森絵都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
絵都さんの作品を読むのはカラフルに続いて2作目。本当に思春期特有のもやもやとした気持ちを書くのが上手いなと思った。
自分が中学生の時に出会いたかったかも。でも、解説で角田さんが書かれていたように、大人になった今読んだとしてもワクワクして、共感できるところが盛りだくさんだった。
短い夏の間に子供達だけで(実際はお目付け役もいるが)過ごす海辺の別荘、誰もいない旧校舎の音楽室、魔女みたいな先生とフランス人の愉快なおじさん、2人とワルツを踊るピアノ教室。
どの場所も自分は経験していない非日常だけど、どこか懐かしい。おとぎ話の短編集を読んでいるような気分だった。 -
Posted by ブクログ
人生を考えるとき、ふいに宇宙を1人で飛び回る星を思い浮かべることがある。
長い人生・広大な宇宙の中で、星も人も孤独だ。それでも宇宙を漂っている限り、他者との出会い、別離は何度でも訪れる。その出会いは、激しい衝突かもしれない。一瞬だけ限りなく近づいてまた離れていく近接遭遇かもしれないし、あるいはその後何万年もかけた再会なのかもしれない。双子星のように違いに美しい螺旋を描きながら飛んでいくことにもなるのかもしれない。そして出会うたびに万有引力でお互いに影響を及ぼし合っていく。
重力の大きさや進む速度によっても、時間の流れは変わる。濃密な期間を過ごしたりそうではない期間もあったりと、宇宙も人生も -
Posted by ブクログ
「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出合い直すということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。路上のかげろうと同化していくナリキヨさんの後ろ姿を見送りながら、私は泣きたいくらいに強く、面白い、面白いと思いつづけたのだった。」
久しぶりの森絵都作品
短編集で空き時間に読むのに最適のボリュームだった
ここ最近少し重い内容のものが多かったので、ほっこりするストーリーが読みたかった。
何作読んでも瀬尾まいこ作品や一穂ミチ作品のように、セリフやストーリーの文章でリラックスしたり、落ち着く感じがして読後感が良かった。
大切な人や心に残った人と再会することを心待ちにしてその関係性 -
Posted by ブクログ
分厚い小説を久々に読み終えた。
分厚いし、テーマも重いが、小説自体は全然重くなく、爽やかで読みやすい。重厚な戦後を描く小説!と言うよりも、青春小説に近い印象。
戦後、GHQ占領下で、日本女性4人が集めれ、民主主義を学ぶトライアルが行われる。
出自の違う4人が、日系二世の先生役を任された通訳と共に学び(学ばず)、時間をかけて心を通わせ自立していく。
民主主義とは、イデオロギーって、戦争って。。。
と言うことを、説教くさくなくお話の中で表してくれる。
最後の美央子の日記の章は、なるほど長編ならではの展開。
着ている服や、部屋、お屋敷などの情景も良くて、そして、集められた女性たちのキャラクタ -
Posted by ブクログ
[こんな人におすすめ]
*朝の連続テレビ小説が好きな人
笑いあり、涙あり。ロマンスを挟みつつ、ときには歴史や生き方について立ち止まって考えさせられる場面もあり。
文体が明るく、朝ドラのような親しみやすさを感じながら読める作品です。一方で、親しみやすいだけではなく、私たちが当たり前のように受け入れているデモクラシー(民主主義)の本質について改めて考えさせられる一冊でもあります。
[こんな人は次の機会に]
*重厚な社会派小説が好きな人
物語の中心はあくまで人間ドラマです。そのため、現代社会の問題を鋭く告発したり、痛烈に批判したりする社会派小説を期待すると、やや物足りなく感じるかもしれません -
Posted by ブクログ
森絵都/デモクラシーのいろは
終戦直後の日本で、GHQ所属 日系二世の堅物教師が4人の個性的な女性に「民主主義」を教えていく成長物語。
一見とっつきにくそうなテーマとボリュームに躊躇していたけれど本当に読んでよかった。考え抜かれた構成とキャラの魅力、読みやすい筆致であっという間でした。
「民主主義を学ぶ」とは?と思ったけれど、きちんとそこにも言及する。
複雑化しなくていい。誰もが自分の頭で深く考え、意見を主張できる世の中に変わる「始まり」の物語であると。
忸怩たる思いを抱えていたであろう「敗戦国の女」たる彼女たち。それぞれに魅力あり見せ場あり、未来への羽ばたきに後光を見ました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ完全なタイトルとジャケ買い。
だけども、読み終わって購入して良かったとしみじみ感じています。
各章の話について私が知らない職業や内容について具体的に描かれていて、登場人物が所属しているものをうまく解像度高く捉えられずに読み進めてしまったことが悔しかった。。
だけどこんな現実で、こんな仕事があって、こんな流れなのか、と自分が知らないことを覗けることができて知識と知りたいと思った。
大切な何かを第一に心、の奥で芯となっていて、
登場人物は気づいていない人であったり、気づいているけどしがらみに繋がれてうまく動けなかったり、もどかしい気持ちになっていて、
まきをくべて燃えている様子を最後に見せて貰 -
Posted by ブクログ
とにかくカブの料理を狂気的に論うページが印象深い。。
カブかどうか食べてみてほしい、報告をしてほしい、正しいカブのサラダを家まで持ってきてほしい…
なんかすごい執着だな。
人に対する期待値が高い。
私は人への期待値が低いから、他人に対してドライだから、そこまで真意を求められないかも。
それだけ他人への期待値が高いってことは、自分が自分に厳しく、いつでも芯を曲げずに生きてきた証なのかもしれない…
私なら、疲れてたりコンディションが悪い日は全てがなぁなぁになるし、調子よかったらサービスしたくなるし天気が良いだけで笑顔も多くなるし。それぐらいちょっとのことで左右されて、自分に厳しくできなくて、楽に -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃめちゃ面白かった。胸アツな台詞がちりばめられつつ思わず吹き出してしまう台詞も挟まれてて、脱帽。構成も本当にうまいと思う。映画鑑賞の受け止めの二面性とか、ほんと面白い。
最後まで読んで最初からまた読んだ。2回目読む時に美央子の日記と並行しながら読む方法を思いついた自分を褒めてあげたい。
映像化してくれないかな。NHKあたりが頑張ってのんさんみたいな逸材を5人見つけてくれるのでは。仁藤夫人は広瀬アリス、ミスターデモクラシーは仲野太賀くんあたりでどうか。
「この小説はある種のファンタジー」、「せめてこの小説の中では彼女たちを幸せにしてあげたかったし、ある種の仕返しをさせてあげたかった」という筆 -
Posted by ブクログ
短編集で、特に心に残ったのは、「テールライト」輪廻転生のお話。
一時の出会いの人も、もしかしたら前世で深く愛し合った人かも…あの友達とすぐ意気投合したのは、前世で理解しあった過去があったからかも…。
などと、このお話を読んで自分が出会ってきた「人」に対して色々妄想が膨らんで楽しかった。
人は何度も出会いなおす。
時間を経て同じ人に会っても、違う人のように感じてびっくりしたり、ふと心の中である人を思い出すことも、出会いなおし。
私がこれから出会う人と、それぞれに良くも悪くも深い感情や深い関わりを持っていこう。人生が濃くなっていきそうで、ワクワクする…そんなふうに感じました。