森絵都のレビュー一覧
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戦後日本に駐留したGHQによって、民主主義の定着のための施策として、4人の様々な社会階層の娘たちが選抜され、共同生活をしながら民主主義を学ぶというユニークな設定のもとで繰り広げられる事の顛末。戦後の混乱期の4者4様の境遇は、日本人が実際体験した数え切れない悲劇を反映している。こういう無辜の市民の「もう戦争はこりごり」という心からの実感が、80年余続く日本の平和主義を維持する原動力だったのだろう。日系2世リュウがあまりアメリカ人っぽくなかったが、民主主義の本質に関わる考え方を展開しつつ、予想外の展開で最後まで引きつけて先へ先へと読ませる語り口は、さすがベテラン作家だと思った。
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民主主義とは何か。
戦後間もない日本で、それを学ぶために集められた4人の女性たち。教えるのはGHQから派遣された日系二世のリュウ・サクラギ。
長く家父長制と軍国主義のもとで生きてきた彼女たちは、試行錯誤を重ねるレッスンを通して、少しずつ自分の頭で考え、自ら判断し、行動するようになっていく。
物語としては王道の展開で、ラストもそれぞれが自らの意志で未来を選び取っていくという結末だ。ある程度先を予想できるからこそ、不安なく物語に身を委ねることができた。
登場人物それぞれのキャラが立っており、民主主義という一見難しそうなテーマでありながら、一気に読ませるテンポの良さがある。
一方で、女性たちの意識が変わったからといって、社会そのものがすぐに変わるわけではなく、現実の厳しさも突きつけられた。
戦後80年を経た現在、日本は民主主義国家とされている。しかし、私たちは本当に自分の頭で考え、自らの意志で選び、行動できているのだろうか。改めて考えさせられる一冊だった。 -
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読み始めて、再読だったことに気がついた
久しぶりの感覚でもう一度読むことに
言えなかったこと、
どうして言えないんだろうって未だにあるな
言葉の上書き、
取り消すことはできないけれど必要な時はある
ほんとうにいなくなってしまうこと、
時間とともにうすれていくこと、
そうなると届かなくなってしまう言葉がある
たった一言の短い言葉、
それでも誰かのあしたが元気になることがある
子どもたちの
心の内がたくさん書かれていて、
これまでにどこかで通りかかっていそうな
大人になってもわかるよという気持ちになった
とっさに、うまく言葉にできるといいな
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ネタバレみなさん♪今は何月でしょうか… まもなく7月最終日ですね…
ですが、6月の梅雨の本を読みます笑 早速読んでみると梅雨の懐かしさを思い出しました!あの時は外に出ると雨上がりの時は特にムシムシして室内で過ごす時が多かったです☂
ですが、今はも〜っと暑さがまして毎日エアコンが必要です!そんな中、この本を読み、6月の良いポイントを掴むことができました!この本をきっかけに『梅雨ってこんないいところがあるんだね!』と感じました!
主人公のくまのマーくんの活躍ぶりを見て、『マーくん、梅雨で雨降りの中、しくしく泣いてる子たちを助けてあげてるのすごいなぁ』と思いました! -
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SNOW SHOVELINGでシークレットブックを購入し、入っていたのがこの本だった。
特に分かりやすくて気に入ったのは表題の出会いなおしと、むすびめ。
自分って出会う人によって形成されていくし、その出会う人も私や、別の人によって時間と共に形成されてって。
だから何年か後に会ったら、全く違うその人に出会えるんだなって思った。ヘラクレイトスの人は同じ川に二度と入ることはできないって言葉のとおり。
まさに今大学も卒業間近になって、
昔は毎日顔を合わせていた中高の同級生や、元アルバイト先の人に再開すると変わったな、悪く言えば変わっちゃったなって思うこともあるんだよね。
でもそれは私だってそう。
でも、その「変わっちゃった」という一言で終わらせると、その人の数年間を見ないことにもなってしまう。
「なんでそんなふうに変わったんだろう」
「その数年間で何があったんだろう」
と興味を持って接すると、その人は昔の友達じゃなくて、今のその人として見えてくる。
変わったことを疎ましく思うんじゃなくて、変化した旧友を知ろうとすること、興味を持つこと、が大事なんだなって感じたな。
歳をとって、同じ人に出会い直せるという見方は素敵だし、再会の形が豊かになると思った。 -
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観光立国を目指し日本的ではないものを徹底して排除し、監視を続ける近未来が舞台
