や世界情勢、なにひとつ理解することも貢献することもなく、ただ足元のビニールシートにしがみついているだけの平和ボケ万歳な私たち日本人にも、こんなにも美しい景色と瞬間がある。
    こんな恋愛がしたい。
  • できない相談 piece of resistance
    森絵都さんの文章はやっぱり読みやすくて大好き。短編40本だから、いろんな人の日常を覗き見した気分になれた。
  • カラフル

    どうか

    どうか私の愛するひと、苦しまないで。あなたの幸せと健康を私はいつも祈っている。私のことを知らなくても、私のことを忘れても構わない。どこかで生きていてさえくれればいい。生きていてほしいという私の願いさえもエゴであるなら、あなたが死を選んだ後にあなたが後悔しないことが願う。
    でもどうかあなたが私たちの人...続きを読む
  • 宇宙のみなしご
    なんとなく居場所のない4人がつながって、居場所を見つける、生き方を見つける。そんな話。
    高校生の時読んで、20年経って再読。やっぱり好き。
  • DIVE!! 下
    夜更かしして最後まで一気に読んでしまいました。気づいたらすっかり選手3人のファンになってしまっている自分がいて、試合シーンは全員応援しながらハラハラしながら読み進めました。とっても爽やかで、心が晴れやかになる素敵な本に出会えてよかった!
  • DIVE!! 上
    あっという間に読んでしまいました。青春をひたむきに生きる少年たちが爽やかに目に浮かんできて、ふわっと風が吹いたような気持ちになれました。早く下巻も読みたい!
  • 出会いなおし

    出会いなおしたくなります。

    表題作は題名から転生ものかなと思ったら、ひとつの人生の中で再び出会う話でした。
    「出会いなおし」という題名は表題作だけのもので、他の話はそれぞれ別の題名がついていますが、どれも何かしら再会にまつわる話で統一感がありました(「カブとセロリの塩昆布サラダ」は再会の話ではないかな?でも似た感情を呼び起こ...続きを読む
  • 女ともだち
    「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー

    既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。

    なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
    女性あるあるです。
    そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。

    ...続きを読む