前半はその世界で暮らす家族の日常の中に不思議な力を持つ3人の造園業者がやってきて、小さな事件を解決するような感じなのだけど、後半は彼らが国家レベルの大きな問題に直面するという展開。
平安時代から現代までのおおきな時間の流れで架空の世界を作り上げて、さらにその世界の特殊な言葉を説明的にならずに自然に理解できるように導入する世界観の構築力がめちゃくちゃ巧い作品でした。
あと、2019年の刊行なのだけど、2026年の世界を風刺しているのではないかと思うくらいものすごく現代的なテーマが描かれていて心配になっちゃうくらいストレートな社会風刺になっていて、森さんの社会を見る目の鋭さを感じました。
ものすごく社会的なディストピア小説でありながら、魅力的なキャラクターたちが織りなす明るいノリの作品なのも良い。ちょっと伊坂幸太郎っぽいですよね。 -
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絵都さんの作品を読むのはカラフルに続いて2作目。本当に思春期特有のもやもやとした気持ちを書くのが上手いなと思った。
自分が中学生の時に出会いたかったかも。でも、解説で角田さんが書かれていたように、大人になった今読んだとしてもワクワクして、共感できるところが盛りだくさんだった。
短い夏の間に子供達だけで(実際はお目付け役もいるが)過ごす海辺の別荘、誰もいない旧校舎の音楽室、魔女みたいな先生とフランス人の愉快なおじさん、2人とワルツを踊るピアノ教室。
どの場所も自分は経験していない非日常だけど、どこか懐かしい。おとぎ話の短編集を読んでいるような気分だった。 -
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人生を考えるとき、ふいに宇宙を1人で飛び回る星を思い浮かべることがある。
長い人生・広大な宇宙の中で、星も人も孤独だ。それでも宇宙を漂っている限り、他者との出会い、別離は何度でも訪れる。その出会いは、激しい衝突かもしれない。一瞬だけ限りなく近づいてまた離れていく近接遭遇かもしれないし、あるいはその後何万年もかけた再会なのかもしれない。双子星のように違いに美しい螺旋を描きながら飛んでいくことにもなるのかもしれない。そして出会うたびに万有引力でお互いに影響を及ぼし合っていく。
重力の大きさや進む速度によっても、時間の流れは変わる。濃密な期間を過ごしたりそうではない期間もあったりと、宇宙も人生も密度というものはどうも一様ではないみたいだ。
宇宙も人生も、なかなか思うようには行かない。不慮の事故もあれば思いがけない幸運もある。カオスに満ちた世界だからこそ、人生はおもしろいのかもしれない。 -
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「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出合い直すということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。路上のかげろうと同化していくナリキヨさんの後ろ姿を見送りながら、私は泣きたいくらいに強く、面白い、面白いと思いつづけたのだった。」
久しぶりの森絵都作品
短編集で空き時間に読むのに最適のボリュームだった
ここ最近少し重い内容のものが多かったので、ほっこりするストーリーが読みたかった。
何作読んでも瀬尾まいこ作品や一穂ミチ作品のように、セリフやストーリーの文章でリラックスしたり、落ち着く感じがして読後感が良かった。
大切な人や心に残った人と再会することを心待ちにしてその関係性を大切にしよう、だったり新しい人と出会うことを楽しみにすることができる本だった。
他の作品も読みたい。 -
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分厚い小説を久々に読み終えた。
分厚いし、テーマも重いが、小説自体は全然重くなく、爽やかで読みやすい。重厚な戦後を描く小説!と言うよりも、青春小説に近い印象。
戦後、GHQ占領下で、日本女性4人が集めれ、民主主義を学ぶトライアルが行われる。
出自の違う4人が、日系二世の先生役を任された通訳と共に学び(学ばず)、時間をかけて心を通わせ自立していく。
民主主義とは、イデオロギーって、戦争って。。。
と言うことを、説教くさくなくお話の中で表してくれる。
最後の美央子の日記の章は、なるほど長編ならではの展開。
着ている服や、部屋、お屋敷などの情景も良くて、そして、集められた女性たちのキャラクターがバラバラでそれぞれに違った軸があるので、映画化したら面白そう。
サクラギの真っ直ぐな紳士感がまた良い。
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あなたにとって民主主義とは
多くの人間が共有できる平和の支軸
遠慮しない勇気と、相手を思いやる広い心
自分の目で見て、自分の頭で考え続けること
ここにいた時間のぜんぶ